運営 / 更新 2026-10-24
通所介護の入浴介助加算:(Ⅰ)40単位と(Ⅱ)55単位の違いと居宅訪問・入浴計画の要件
通所介護の入浴介助加算は、1日につき(Ⅰ)が40単位、(Ⅱ)が55単位で、どちらか一方だけを算定します。(Ⅰ)は人員と設備、職員への研修が基準です。(Ⅱ)はそれに加えて、利用者の居宅の浴室の評価と、個別の入浴計画、その計画に基づく入浴介助が要ります。
(Ⅰ)と(Ⅱ)の単位数と、届出・併算定の決まり
入浴介助加算の単位数は、平成12年厚生省告示第19号(指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準)の別表にあり、通所介護費の注10が該当します。厚生労働省の法令データで、2026年10月24日に原文を確認しました。(Ⅰ)は1日につき40単位、(Ⅱ)は1日につき55単位です。
算定するには、電子情報処理組織を使って都道府県知事に届出を行い、厚生労働大臣が定める基準による入浴介助を行う必要があります。(Ⅰ)と(Ⅱ)はどちらか一方を算定し、もう一方は算定しません。
区分を分ける基準は、別の告示(平成27年厚生労働省告示第95号の第十四号の六)にあります。この号は、通所介護のほかに、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、介護予防認知症対応型通所介護の入浴介助加算の基準も同じ文面で定めています。この記事で単位数を確認したのは通所介護です。
| 区分 | 単位数(1日につき) | 基準の要点 |
|---|---|---|
| (Ⅰ) | 40単位 | 入浴介助を適切に行える人員と設備、入浴介助に関わる職員への研修等 |
| (Ⅱ) | 55単位 | (Ⅰ)の基準に加え、居宅の浴室の評価、個別の入浴計画、個浴などでの入浴介助 |
この記事で決めること
通所介護(デイサービス)の入浴介助加算の(Ⅰ)と(Ⅱ)で、単位数と算定の基準がどう違うのか、(Ⅱ)に要る居宅の浴室の評価と個別の入浴計画の中身を告示の原文で知りたい人向け。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、入浴介助加算(Ⅱ)の点検表(1枚):利用者ごとに、居宅の浴室を評価した日と評価者、浴室の環境の所見、個別の入浴計画の作成日と作成者、入浴計画に基づく入浴介助の方法(個浴か、居宅に近い環境か)、助言をした相手を作成できる状態を目指します。
(Ⅰ)の基準:人員・設備と職員への研修
(Ⅰ)の基準は2つで、どちらにも適合することが要ります。1つは、入浴介助を適切に行うことができる人員と設備を有して行われる入浴介助であることです。もう1つは、入浴介助に関わる職員に対し、入浴介助に関する研修等を行うことです。
告示の文面には、研修の回数や内容、人員の人数は書かれていません。どの程度の研修を行えば基準に適合するかは、算定の通知で確かめる事項で、この記事では確認していません。研修を行った日と内容を記録に残しておくと、実地指導で確かめられたときに示しやすくなります。
(Ⅱ)の基準:居宅の浴室の評価
(Ⅱ)は、(Ⅰ)の基準に適合したうえで、さらに次の3つを満たす必要があります。1つ目は、利用者の居宅を訪問して、浴室での動作と浴室の環境を評価することです。
訪問して評価できる人は、告示に挙げられています。医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、介護支援専門員のほか、利用者の動作と浴室の環境の評価ができる福祉用具専門相談員、機能訓練指導員、地域包括支援センターの職員、住宅改修に関する専門的な知識と経験を持つ人です。これらを告示では「医師等」と呼びます。
訪問した結果、居宅の浴室が、利用者本人や家族の介助だけでは入浴が難しい環境だと認められるときは、医師等が、居宅介護支援事業所の介護支援専門員や、福祉用具貸与・特定福祉用具販売の事業所の福祉用具専門相談員と連携して、福祉用具の貸与や購入、住宅改修など浴室の環境を整える助言を行います。
医師等が居宅を訪問するのが難しいときは、医師等の指示の下で介護職員が居宅を訪問し、情報通信機器などを使って把握した浴室での動作と浴室の環境を踏まえて、医師等が評価と助言を行ってもよいとされています。
