事業計画 / 更新 2026-09-27
訪問介護の出張所(いわゆるサテライト)を本体事業所と一体指定する要件
本体事業所とは別に、待機や道具の保管、着替え等を行う「出張所等」(いわゆるサテライト)を設ける場合、老企第25号が定める5つの要件を満たせば、独立した別事業所として指定を受け直さなくても、一体的なサービス提供の単位として同一の指定に含めることができます。
この記事で決めること
本体事業所とは別に出張所(いわゆるサテライト)を設ける場合に、一体的なサービス提供の単位として指定を受けるための5要件と、常勤換算方法における勤務延時間数の扱いを確認するための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、出張所(サテライト)の一体的指定5要件チェック表を作成できる状態を目指します。
一体的な指定単位として扱うための5要件
厚生労働省の解釈通知「指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について」(平成11年9月17日老企第25号)は、事業者の指定は原則としてサービス提供の拠点ごとに行うとしつつ、本体事業所とは別に待機や道具の保管、着替え等を行う「出張所等」であっても、次の5つの要件を満たせば一体的なサービス提供の単位として「事業所」に含めて指定できると定めています。①利用申込みに係る調整、サービス提供状況の把握、職員に対する技術指導等が一体的に行われること、②職員の勤務体制・勤務内容等が一元的に管理され、必要な場合に主たる事業所や他の出張所等との間で相互支援が行える体制にあること、③苦情処理や損害賠償等に際して一体的な対応ができる体制にあること、④事業の目的や運営方針、営業日や営業時間、利用料等を定める同一の運営規程が定められること、⑤人事、給与・福利厚生等の勤務条件等による職員管理が一元的に行われること、の5つです。
厚生労働省老健局は令和7年12月26日付の事務連絡(介護保険最新情報Vol.1455)で、この取扱いを「いわゆる『サテライト』」と呼び、今後高齢者人口の減少に伴いサービス需要の減少が見込まれる中山間地域や離島等で、地域の需要に応じた柔軟な人員配置が可能な出張所の設置が特に有効との考えを示し、本体事業所との緊密な連携体制の確保にICT機器やケアプランデータ連携システム等の活用を促しています。制度としては老企第25号の従来の取扱いを周知・活用促進するもので、新しい事業所類型を新設するものではありません。
常勤換算方法での取扱いと兼務
老企第25号は「訪問介護に関する基準」の項で、出張所等がある場合、常勤換算を行う際の事業所の訪問介護員等の勤務延時間数には、出張所等における勤務延時間数も含めるものとすると定めています。確認できた配置基準上の規定はこの一文のみで、訪問介護員等の常勤換算2.5以上やサービス提供責任者の配置基準そのものが緩和されるわけではなく、出張所等を含めた事業所全体の勤務延時間数を合算して基準を満たすかどうかを判定する、という取扱いです。
管理者やサービス提供責任者が同一敷地内・隣接地等で管理業務に支障がない範囲で他の職務を兼ねられるという兼務規定は、出張所等に固有のものではなく、訪問介護の人員基準全体にかかる一般規定です(詳細は人員基準記事)。本体事業所との具体的な距離・移動時間の上限は、老企第25号・事務連絡のいずれにも数値の記載がなく、一次資料の範囲では確認できません。出張所の設置を検討する場合は、5要件を満たす体制を整えたうえで、指定権者へ個別に確認してください。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 出張所(サテライト)で行う業務範囲(待機・道具保管・着替え等)を整理し、独立した別事業所として指定を受け直す必要がないかを確認する
- 5要件(利用申込み調整・サービス提供状況の一体把握、勤務体制の一元管理と相互支援体制、苦情処理・損害賠償の一体対応、同一の運営規程、人事・給与・福利厚生の一元管理)を1項目ずつ整備し証跡を残す
- 常勤換算を行う際、出張所等の勤務延時間数を本体事業所と合算した数値で訪問介護員等の員数が基準を満たすかを確認する
- 本体事業所との距離・移動時間、兼務範囲など一次資料に明記のない事項を指定権者へ事前相談し、回答を記録する
一次資料
制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。