運営 / 更新 2026-09-27
訪問介護の2人の訪問介護員等による訪問(100分の200)の要件
二人の訪問介護員等による訪問は、利用者や家族等の同意を得たうえで、身体的な理由で1人での介護が難しい場合などに、同時に2人の訪問介護員等が1人の利用者に訪問介護を行ったとき、所定単位数の100分の200(2倍)を算定する仕組みです。告示の訪問介護費の注8と、厚生労働大臣が定める利用者等の告示の第三号で要件が定められています。
この記事で決めること
同時に2人の訪問介護員等が訪問したときに所定単位数の100分の200を算定できる要件(利用者又は家族等の同意と、身体的理由・暴力行為等・これらに準ずる場合)を知り、2人訪問のシフトと記録を事業計画に組み込むか判断するための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、2人の訪問介護員等による訪問の同意・該当理由・シフトの確認表を作成できる状態を目指します。
告示の文言と算定の大きさ
算定基準の告示(指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準)は、別表の訪問介護費の注8で、「イ及びロについては」、別に厚生労働大臣が定める要件を満たす場合であって、同時に2人の訪問介護員等が1人の利用者に指定訪問介護を行ったときは、所定単位数の100分の200に相当する単位数を算定すると定めています。
対象は、身体介護が中心のイと、生活援助が中心のロです。通院等乗降介助のハは、注8の対象に書かれていません。
100分の200は、1人で訪問した場合の所定単位数の2倍という意味です。2人分の人件費がかかる訪問を、1人分の報酬で行わずに済む仕組みで、要件に当たらない2人訪問は2倍になりません。
2人で訪問してよい場合(厚生労働大臣が定める要件)
要件は「厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等」の告示の第三号にあります。まず、二人の訪問介護員等により指定訪問介護を行うことについて、利用者またはその家族等の同意を得ていることが前提です。そのうえで、次の3つのいずれかに当たる必要があります。
| 区分 | 告示の定め |
|---|---|
| 前提 | 二人の訪問介護員等により指定訪問介護を行うことについて利用者又はその家族等の同意を得ている |
| イ | 利用者の身体的理由により一人の訪問介護員等による介護が困難と認められる場合 |
| ロ | 暴力行為、著しい迷惑行為、器物破損行為等が認められる場合 |
| ハ | その他利用者の状況等から判断して、イ又はロに準ずると認められる場合 |
事業計画と運用で先に決めておくこと
2人訪問は、同じ時間帯に2人の訪問介護員等を確保する必要があります。対象になり得る利用者がいる場合は、シフト表で2人を同時に押さえられるか、移動の組み方を含めて先に確認します。
報酬は2倍になりますが、職員2人分の時間を使うため、1人あたりの売上は1人訪問と変わりません。当サイトのシミュレーターは1人訪問を前提に基本報酬を計算しているため、2人訪問が多い事業所は、シミュレーターの結果とは別に職員の稼働時間の見込みを置き直します。
記録は、同意を得た日と同意した人、イ・ロ・ハのどれに当たると判断したかとその理由、訪問した2人の職員を残します。同意と理由は、居宅サービス計画を作る介護支援専門員とも共有しておきます。
個別の利用者が要件に当たるかは、指定権者の確認と国保連の審査で決まります。この記事は告示の文言を整理したもので、個別の算定の可否は判断しません。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 2人で訪問することについて、利用者又はその家族等の同意を得た日と同意した人を記録する
- 身体的理由、暴力行為等、これらに準ずる状況のどれに当たると判断したかと、その理由を書面に残し、介護支援専門員と共有する
- 同じ時間帯に2人の訪問介護員等を確保できるか、移動の組み方を含めてシフト表で確認する
- 報酬は2倍でも職員2人分の時間を使うことを踏まえ、職員の稼働時間の見込みを事業計画で置き直す
一次資料
制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(確認日 2026-09-22)
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等(平成27年3月23日厚生労働省告示第94号)」(確認日 2026-09-27)