運営 / 更新 2026-08-23
訪問介護のシミュレーターが計算しない加算・減算の範囲
シミュレーターの計算は基本報酬・地域単価・稼働日数を基礎にしていて、加算・減算・同一建物等の条件・特別地域の取り扱い・処遇改善加算・個別の算定可否は含まれていません。算定要件と届出状況を入力・検証する仕組みがまだ実装されていないためです。
この記事で決めること
シミュレーターの計算対象外になっている加算・減算・同一建物等の条件・特別地域の扱いを把握し、どこで個別に確認すべきか判断するための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、シミュレーター未対応の加算・減算・地域条件の個別確認チェックリストを作成できる状態を目指します。
加算・減算が計算に含まれない理由
厚生労働省の告示には、高齢者虐待防止措置未実施減算・業務継続計画未策定減算(いずれも所定単位数の100分の1)のように基準を満たさない場合に一律で適用される減算と、体制や実績、届出の有無によって算定できるかどうかが事業所ごとに変わる加算があります。処遇改善加算や特定事業所加算はこの後者にあたり、要件を満たしているかを職員名簿や記録と突き合わせて初めて算定できます。
シミュレーターはこうした算定要件と届出状況を入力・検証する仕組みを持たないため、結果画面の「モデルの範囲」の注記で加算・減算とその算定可否を対象外と明示し、月次売上の計算には含めていません。結果画面に表示される売上は、算定要件を満たす加算・減算をすべて反映した金額ではなく、それらを除いた基本報酬ベースの目安です。
同一建物等・特別地域の算定率は個別に確認する
同一建物等居住者への訪問には、所定単位数の100分の90(同一敷地内・隣接敷地内・同一建物に居住する利用者、または同一敷地内建物等に該当しない建物でもその事業所の利用者が20人以上居住する場合)または100分の85(同一敷地内建物等に50人以上居住する建物の利用者)を算定する規定があり、厚生労働大臣が定める基準に該当する事業所が同一敷地内建物等に50人未満居住する利用者に行った場合は100分の88を算定する例外もあります。どの利用者が対象になるかは、居住する建物と事業所の位置関係、建物内の利用者数を個別に確認しないと判断できません。
特別地域訪問介護加算は、厚生労働大臣が定める地域に所在し、都道府県知事へ所定様式で届け出た事業所に、所定単位数の100分の15を加算する制度です。このほかにも、対象地域や通常の事業の実施地域を越えた提供に応じた加算区分があります。いずれも対象地域は厚生労働大臣が個別に指定するため、開業予定地が該当するかどうかは一次資料または指定権者への確認が必要で、全国一律に適用される制度ではありません。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 自事業所が算定し得る加算(処遇改善加算・特定事業所加算を含む)と減算(虐待防止措置未実施・業務継続計画未策定・同一建物等居住者)の該当有無を洗い出す
- 同一建物等居住者への訪問が敷地内・隣接・同一建物のいずれかに該当するか、建物ごとの利用者数を確認する
- 事業所所在地が特別地域訪問介護加算等の対象地域に含まれるかを一次資料または指定権者へ確認する
- 処遇改善加算・特定事業所加算は個別記事の要件チェックへ進み、それ以外の加算・減算は指定権者・国保連へ算定可否を確認する
一次資料
制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(確認日 2026-08-09)