運営 / 更新 2026-10-06

介護情報基盤(介護WEBサービス)の導入手順と開始日

介護情報基盤は、利用者の要介護認定の情報やケアプランなどを、市町村(保険者)と介護事業所がオンラインで共有する国の仕組みです。事業所は「介護保険資格確認等WEBサービス」(以下、介護WEBサービス)という入口から、利用者の情報を見ます。厚生労働省は令和8年8月の説明会資料で、事業所に向けて準備の手順を示しています。この記事は、その資料の本文で確認した導入の流れ(ユーザ登録、電子証明書、端末とカードリーダー、マイナ資格確認アプリ)、利用者の情報を見るための本人確認と包括同意、市町村ごとに開始日が違う点を整理します。資料は介護事業所全般に向けたもので、訪問介護だけの手順は確認できていません。確認日は2026年10月6日で、日付は資料の記載どおり「予定」と「実施済み」を分けて書きます。

この記事で決めること

介護事業所(訪問介護を含む)が、厚生労働省の令和8年8月の説明会資料で、介護情報基盤の入口である介護WEBサービスの導入の流れ、利用者の情報を見るための本人確認と包括同意、市町村ごとに違う利用開始日、ケアプランデータ連携システムの統合予定を確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、介護WEBサービスの導入段階・担当者・端末・市町村ごとの開始日を並べた準備表を作成できる状態を目指します。

介護情報基盤と介護WEBサービスの関係

資料は、介護WEBサービスを介護情報基盤の入口と位置づけています。介護事業所は介護WEBサービスで、被保険者証、負担割合証、限度額認定証などの資格情報、要介護認定の進み具合、住宅改修費や福祉用具購入費の利用状況を、必要なときに確認できるようになります。資料は、これまで利用者や家族に探してもらったり市町村に電話で確認したりしていた作業が、事業所で完結する変化として説明しています。

居宅サービス計画作成依頼届出(ケアプランを作る事業者を市町村へ届け出る書類)の代行提出も、介護WEBサービスでできるようになると資料は述べています。この届出は主にケアマネジャー側の業務なので、訪問介護事業所の業務との関係は、この記事では確認していません。

導入の流れ:資料が示す事業所側の準備

資料は、介護情報基盤を使う準備の流れを、次の5つの段階に分けて示しています。準備には、電子請求受付システム(国保連合会へ介護給付費を請求するシステム)のIDとパスワードを使います。仮パスワードのままではログインできないので、先に本パスワードを確認します。

資料は、このうちケアプランデータ連携システムの引っ越し準備に必要なのは、介護WEBサービスで認証・ログインする段階だけだとしています。ほかの段階も、準備の一環として行ってほしいという案内です。この作業は、助成金を使って導入支援事業者に依頼することもできます。

介護情報基盤の導入手順(簡易版)
段階することの要点資料に書かれている注意
1 ポータルのユーザ登録電子請求受付システムのIDとパスワードで認証し、新規ユーザ登録の情報を入力する仮パスワードの場合はログインできない
2 電子証明書の準備使う端末(パソコン・タブレット・スマートフォン)に電子証明書をインストールする発行者が「e-seikyuu CA」のものが該当。使う端末ごとにインストールが必要
3 端末とカードリーダー介護WEBサービスを見る端末と、周辺機器・通信機器、カードリーダーを用意する利用者のマイナンバーカードで本人確認をパソコンで行うときは、カードリーダーが必要
4 マイナ資格確認アプリ端末にアプリを入れ、ポータルで利用申請をし、アプリにアカウント情報を登録する資料の簡易版では、5の段階でアプリの情報を介護WEBサービスに紐づける
5 認証・ログインと事前設定介護WEBサービスで認証・事業所ユーザログインをし、管理者ユーザを登録する。職員の人数に応じて一般ユーザを登録し、アプリの情報を紐づけるケアプランデータ連携システムの引っ越しに必要なのは、この中の認証・ログインの段階

利用者の情報を見るために必要な本人確認と包括同意

資料は、介護WEBサービスで利用者の情報を見る(情報参照)には、2つが必要だとしています。1つは、事業所による利用者の本人確認です。もう1つは、利用者による包括同意です。包括同意とは、要介護認定の情報、ケアプランの情報、LIFE(科学的介護情報システム)の情報といった詳しい情報を、利用者と関わる事業所が見ることへの同意です。一度包括同意があれば、要介護認定の期間中は、事業所ごとに同意を取り直す必要がないと資料は説明しています。

本人確認の方法は2つあります。1つはマイナンバーカードを読み取り、券面の顔写真と本人を目で見て確かめる方法です。もう1つは、介護保険被保険者証に載っている被保険者番号・保険者番号・カナ氏名・生年月日・性別を入力する方法です(資料はこれを「4情報」と呼んでいます)。マイナンバーカードで本人確認をした場合は、24時間以内に利用者一覧の画面を開く必要があります。本人確認は一定の期間有効で、利用者のレセプト(介護給付費の請求)が発生すると期間が延びると資料は書いています。

包括同意の取り方は、利用者の状況で変わります。要介護・要支援の認定を申請するときは、自治体が申請書の同意欄で取ります。この申請書は令和8年4月1日から様式が変わっています。すでに認定を受けてサービスを使っている利用者は、次の認定申請のときや本人の申し出のときに自治体が取る方法と、居宅介護支援事業所や施設などが介護WEBサービスで取る方法があります。資料が、訪問介護事業所が包括同意を取る場面について述べているかは、確認できていません。

市町村ごとに違う利用開始日と、ケアプランデータ連携システムの統合

介護情報基盤を使うには、市町村(保険者)のシステム改修が終わり、利用開始日を迎えている必要があります。利用開始日は市町村ごとに違います。資料は、介護情報基盤ポータルの「市町村(保険者)の対応状況」で、都道府県を選んで各市町村の開始日を確認できると案内しています。事業所には、その市町村の利用開始日の前までに、介護WEBサービスへ登録してほしいとしています。複数の市町村の利用者を受け持つ事業所は、市町村ごとに開始日を確かめる必要があります。

ケアプランデータ連携システムは、2027年(令和9年)1月に、介護WEBサービスの中へ引っ越す予定だと資料は書いています。引っ越しの準備期間は2026年7月から12月です。ケアプランの連携機能は、市町村が介護情報基盤を開始する前から使えるので、開始日にかかわらず早めの登録を求めています。日付は資料が示す予定で、今後変わる可能性があります。

事業所で決めておくこと

まず、電子請求受付システムのIDとパスワードを誰が管理しているかを確かめます。次に、介護WEBサービスを使う端末と、電子証明書を入れる端末を決めます。マイナンバーカードで本人確認をするなら、カードリーダーとマイナ資格確認アプリも要ります。管理者ユーザと、職員ごとの一般ユーザの割り振りも決めておきます。

利用者の情報を見る場面(本人確認と包括同意)が自分の事業所の業務にあるか、導入の費用を助成金で賄えるかは、資料の範囲では確認しきれません。最新の案内は介護情報基盤ポータルで確認し、不明点はポータルのお問い合わせから尋ねてください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 電子請求受付システムのIDとパスワードの管理者を確かめ、介護情報基盤ポータルでユーザ登録する
  2. 介護WEBサービスを使う端末を決め、電子証明書をその端末ごとにインストールする
  3. マイナンバーカードで本人確認をする場合は、カードリーダーとマイナ資格確認アプリを用意する
  4. 利用者の市町村ごとの利用開始日を介護情報基盤ポータルで確認し、開始日前までに管理者ユーザと職員の一般ユーザを登録する

一次資料

制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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