運営 / 更新 2026-10-11

訪問介護の利用料の領収証:交付義務と費用の区分記載、医療費控除との関係

訪問介護の利用料を受け取るときは、支払った利用者に領収証を交付する義務があります。領収証には、介護報酬で算定した費用の額と、その他の費用の額を分けて書き、その他の費用は項目ごとに分けます。このページは、その条文と、領収証が医療費控除の確認に使われる場面で身体介護と生活援助が分かれる点を整理します。

この記事で決めること

訪問介護事業所が、利用料を受け取るときに領収証を交付する義務と、領収証に区分して書く費用の内訳を条文で確認し、医療費控除の確認に関わる点を国税庁の案内で把握するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、利用料の領収証の確認表(交付の有無・区分ごとの記載欄・その他の費用の個別項目・サービス種別ごとの控除対象の区分)を作成できる状態を目指します。

領収証の交付は、法律で義務づけられている

介護保険法第41条第8項は、指定居宅サービス事業者が、サービスの提供に要した費用の支払を受けるとき、支払った居宅要介護被保険者に対し、厚生労働省令で定めるところにより領収証を交付しなければならないと定めています(e-Govの現行条文で確認、2026-10-11)。訪問介護の事業者もこの指定居宅サービス事業者に当たります。

条文は「支払を受ける際」と書いているため、利用料を現金で受け取る場面だけでなく、口座振替や請求書払いで支払を受ける場面も、交付の流れがあるかを確認します。支払方法ごとの具体的な交付のタイミングは、この条文からは分からないため、指定権者の案内に従います。

領収証に区分して書く費用

何を書くかは、介護保険法施行規則第65条が定めています。領収証には、次の費用を区分して記載します。

領収証に区分して書く費用(介護保険法施行規則第65条。e-Govで確認、2026-10-11)
区分条文の内容
介護報酬で算定した費用の額厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額。その額が現にサービスに要した費用の額を超えるときは、現に要した額
食事の提供に要した費用の額区分して記載する
滞在に要した費用の額区分して記載する
その他の費用の額区分して記載し、さらに個別の費用ごとに区分して記載する

訪問介護で、その他の費用を受け取るとき

指定訪問介護の運営基準第20条は、利用者から受け取れる額を定めています。法定代理受領サービスに当たる訪問介護では、利用料の一部として、居宅介護サービス費用基準額から事業者に支払われる居宅介護サービス費の額を引いた額を受け取ります(第1項)。法定代理受領サービスに当たらない場合は、受け取る利用料の額と基準額との間に不合理な差額が生じないようにします(第2項)。

このほか、利用者が選んで通常の事業の実施地域以外の居宅で訪問介護を受ける場合に限り、それに要した交通費を受け取れます。その費用に係るサービスの内容と費用は、あらかじめ利用者または家族へ説明して同意を得ます(第3項・第4項)。この交通費は介護報酬で算定した額ではないため、領収証では「その他の費用」に当たるかを確認し、個別の費用ごとに分けて書きます。

利用者負担分の未収が出たときの対応は、訪問介護の利用者負担分の未収金で確認できます。

医療費控除の確認で、領収証が使われる場面

国税庁のタックスアンサーNo.1127(令和8年4月1日現在法令等)は、居宅サービスを提供する事業者が発行する領収証には、医療費控除の対象となる金額が記載されることとなっていると案内しています。利用者や家族が確定申告の準備で領収証を見る場面があるため、記載の区分は事業所の側でも確認しておきます。

同じ案内は、訪問介護の扱いを2つに分けています。訪問介護(生活援助中心型を除く)は、訪問看護などの医療系サービスと併せて利用する場合に限り、自己負担額が医療費控除の対象になります。訪問介護(生活援助中心型)は、医療系サービスと併せて利用しても対象になりません。

「併せて利用した場合」とは、1か月単位のケアプランに医療系サービスが位置付けられている場合です。居宅介護支援事業者から交付されるサービス利用票に、医療系サービスが記載されているかで判断します。事業者にも、同じ内容のサービス提供票が交付されます。

領収証まわりの確認の手順と、このページが判断しないこと

利用料を受け取る場面ごとに、領収証を交付する流れがあるかを書き出します。次に、領収証の様式で介護報酬の額とその他の費用が別の欄になっているか、その他の費用が交通費などの項目ごとに分かれているかを確認します。サービス種別ごとの控除対象の区分は、国税庁の案内で確かめた日を残します。

個々の利用者が医療費控除を受けられるか、確定申告の方法、控除対象の金額の領収証への具体的な記載方法は、このページでは判断しません。利用者や家族から尋ねられたときは、税務署へ確認するよう案内します。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 利用料を受け取る場面(現金、口座振替、請求書払い)ごとに、支払を受ける際に領収証を交付する流れがあるかを確認し、交付していない場面を一覧にする
  2. 領収証の様式に、介護報酬で算定した費用の額と、その他の費用の額が別の欄になっているかを確認し、その他の費用は交通費などの項目ごとに行を分ける
  3. 利用者のサービス種別(身体介護・生活援助など)が、国税庁の案内のどの区分に当たるかを表にし、控除対象の金額の記載方法は国税庁または税務署の案内で確かめた日を残す
  4. 利用者や家族から控除の可否を尋ねられたときは、個別の判断は税務署へ確認するよう案内する定型文を決め、案内した日を記録する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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