運営 / 更新 2026-08-23

訪問介護の運営指導(実地指導)で確認される記録・書類

運営指導(旧・実地指導)は、都道府県または市区町村が個々の事業所を対象に行う行政指導です。法令に基づく立入検査ではなく事業所の任意の協力のもとで行われますが、訪問介護事業所も対象になり、サービスの実施状況・運営体制・報酬請求という3つの観点で確認を受けます。

この記事で決めること

運営指導(実地指導)で確認される観点を把握し、事前に準備すべき記録・書類を整理するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、運営指導3本柱(サービス実施状況・運営体制・報酬請求)の事前確認チェック表を作成できる状態を目指します。

運営指導で確認される3つの観点

1つ目はサービスの実施状況で、巡回で気になった利用者を数名抽出し、アセスメントから居宅サービス計画・訪問介護計画の原案作成、サービス担当者会議、利用者・家族への説明と同意、月1回の訪問によるモニタリングという一連の記録(ケアマネジメント・プロセス)が、法令の定める手続きに沿って作成・保存されているかを確認します。2つ目は運営体制で、従業者の員数・勤務体制(勤務体制一覧表とタイムカード等の勤務実績)、非常災害対策、事故発生の防止及び発生時対応の記録など、運営基準に定める体制が整っているかを確認します。

3つ目は報酬請求で、基本報酬が実際のサービス提供に基づいているか、算定している各種加算・減算が算定要件を満たしているかを、関係書類から確認します。確認する項目・文書は指導の標準化・効率化のためあらかじめ定められた範囲に絞られており、その範囲を超えて自由に何でも求められるわけではありません。

事前準備と当日の進め方

運営指導は原則として実地で行われますが、実地でなくても確認できる内容はオンライン会議システム等で行うことも認められています。事前提出資料や自己点検チェックシートの提出を求められる場合がありますが、必須ではなく自治体ごとの運用によります。運営指導が行われる前に、集団指導(複数事業所向けの説明会)を受けていることが望ましいとされ、自己点検を先に済ませておくと当日の確認がスムーズになります。

運営指導は指定を受けた事業所としての信頼性に基づく任意の協力のもとで行われる行政指導であり、正当な理由なく指導を拒否しても、そのことのみを理由に不利益な取扱いを受けることはありません。ただし、指導の目的を十分説明されてもなお拒否される場合や、運営基準に従っていない状況が著しい場合・その疑いが確認文書の不備等で解消できない場合、報酬請求に不正またはその疑いがある場合、不正な手段による指定の疑いがある場合、高齢者虐待等またはその疑いがある場合には、行政機関の検査を伴う監査に切り替わることがあります(切り替え後の具体的な手続きはこの記事の対象外です)。指導の結果は、法令違反があれば期限付きの改善報告を求める文書指導、違反の程度が軽微または改善が見込まれる場合は口頭指導、違反ではないが今後の適正な運営に資する場合は助言のいずれかで伝達されます。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 利用者ごとのアセスメント・訪問介護計画原案・サービス担当者会議・説明同意・モニタリング記録が一連でそろっているか確認する
  2. 勤務体制一覧表とタイムカード等の勤務実績、非常災害対策・事故発生防止の記録を整備する
  3. 基本報酬と各種加算・減算の請求内容を、算定要件を示す関係書類と突き合わせる
  4. 自己点検チェックシートを用いて事前に自己点検し、不備が見つかれば指導当日までに改善方針を用意する

一次資料

制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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