運営 / 更新 2026-09-29
要介護認定の申請援助・更新申請援助(訪問介護の基準第11条・第12条、有効期間終了30日前)
訪問介護事業者は、サービスの提供を始める際に被保険者証で要介護認定の有無と有効期間を確かめ、認定を受けていない利用申込者には申請の援助を、居宅介護支援を受けていない利用者などには更新申請の援助を行う義務があります。この記事は、指定居宅サービス等の運営基準(第11条・第12条)と解釈通知、介護保険法の条文から、事業所が確認・援助すべき範囲を整理します。
この記事で決めること
訪問介護の提供開始時の被保険者証の確認、未認定者の申請援助、要介護認定の更新申請の援助義務を理解するための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、利用申込時の被保険者証確認と認定申請・更新申請援助のチェック表を作成できる状態を目指します。
提供開始時に被保険者証で確かめる3項目(基準第11条)
運営基準第11条第1項は、指定訪問介護事業者がサービスの提供を求められた場合に、その人が提示する被保険者証によって、被保険者資格、要介護認定の有無、要介護認定の有効期間の3つを確かめることを定めています。解釈通知(平成11年9月17日老企第25号)は、この規定の趣旨を、訪問介護の費用について保険給付を受けられるのは要介護認定または要支援認定を受けている被保険者に限られるため、と説明しています。
同条第2項は、被保険者証に介護認定審査会の意見が記載されているときは、その意見に配慮してサービスを提供するよう努めることを定めています。認定審査会意見の有無は、訪問介護計画の作成前に被保険者証で確認しておく項目です。
要介護認定を受けていない利用申込者への申請援助(基準第12条第1項)
運営基準第12条第1項は、提供の開始に際し、要介護認定を受けていない利用申込者について、要介護認定の申請が既に行われているかを確認し、行われていない場合は、本人の意思を踏まえて速やかに申請が行われるよう必要な援助を行うことを定めています。
介護保険法第27条第8項は、要介護認定がその申請のあった日にさかのぼって効力を生ずると定めています。解釈通知は、申請がなされていれば認定の効力が申請時に遡り、訪問介護の費用が保険給付の対象となりうることを踏まえた規定だと説明しています。認定結果が出る前にサービスを始める場合の自己負担リスクは暫定ケアプランの仕組みと自己負担リスクで整理しています。
更新申請を有効期間終了30日前までに援助する義務(基準第12条第2項)
運営基準第12条第2項は、居宅介護支援(これに相当するサービスを含む)が利用者に対して行われていない等の場合で必要と認めるときは、要介護認定の更新申請が、遅くとも利用者の要介護認定の有効期間が終了する30日前にはなされるよう、必要な援助を行うことを定めています。対象は全ての利用者ではなく、居宅介護支援が行われていない等の場合に限られます。ケアマネジャーが付いている利用者の更新管理の分担は、ケアマネジャーとの連携の運用に沿って確認します。
30日前という期限は、介護保険法第27条第11項が申請に対する処分を申請のあった日から30日以内に行うと定めていることと対応しています。解釈通知も、更新認定が申請の日から30日以内に行われることを踏まえた規定だと説明しています。ただし同項には、心身の状況の調査に日時を要する等の特別な理由がある場合に、処理見込期間を通知して延期できる例外があります。
有効期間と更新の申請に関する介護保険法の定め(第28条)
介護保険法第28条第1項は、要介護認定は要介護状態区分に応じて厚生労働省令で定める期間(有効期間)内に限り効力を有すると定めています。同条第2項により、有効期間の満了後も要介護状態に該当すると見込まれる被保険者は、市町村に更新の申請ができます。有効期間の具体的な月数は省令で定められ、個々の利用者の期間は被保険者証の記載で確認します。
同条第3項は、災害その他やむを得ない理由で有効期間の満了前に更新申請ができなかったときは、その理由のやんだ日から1月以内に限り申請できると定め、同条第9項は、この申請による更新認定が有効期間の満了日の翌日にさかのぼって効力を生ずると定めています。申請が遅れた事情がこの「やむを得ない理由」に当たるかは保険者である市区町村が判断するため、事業所は満了前の申請を前提に援助します。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 被保険者証で被保険者資格・要介護認定の有無・有効期間を確かめて記録する
- 未認定の利用申込者は申請済みかを確認し、未申請なら本人の意思を踏まえて申請を援助する
- 居宅介護支援が行われていない利用者の有効期間終了日を管理し、30日前までの更新申請を援助する
- 被保険者証の認定審査会意見の有無を確認し、訪問介護計画への反映を検討する
一次資料
制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(確認日 2026-08-27)
- 厚生労働省「指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について(平成11年9月17日老企第25号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)」(確認日 2026-09-27)
- 厚生労働省(法律)「介護保険法 第27条(要介護認定)・第28条(要介護認定の更新)」(確認日 2026-09-29)