運営 / 更新 2026-08-26

訪問介護の記録の保存義務・保存期間(完結の日から2年間)

指定基準(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準)第三十九条2項により、指定訪問介護事業者は利用者への指定訪問介護の提供に関する記録を整備し、その完結の日から二年間保存する定めがあります。

この記事で決めること

指定訪問介護事業者が整備・保存すべき記録の種類と保存期間の起算点を確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、記録6類型の保存期間・起算日を一覧化した保存台帳を作成できる状態を目指します。

実務へ落とす

対象は、一 訪問介護計画、二 提供した具体的なサービスの内容等の記録、三 身体的拘束等の態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由の記録、四 市町村への通知に係る記録、五 苦情の内容等の記録、六 事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録、の6類型です。なお、四の市町村への通知は、利用者が正当な理由なしに指定訪問介護の利用に関する指示に従わず要介護状態の程度を増進させたと認められるとき、または偽りその他不正な行為によって保険給付を受け、もしくは受けようとしたときの2つの場合に、遅滞なく意見を付して市町村へ通知するものです(運営基準第二十六条)。

該当するかの判断は事案ごとに市町村へ確認し、通知した場合は通知の内容と日付を保存対象の記録として残します。保存期間の起算点は記録ごとの完結の日で、条文自体は類型ごとの完結の日の具体的な特定方法までは定めていないため、記録の作成・更新が終わった時点を保存台帳へ記録ごとに残し、社内の運用を統一します。

確認と見直し

この第三十九条は、都道府県が条例を定める際に必ず従うべき基準(同令第一条各号が列挙する従うべき基準・標準とすべき基準)には含まれず、参酌すべき基準に区分されます。実際に適用される保存期間・記録要件は指定権者(都道府県または市区町村)の条例・要綱で個別に定められている場合があるため、この省令の内容だけで運用を確定せず、指定権者へ確認します。

身体的拘束等の記録はここでの保存義務の対象であり、身体拘束の実施可否・要件そのものは別途確認します。保存台帳は、契約・記録の流れやケアマネジャーへの月次報告と合わせて運用すると管理の抜け漏れを防げます。

提供のたびに書く記録は別の記事で確認する

保存する記録のうち、提供の都度に書く記録(提供日・内容・保険給付の額の記載と、利用者への情報提供)は、保存期間とは別の義務です。記載先と利用者から求められたときの対応は「訪問介護のサービスの提供の記録と身分を証する書類の携行」で整理しています。

記録を書く運用が整っていないと、保存の段階で内容がそろいません。保存台帳をつくる前に、提供の記録の記載先を利用者ごとに決めておくと、完結の日の判断も揃えやすくなります。

書類を一覧にして台帳で管理する

保存期間の対象になる6類型と、保存期間の定めが確認できない書類を1つの表にまとめた記事があります。根拠条文、作る時期、保存期間を書類ごとに確認するときは訪問介護の事業所書類の台帳チェック表を使えます。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 保存対象となる記録6類型を洗い出す
  2. 記録ごとに完結の日を特定し起算日とする
  3. 起算日から2年間の保存期限を一覧管理する
  4. 自治体条例で個別に定める保存期間・記録要件を指定権者へ確認する

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

訪問介護の記録は何年保存しますか?

指定基準第39条第2項は、利用者への指定訪問介護の提供に関する記録を整備し、その完結の日から2年間保存すると定めています。ただし実際の保存期間は指定権者の条例・要綱で個別に定められている場合があるため、指定権者へ確認します。

保存が必要な記録にはどんなものがありますか?

訪問介護計画、提供した具体的なサービスの内容等の記録、身体的拘束等の態様・時間・心身の状況・緊急やむを得ない理由の記録、市町村への通知に係る記録、苦情の内容等の記録、事故の状況と処置の記録の6類型です。

保存期間の2年はいつから数えますか?

記録ごとの「完結の日」から数えます。条文は類型ごとの完結の日の特定方法までは定めていないため、記録の作成・更新が終わった日を保存台帳に記録ごとに残し、事業所内で運用を統一します。

一次資料

制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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