事業計画 / 更新 2026-09-28

訪問介護の通院等乗降介助(ハ)算定要件

訪問介護費には身体介護・生活援助のほかに「通院等のための乗車又は降車の介助」(ハ区分、いわゆる通院等乗降介助)という区分があり、1回につき97単位という所定単位数が定められています。ただし、このサイトのシミュレーターは身体介護・生活援助の6区分のみを計算対象としており、通院等乗降介助は対象外です。

この記事で決めること

通院等乗降介助(ハ区分)の算定要件と単位数を理解し、シミュレーターの計算対象外であることを把握するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、通院等乗降介助の算定要件チェック表を作成できる状態を目指します。

算定要件と単位数

ハ(通院等乗降介助)は、訪問介護員等が自らの運転する車両への乗車又は降車の介助を行うとともに、乗車前若しくは降車後の屋内外における移動等の介助、または通院先若しくは外出先での受診等の手続き・移動等の介助を併せて行った場合に、1回につき97単位を算定します。

単位数は全国共通で、地域別の1単位単価を掛けて金額に換算する点は身体介護・生活援助と同じです。ただし算定には訪問介護員等自身が車両を運転していることが要件で、家族の送迎や訪問介護員等以外が運転する車両への同乗は対象になりません。

乗降介助の前後に身体介護を行う場合の算定区分

留意事項通知(平成12年3月1日老企第36号)は、要介護4又は要介護5の利用者に対して、通院等のための乗車・降車の介助を行うことの前後に連続して相当の所要時間(20〜30分程度以上)を要し、かつ手間のかかる身体介護を行う場合には、その所要時間に応じた「身体介護中心型」の所定単位数を算定でき、この場合は「通院等乗降介助」の所定単位数は算定できないと定めています。乗降前後の身体介護と通院等乗降介助はどちらか一方を選んで算定する関係で、両方を合算することはできません。例示として、乗車介助の前に連続して寝たきりの利用者の更衣介助・排泄介助を行った後、ベッドから車いすへ移乗介助し、車いすを押して自動車へ移動介助する場合が挙げられています。

この取扱いは要介護4・5の利用者が対象で、要介護1〜3の利用者や、前後の身体介護が20〜30分程度に満たない場合に同様の扱いとなるかは、確認できた一次資料の範囲では明記がなく、指定権者または国民健康保険団体連合会への個別確認が必要です。

初回加算との関係

初回加算(算定基準の告示別表1訪問介護費ニ・老企第36号)は、新規に訪問介護計画を作成した利用者に対して、サービス提供責任者が初回もしくは初回の指定訪問介護を行った日の属する月に自ら訪問するか、他の訪問介護員等の訪問に同行した場合に、1月につき200単位を加算する仕組みです。告示・留意事項通知の文言はいずれも算定対象を「指定訪問介護」全般としており、身体介護・生活援助・通院等乗降介助のいずれかに限定する記載は確認できた範囲にはありません。

そのため文言上は、その月に提供したのが通院等乗降介助のみであっても、新規の訪問介護計画作成とサービス提供責任者の初回訪問または同行という要件を満たせば初回加算の対象になり得ると読めますが、個別の適用可否は指定権者・国民健康保険団体連合会に確認してください。初回加算の算定要件と見込み方の詳細は訪問介護の初回加算(200単位)の算定要件と見込み方で解説しています。

シミュレーターでの扱いと確認が必要な事項

このサイトのシミュレーターが計算するサービス区分は身体介護・生活援助の6区分のみで、通院等乗降介助は算定対象に含まれていません。通院等乗降介助を提供する事業所は、この単位数分をシミュレーターの結果とは別に手動で見積もる必要があります。

1日に複数回・複数箇所を回る場合の算定可否など、上記以外の算定区分の線引きは確認できた一次資料の範囲を超えるため本記事では扱わず、指定権者または国民健康保険団体連合会への個別確認が必要です。運転業務自体に道路運送法上の許可・登録・免許が必要かどうかは介護報酬の算定要件とは別の論点で、通院等乗降介助・送迎の運転者要件で整理しています。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 利用者への通院等の同行が、乗車・降車の介助と乗車前後の移動介助・受診手続き介助を伴うか確認する
  2. 車両を運転するのが訪問介護員等自身であるか(家族送迎・他の運転者ではないか)確認する
  3. 身体介護・生活援助との算定区分の詳細と算定回数の可否を指定権者・国民健康保険団体連合会へ確認する
  4. シミュレーターの計算結果に含まれない単位数として、通院等乗降介助分を別途見積もりへ加える

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

通院等乗降介助の単位数はいくらですか?

通院等のための乗車又は降車の介助(ハ区分)は1回につき97単位です。単位数は全国共通で、地域別の1単位単価を掛けて金額に換算します。

家族の送迎や他の人が運転する車への同乗でも通院等乗降介助を算定できますか?

算定には訪問介護員等が自ら運転する車両への乗車又は降車の介助を行うことが要件です。家族の送迎や、訪問介護員等以外が運転する車両への同乗は対象になりません。

乗降介助の前後に身体介護を行った場合はどう算定しますか?

留意事項通知(老企第36号)は、要介護4・5の利用者で乗降介助の前後に連続して20〜30分程度以上の手間のかかる身体介護を行う場合、所要時間に応じた身体介護中心型を算定し、通院等乗降介助は算定しないと定めています。要介護1〜3などの扱いは指定権者または国保連へ確認します。

一次資料

制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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