運営 / 更新 2026-09-29
訪問介護の利用料等の受領(基準第20条・交通費と保険外サービスの別料金の条件)
訪問介護事業者が利用者から受け取れるお金は、運営基準第20条で、介護報酬の利用者負担分、法定代理受領でない場合の利用料、通常の事業の実施地域外で提供する場合の交通費に限って定められています。この記事は、第20条と解釈通知(老企第25号)から、受け取れる費用の範囲と、保険外サービスを別料金にするための条件を整理します。
この記事で決めること
訪問介護事業者が利用者から受け取れる利用料・交通費と、保険外サービスを別料金にする条件を理解するための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、利用料・交通費・保険外サービス料金の受領ルール点検表を作成できる状態を目指します。
法定代理受領の場合の利用者負担額(基準第20条第1項)
運営基準第20条第1項は、法定代理受領サービスに該当する訪問介護を提供した際、利用者から利用料の一部として、居宅介護サービス費用基準額から事業者に支払われる居宅介護サービス費の額を控除した額の支払を受けると定めています。事業者が利用者から受け取るのは、費用基準額と保険給付額の差額(利用者負担分)です。利用者ごとの負担割合は介護保険負担割合証で確認し、区分支給限度基準額を超えた部分の扱いは区分支給限度基準額と利用者負担で整理しています。
法定代理受領でない場合の利用料と不合理な差額の禁止(第20条第2項)
同条第2項は、法定代理受領サービスに該当しない訪問介護を提供した際の利用料の額と、居宅介護サービス費用基準額との間に、不合理な差額が生じないようにすることを定めています。解釈通知は、利用者間の公平と利用者保護の観点から、一方の管理経費を他方へ転嫁するなどの不合理な差額を設けてはならない趣旨だと説明しています。
運営基準第21条により、法定代理受領サービスでない訪問介護の利用料の支払を受けた場合は、提供した訪問介護の内容、費用の額その他利用者が保険給付を請求するうえで必要な事項を記載したサービス提供証明書を利用者に交付します。
通常の事業の実施地域以外で提供する場合の交通費(第20条第3項・第4項)
同条第3項は、前2項の額のほか、利用者の選定により通常の事業の実施地域以外の地域の居宅で訪問介護を行う場合に、それに要した交通費の支払を受けることができると定めています。解釈通知は、この交通費を移動に要する実費とし、保険給付の対象となっているサービスと明確に区分されないあいまいな名目による費用の徴収は認めないとしています。通常の事業の実施地域は、運営基準第29条第5号により運営規程に定める事項で、運営規程と重要事項説明とあわせて設定します。
同条第4項は、交通費の支払を受けるサービスの提供に当たって、あらかじめ利用者またはその家族にサービスの内容と費用を説明し、利用者の同意を得ることを定めています。
保険外サービスを別料金にするための3つの条件(解釈通知)
解釈通知は、介護保険給付の対象となる訪問介護と明確に区分されるサービスについては、次の方法により別の料金設定をして差し支えないとしています。第一に、その事業が訪問介護の事業とは別事業であり、介護保険給付の対象とならないサービスであることを利用者に説明し、理解を得ること。第二に、その事業の目的、運営方針、利用料等を、訪問介護事業所の運営規程とは別に定めること。第三に、会計を訪問介護の事業の会計と区分すること。
保険内のサービスと保険外のサービスの線引きは訪問介護のサービス範囲の線引きで扱っています。キャンセル料については、運営基準第20条と解釈通知の該当部分の本文に定めがありません。キャンセル料を設ける場合の扱いは、運営規程・重要事項説明書への記載方法を含め、事業所を指定した都道府県・市区町村(指定権者)に確認してください。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 法定代理受領の利用者負担額を費用基準額と保険給付額の差額で算定しているか確認する
- 通常の事業の実施地域外の交通費は移動に要する実費とし、事前説明と同意を記録する
- 保険外サービスは運営規程・会計を分け、保険給付対象外である旨を説明しているか点検する
- 法定代理受領でない利用料を受けた利用者へサービス提供証明書を交付しているか確認する
一次資料
制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(確認日 2026-08-27)
- 厚生労働省「指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について(平成11年9月17日老企第25号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)」(確認日 2026-09-27)