運営 / 更新 2026-09-25
介護保険負担割合証と後期高齢者医療の窓口負担割合の違い(判定基準・有効期間)
訪問介護事業所が確認する「介護保険負担割合証」と、利用者が医療機関の窓口で使う「後期高齢者医療の窓口負担割合」は、判定基準も証明書も異なる別制度です。両方を「負担割合」とひとくくりにすると、利用者への説明や利用料の確認で取り違えが起こります。
この記事で決めること
訪問介護利用者の介護保険負担割合証と後期高齢者医療の窓口負担割合が別制度で判定基準も異なることを確認するための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、介護保険負担割合と後期高齢者医療の窓口負担割合の確認メモを作成できる状態を目指します。
介護保険の負担割合証(1〜3割)の判定基準
介護保険サービスを利用したときの利用者負担は、原則1割で、一定以上の所得がある方は2割、さらに所得が高い方は3割になります。3割は本人の合計所得金額が220万円以上、かつ同一世帯の65歳以上の方(第1号被保険者)の年金収入とその他の合計所得金額の合計が単身340万円以上・2人以上世帯463万円以上の場合です。2割は本人の合計所得金額が160万円以上、かつ同一世帯の第1号被保険者の年金収入とその他の合計所得金額の合計が単身280万円以上・2人以上世帯346万円以上の場合のうち、3割の基準に該当しない場合が対象です。
この負担割合は「介護保険負担割合証」に1割・2割・3割のいずれかで記載され、要介護・要支援認定を受けた方と事業対象者全員に交付されます。有効期間は毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間で、要介護認定そのものの有効期間とは別に管理されます。訪問介護サービスを提供するときは、この負担割合証に記載された割合で利用料を計算します。
後期高齢者医療の窓口負担割合(1〜3割)は別の判定基準
75歳以上の方(および一定の障害があり認定を受けた65〜74歳の方)が加入する後期高齢者医療制度では、病院や診療所の窓口で支払う医療費の自己負担割合が別に定められています。原則は1割で、現役並み所得者は3割、令和4年(2022年)10月1日からは一定以上の所得がある一般所得者等が2割になりました。
2割負担の判定基準は、同一世帯の被保険者に課税所得28万円以上の方がいて、かつ年金収入とその他の合計所得金額の世帯合計が単身200万円以上・2人以上世帯320万円以上の場合です。3割は同一世帯に課税所得145万円以上の方がいる場合です。介護保険の負担割合とは所得の基準額も判定の仕組みも異なります。
訪問介護の現場で取り違えやすい点
介護保険負担割合証は訪問介護など介護サービスの利用料に、後期高齢者医療の窓口負担割合は病院受診時の医療費に、それぞれ適用されます。同じ利用者でも介護保険側は2割、医療保険側は1割というように割合が一致しないことがあり、どちらも「負担割合」と呼ぶため、家族から問い合わせを受けた際に混同しやすい実務上の注意点です。後期高齢者医療の負担割合の仕組みを見るで医療保険側の判定基準を確認すると、介護保険負担割合証との違いを取り違えにくくなります。
事業所として利用料を計算する際は、必ず介護保険負担割合証(またはその情報を反映した被保険者証)の記載を確認し、医療機関の窓口負担割合の説明と混同しないようにします。負担割合証の交付時期や有効期間の起点が制度ごとに異なる点も、家族への説明時に案内すると誤解を防げます。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 対象利用者の介護保険負担割合証に記載された割合(1〜3割)を確認する
- 利用者が後期高齢者医療制度の対象か確認し、窓口負担割合の説明と混同していないか確認する
- 両制度の判定基準・有効期間の違いを家族への説明資料に反映する
- 訪問介護の利用料計算には介護保険負担割合証の記載のみを用いる
一次資料
制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 岡山市「介護保険サービス利用時の負担割合について」(確認日 2026-09-25)
- 内閣府(政府広報オンライン)「後期高齢者医療制度 医療費の窓口負担割合はどれくらい?」(確認日 2026-09-25)