運営 / 更新 2026-10-02

混合介護(訪問介護と保険外サービスの組み合わせ)の取扱い(同時一体的な提供は不可・提供時間の区分・事業者の遵守事項)

介護保険のサービスと、介護保険の対象にならない保険外サービス(自費サービス)を同じ利用者に組み合わせて提供することは、一定の条件のもとで認められています。ただし厚生労働省の通知は、訪問介護と保険外サービスを同時に一体的に行うことは認めていません。この記事は、通知が示す「できる組み合わせ」の例と、事業者が守る5つの事項を整理します。利用料の受け取り方は訪問介護の利用料等の受領で扱います。

この記事で決めること

訪問介護の前後や合間に保険外サービスを組み合わせて提供するときの、できる例・できない例と、事業者が守る事項を理解するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、訪問介護と保険外サービスの組み合わせ点検表を作成できる状態を目指します。

「混合介護」とは何か、通知は何を認め何を認めないか

この記事でいう混合介護は、介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供することを指します。厚生労働省は平成30年9月28日付の通知で、一定の条件のもとで組み合わせて提供することを認めたうえで、その具体的な運用が自治体ごとに異なる点を整理しています。この通知は、地方自治法に基づく技術的な助言です。

通知は、介護保険サービスと保険外サービスを同時一体的に提供することを認めていません。あわせて、特定の介護職員を指名する指名料や、繁忙期・繁忙時間帯に受けるための時間指定料として、利用者の自費負担による上乗せ料金を取ることも認めていません。理由として、自立支援・重度化防止という介護保険の目的にそぐわないサービスが増えるおそれ、家族の意向でサービスが左右されるおそれ、料金を払える人が優先され公平性が保てなくなるおそれが挙げられています。

訪問介護の前後・合間に提供できる保険外サービスの例

通知は、訪問介護と保険外サービスを組み合わせる形を2つ示しています。訪問介護の前後に続けて保険外サービスを行う形と、訪問介護をいったん中断して保険外サービスを行い、その後にまた訪問介護を行う形です。

利用者本人に行う例は、草むしりやペットの世話、外出支援のあとに趣味や娯楽の立ち寄り先へ同行すること、通院等乗降介助で受診の手続きをしたあとに介護報酬の対象にならない院内介助を行うことです。同居家族に行う例は、同居家族の部屋の掃除や、同居家族のための買い物です。

一方、利用者本人の分と同居家族の分の料理を同時に作るような、訪問介護と保険外サービスの同時一体的な提供は認めない、と通知に明記されています。

保険外サービスを組み合わせるときに事業者が守る5つの事項

通知は、保険外サービスを訪問介護と明確に区分するために、事業者が次の5つを守るよう求めています。(1) 保険外サービスの目的、運営方針、利用料などを、訪問介護事業所の運営規程とは別に定めること。(2) 契約のときに、重要事項を記した文書で説明し、保険外サービスの内容・提供時間・利用料について利用者の同意を得ること。保険外サービスの提供時間は、訪問介護の提供時間に含めません。(3) 契約の前後に、利用者の担当のケアマネジャーへサービスの内容や提供時間を報告すること。ケアマネジャーは必要に応じて居宅サービス計画(週間サービス計画表)に記載します。

(4) 利用者の認知機能が低下しているおそれを踏まえ、保険外サービスの提供時に、別のサービスだと分かりやすくなる配慮をすること。例として、訪問介護と保険外サービスを切り替えるタイミングを丁寧に説明することが挙げられています。(5) 訪問介護の利用料とは別に費用を請求し、訪問介護の会計と保険外サービスの会計を分けること。

加えて、保険外サービスについての苦情を受け付ける窓口を置くなどの措置も求められています。訪問介護で既に整えた苦情対応の仕組みを活用することも考えられる、と通知に書かれています。

サービス提供責任者と、この記事が扱わない範囲

サービス提供責任者は専ら訪問介護に従事することが基準で求められていますが、通知は、業務に支障がない範囲で保険外サービスにも従事することは可能としています。

この記事は訪問介護と保険外サービスの組み合わせに絞っています。通知には、通所介護を提供している利用者に保険外サービスを行う場合の取扱いも別の節で示されていますが、ここでは扱いません。個別のサービスが保険外として切り分けられるかどうかは、事業所を管轄する指定権者と担当のケアマネジャーに確認してください。通知の内容は改正されることがあるため、実施の前に厚生労働省の最新の掲載を確認してください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 提供したい保険外サービスが、訪問介護の前後または中断をはさんだ別の時間に行えるかを確かめる。同じ時間に一体的に行うものは組み合わせない
  2. 保険外サービスの目的・運営方針・利用料を、訪問介護事業所の運営規程とは別に定める
  3. 契約時に重要事項を文書で説明して同意を得て、契約の前後に担当のケアマネジャーへ内容と提供時間を報告する
  4. 保険外サービスの利用料と会計を訪問介護と分け、提供時間を訪問介護の時間に含めないことを記録で確認する。切り分けに迷う場合は指定権者と担当のケアマネジャーに確認する

一次資料

制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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