運営 / 更新 2026-10-13

訪問介護の障害者雇用義務:法定雇用率2.7%と37.5人以上の数え方(令和8年7月〜)

令和8年7月から、民間企業の障害者の法定雇用率は2.7%になり、雇用義務の対象は常用雇用労働者37.5人以上の事業主に広がりました。登録ヘルパーが多い訪問介護事業所では、週20時間以上30時間未満の短時間労働者を0.5人と数えるため、職員の実人数が37.5人を超えていても対象にならないことがあります。この記事は、障害者の雇用の促進等に関する法律と厚生労働省・高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)の資料を2026-10-13に確認し、対象の判定、雇うべき人数の出し方、毎年の報告と納付金を整理します(個別の採用判断や助成金の金額は扱いません)。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

訪問介護事業所の事業者が、登録ヘルパーを含めた労働者数から障害者雇用義務の対象かどうかと雇うべき人数を、法定雇用率2.7%と短時間労働者の数え方で確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、障害者雇用義務の確認表(職員ごとの週の所定労働時間と区分・労働者数の合計・法定雇用率を掛けた雇うべき人数・雇用している障害者の数・6月1日の報告の準備状況)を作成できる状態を目指します。

法定雇用率2.7%と、対象になる事業主の範囲

障害者の雇用の促進等に関する法律第43条第1項は、事業主に、雇用する労働者の数に障害者雇用率を掛けた数以上の障害者を雇う義務を課しています。掛けた数に1人未満の端数があるときは切り捨てます。障害者雇用率は、同法施行令第9条で100分の2.7と定められています。

厚生労働省のリーフレットでは、民間企業の法定雇用率は令和5年度が2.3%、令和6年4月が2.5%、令和8年7月が2.7%と段階的に上がり、対象となる事業主の範囲は43.5人以上、40.0人以上、37.5人以上と広がると示されています。令和8年7月以降は、37.5人以上の労働者を雇う事業主が対象です。

JEEDの資料にある例では、常時雇用する労働者が120人の企業は、120人に2.7%を掛けて3.24人になり、端数を切り捨てた3人以上の障害者を雇う義務があります。訪問介護は、リーフレットに載っている除外率の設定業種に含まれていません。

登録ヘルパーを含めた労働者数の数え方

雇用義務の対象かどうか、雇うべき人数がいくつかを決める労働者数は、障害の有無に関係なく数えます。JEEDの資料では、短時間以外の常用雇用労働者を1人、短時間労働者を0.5人として算定し、週の所定労働時間が10時間以上20時間未満の特定短時間労働者は算定の対象外とされています。

厚生労働省のパンフレット「障害者雇用のご案内」の算定表では、週の所定労働時間が30時間以上を短時間以外、20時間以上30時間未満を短時間労働者、10時間以上20時間未満を特定短時間労働者に分けています。登録ヘルパーは、週ごとの実績ではなく、契約で定めた所定労働時間で区分を確認します。

仮の数字で計算すると、次のようになります。週30時間以上のヘルパーと事務職員が15人、週20時間以上30時間未満の登録ヘルパーが45人の事業所では、15人に45人の半分の22.5人を足して、37.5人です。37.5人に2.7%を掛けると約1.01人で、端数を切り捨てた1人以上の障害者を雇う義務が生じます(仮の数字による計算の流れの例で、実際の事業所の人数ではありません)。

実際の人数の確認は、毎年6月1日時点の雇用状況の報告に使う集計に合わせます。パンフレットのQ&Aでは、常時雇用する労働者を週の所定労働時間が20時間以上で1年を超えて雇用される見込みのある人としているため、契約期間が短い登録ヘルパーの扱いも確認します。区分の判断に迷う職員がいるときは、管轄のハローワークか都道府県労働局に、確認した日と回答の内容を記録して確認します。

週の所定労働時間ごとの、障害者1人の数え方(厚生労働省のパンフレット「障害者雇用のご案内」で確認した範囲)
障害の区分週30時間以上週20時間以上30時間未満週10時間以上20時間未満
身体障害者(重度以外)1人0.5人算定されない
重度身体障害者・重度知的障害者2人1人0.5人
精神障害者1人1人(当面の間の特例)0.5人

毎年の報告・推進者の選任と、納付金の対象

対象となる事業主には、毎年6月1日時点の障害者の雇用状況をハローワークに報告する義務があります。障害者雇用推進者の選任は努力義務です。

障害者雇用納付金は、常用雇用労働者が100人を超える事業主が対象です。法定雇用率に足りない場合は、不足1人あたり月額5万円が納付金になります(厚生労働省のパンフレット)。令和8年度分の申告期間は、令和9年4月1日から5月17日までで、令和8年6月以前は2.5%、令和8年7月以降は2.7%で算定されます。

100人以下の事業主は納付金の徴収の対象外ですが、雇用義務そのものは37.5人以上であれば生じます。労働者が障害者に当たるかの確認は、同法第43条第9項により、厚生労働省令で定める書類で行います。

事業所での確認の順序と、このページが判断しないこと

事業所では、次の順で確認します。まず、職員を週の所定労働時間で3つの区分に分けて、労働者数を出します。次に、37.5人以上なら2.7%を掛けて雇うべき人数を出し、最後に、すでに雇っている障害者の数を算定表で数えて6月1日の報告に備えます。

採用の相談先は、ハローワークと、障害者雇用相談援助事業を行う事業者です(後者の相談援助は原則無料とリーフレットに書かれています)。このページは、個別の職員が算定の対象に当たるか、助成金が受けられるか、具体的な採用の進め方を判断しません。職員の労働条件の書面は訪問介護の雇入れ時の労働条件明示と労働者名簿・賃金台帳、採用の全体像は訪問介護員の採用・研修・定着計画で整理しています。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 職員の一覧を作り、契約で定めた週の所定労働時間を、30時間以上、20時間以上30時間未満、10時間以上20時間未満、10時間未満の4つに分けて書く。登録ヘルパーは実績ではなく契約の所定労働時間で分ける
  2. 30時間以上の職員を1人、20時間以上30時間未満の職員を0.5人として足し、10時間以上20時間未満の職員は数えずに労働者数を出す。37.5人以上かを確認し、37.5人以上なら2.7%を掛けて、端数を切り捨てた雇うべき人数を記録する
  3. すでに雇っている障害者を、週の所定労働時間と障害の区分に応じた算定表で数え、雇うべき人数との差を記録する。区分に迷う職員は、ハローワークか都道府県労働局に確認し、確認した日と回答を残す
  4. 毎年6月1日時点の雇用状況をハローワークへ報告する準備として、職員の区分と人数を6月1日の日付で控える。常用雇用労働者が100人を超えるときは、納付金の申告期間(令和8年度分は令和9年4月1日から5月17日)も予定に入れる

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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