運営 / 更新 2026-10-08
国保連の審査結果の読み方:返戻・保留・査定の違いと縦覧点検・医療情報との突合
国保連合会に請求した後は、審査結果の帳票を読んで、返戻・保留・査定のどれに当たるかを分けて対応します。この記事は、宮城県国保連合会の事業所向け資料(令和8年4月作成)と大阪府の適正化事業の資料から確認できた範囲で、帳票の種類と見方、縦覧点検・医療情報との突合の位置づけを整理します。日程や保留期間は国保連合会ごとに異なるため、事業所の請求先の案内で確認してください。
この記事で決めること
国保連合会から届く審査結果の帳票で、返戻・保留・査定の違いと、縦覧点検・医療情報との突合が事業所の請求にどう関わるかを理解するための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、審査結果の帳票を返戻・保留・査定に分けて対応を記録する確認表を作成できる状態を目指します。
この記事と既存の請求記事の役割分担
請求から入金までの月次の流れと資金繰りは訪問介護の国保連請求・入金・返戻の月次サイクルで、運営開始後の月次業務は訪問介護の運営開始後の国保連・利用者請求と返戻対応で扱っています。この記事は、審査結果の帳票を受け取った後に、結果をどう読み分けるかに絞ります。
個別の返戻理由や、算定の可否そのものはここでは判断しません。返戻理由は請求先の国保連合会が案内しています。
返戻・保留・査定の違い
宮城県国保連合会の資料によると、請求明細書の審査では、事業所の届出情報や利用者の資格との突合、算定内容の確認などを行い、内容に誤りや違いがあった場合は返戻となります。返戻となった明細書は審査決定されておらず、支払いもされません。理由を確認して誤りを直し、翌月以降に再請求します。
査定は、居宅介護支援事業所等から出る給付管理票との突合で、単位数が合わないときに請求明細書の単位数が減らされることです。給付管理票の単位数に合わせて決定・支払いされるため、返戻とは異なり、決定された実績になります。
保留は、突合する給付管理票が返戻または提出漏れで見つからないときに、返戻にせず国保連合会が一定期間預かる扱いです。宮城県国保連合会では、保留の期間は受付した月から3か月で、期間を過ぎても給付管理票が提出されなければ返戻になるとされています。同資料では、宮城県外の利用者の請求は保留とせず返戻とする扱いも示されています。
| 区分 | どういう状態か | 支払い | 事業所の対応 |
|---|---|---|---|
| 返戻 | 請求明細書の内容の誤りや違いで審査決定されていない | されない | 返戻理由を確認し、誤りを直して翌月以降に再請求する |
| 保留 | 給付管理票と突合できないため、一定期間預かられている | されない(期間内) | 居宅介護支援事業所等へ給付管理票の提出を確認する。期間を過ぎると返戻になる |
| 査定 | 給付管理票の単位数に合わせて請求明細書の単位数が減らされた | 減らされた単位数で支払われる | 原因が給付管理票の誤りなら、居宅介護支援事業所等に給付管理票(修正)の提出を依頼する |
査定のあとの扱いと重複エラー
査定の理由が給付管理票の単位数の誤りだった場合は、居宅介護支援事業所等が給付管理票(修正)を提出します。このとき事業所側の請求明細書の再請求は不要で、提出された月に再審査が行われ、正しく突合できれば審査の翌月の支払いで減らされた分が支払われます。結果は再審査決定通知書で確認します。
注意が必要なのは0単位への査定です。給付管理票に記載がなく0単位に査定された場合は、返戻と違い、0単位(0円)として決定された実績になります。決定されていないと考えて請求明細書を再請求すると、既に決定された実績があるため重複エラーになると、宮城県国保連合会の資料は示しています。
また、限度額管理の対象とならない加算が2種類以上算定されている請求は、システム上査定の計算ができないため、「査定でエラーのあるもの」として返戻になります。この場合は再請求が必要です。
審査結果の帳票の種類と見方
宮城県国保連合会の資料は、通知帳票を支払情報と審査結果情報に分けています。審査結果情報は請求した月の月末から翌月初旬に届き、支払情報は翌月下旬に通知されて月末に入金される流れです。
| 区分 | 帳票名 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 審査結果情報 | 請求明細・給付管理票返戻(保留)一覧表 | 審査の結果生じた返戻と保留を請求明細書単位で出力 |
| 審査結果情報 | 介護保険審査増減単位数通知書 | 給付管理票との突合などで生じた査定増減の内容(単位数・事由) |
| 審査結果情報 | 介護保険審査決定増減表 | 返戻、査定増減、保留、保留復活を保険者別・サービス提供月別に出力 |
| 支払情報 | 介護給付費等支払決定額通知書・内訳書 | 審査決定した支払額を保険者別・サービス提供月別に出力 |
| 支払情報 | 介護給付費過誤決定通知書 | 請求を取り下げた明細書の決定状況 |
| 支払情報 | 介護給付費再審査決定通知書 | 再審査(給付管理票の修正)の審査結果 |
縦覧点検と医療情報との突合
ここまでの返戻・保留・査定は、事業所が請求した月の審査の結果です。これとは別に、国保連合会は保険者に対して、適正化事業の情報として縦覧点検と医療情報との突合の結果を提供しています。大阪府の資料の説明です。
縦覧点検は、請求事業所ごとの明細書を単位とする通常の審査では確認できない、同一事業所の複数月の明細書や、異なる事業所の明細書の整合性を確認するものです。保険者は結果をもとに給付状況を確認し、国保連合会に対して該当する明細書の過誤申立等を行うことで、給付の適正化につなげるとされています。
医療情報との突合は、医療給付(診療報酬)と介護給付の審査が別々に行われていることから、医療給付情報と介護給付情報を突き合わせた情報を保険者に提供するものです。同資料では、対象に後期高齢者医療と国民健康保険の被保険者が挙がり、入院中のサービス算定などが突合の項目に含まれています。
いずれも、結果は保険者に提供される情報です。事業所には、保険者からの確認や、過誤申立による請求の取下げ・再請求として表れる場合があります。大阪府の資料の帳票名や対象は当時の大阪府国保連合会の取組みで、現在の全国共通の一覧ではありません。
審査結果を受け取ってから動く順序
1つ目に、返戻(保留)一覧表で返戻と保留を分けます。備考欄に「保留」と書かれていれば保留、そうでなければ返戻と読むのが宮城県国保連合会の案内です。
2つ目に、増減単位数通知書で査定があった明細書の理由を確認します。3つ目に、返戻は理由を確認して再請求し、保留や給付管理票が原因の査定は居宅介護支援事業所等へ連絡します。
4つ目に、支払決定額通知書で入金額が請求と合っているかを確認します。
請求済みの内容を取り下げて直す過誤調整は、事業所から利用者の保険者へ申し出ます。提出期限や様式は保険者・国保連合会ごとに異なるため、案内を確認します。月の途中で入院・死亡となった利用者の請求は訪問介護で利用者が入院・死亡・サービス中止になったときの算定と請求の整理も確認してください。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 返戻(保留)一覧表で、返戻と保留を分ける
- 増減単位数通知書で、査定があった明細書の理由を確認する
- 返戻は理由を直して再請求し、保留・給付管理票が原因の査定は居宅介護支援事業所等へ連絡する
- 支払決定額通知書の入金額を請求と照合する
一次資料
制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 宮城県国民健康保険団体連合会「介護給付費等の請求事務について(サービス事業所向け)」(確認日 2026-10-08)
- 大阪府「第6章 国保連合会が行う適正化事業の支援について(縦覧点検・医療情報との突合)」(確認日 2026-10-08)