(Ⅱ)の基準:個別の入浴計画と入浴介助の方法
2つ目は、個別の入浴計画の作成です。通所介護の事業所の機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員などが共同して、医師等との連携の下で、利用者の身体の状況と、訪問で把握した居宅の浴室の環境などを踏まえて作ります。
ただし、個別の入浴計画に相当する内容を通所介護計画に書くことで、入浴計画の作成に代えることができます。別の書類を用意するか、通所介護計画に書くかは、事業所の運用で選べます。
3つ目は、その入浴計画に基づく入浴介助です。個浴(個別の入浴)か、利用者の居宅の状況に近い環境で行います。居宅に近い環境とは、居宅の浴室の手すりの位置や、使う浴槽の深さと高さに合わせて、事業所の浴室に福祉用具などを置き、居宅の浴室の状況を再現したものをいいます。
(Ⅱ)を目指すときの準備の順序
告示の文面から、(Ⅱ)に必要な作業を順に並べると、居宅の浴室の評価、必要な場合の助言、入浴計画の作成、計画に基づく入浴介助の順になります。告示の文面上は、評価の結果を踏まえて計画を作り、計画に基づいて入浴介助を行う順に読めるので、利用者ごとに、評価の日、計画の作成日、入浴介助を始めた日を並べて記録しておくと、順序を確かめやすくなります。
居宅の訪問には、利用者や家族の了解と日程の調整が要ります。居宅介護支援の事業所とは、訪問の日程や、浴室の環境に関する助言の受け渡しで連絡が要るので、ケアマネジャーとの情報共有の窓口を決めておくと進めやすくなります。
評価の様式、入浴計画に書く項目、訪問の頻度や再評価の時期は、算定の通知で確かめる事項です。この記事では確認していないので、届出の前に指定権者の案内で確かめてください。
この記事で確認した範囲と、次に知りたいこと
2026年10月24日に、告示第19号の別表と、厚生労働大臣が定める基準の第十四号の六の原文を確認しました。確かめたのは、(Ⅰ)と(Ⅱ)の単位数、届出、どちらか一方の算定、(Ⅰ)と(Ⅱ)の基準の文面です。留意事項通知の細目、研修の頻度、様式、個別の利用者の算定可否は確認しておらず、書いていません。
算定できるかの判断は、指定権者に確認してください。
通所介護の基本の単位数と、ほかの主な加算は通所介護費の単位数にまとめています。通所介護を始めるときの最初の判断は通所介護の開設の全体像で確かめられます。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- (Ⅰ)と(Ⅱ)のどちらを届け出るかを決め、(Ⅰ)なら入浴介助に関わる職員への研修等の実施日と内容を、記録として残す
- (Ⅱ)を目指す場合は、医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、介護支援専門員などが利用者の居宅を訪問し、浴室での動作と浴室の環境を評価した日と所見を表に書く
- 評価の結果を踏まえ、機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員などが共同して個別の入浴計画を作り、通所介護計画に記載して代える場合は、その箇所を表で示す
- 入浴計画に基づき、個浴または居宅の浴室を再現した環境で入浴介助を行っているかを確かめ、算定の細目と様式は指定権者の最新の案内で確かめる
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)別表 6 通所介護費 イ〜ホと注1〜注24」(別表 6 通所介護費 イ 通常規模型・ロ 大規模型(Ⅰ)・ハ 大規模型(Ⅱ)の所要時間別単位数、注1〜注24、ニ サービス提供体制強化加算、ホ 介護職員等処遇改善加算)(確認日 2026-10-19)
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第十四号の六 通所介護費等における入浴介助加算の基準」(第十四号の六(通所介護費、地域密着型通所介護費、認知症対応型通所介護費及び介護予防認知症対応型通所介護費における入浴介助加算の基準 イ・ロ))(確認日 2026-10-24)