運営 / 更新 2026-10-12

訪問介護員の雇用保険の加入要件:週20時間・31日以上の見込みと資格取得届の期限

訪問介護員を雇ったとき、雇用保険に加入させる必要があるかは、雇用保険法第6条の適用除外に当たるかで決まります。一週間の所定労働時間が20時間未満の人と、同じ事業主に継続して31日以上雇用される見込みがない人は、原則として被保険者になりません。この記事は、雇用保険法と同法施行規則の条文を、2026-10-12に確認した範囲で整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

訪問介護事業所の事業者が、雇い入れた訪問介護員を雇用保険に加入させる必要があるかを、雇用保険法第6条の適用除外と資格取得届の期限で確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、雇用保険加入の確認表(職員ごとの入職日・一週間の所定労働時間・契約期間と更新の定め・加入の要否・資格取得届の提出期限と提出日)を作成できる状態を目指します。

雇用保険に加入させる対象(雇用保険法第4条・第5条・第6条)

雇用保険法第5条は、労働者が雇用される事業を適用事業と定めています。第4条第1項は、適用事業に雇用される労働者のうち、第6条の各号に当たる人を除いた人を被保険者と呼んでいます。法人でも個人でも、訪問介護員を1人でも雇えば、その事業所は適用事業に当たります。

第6条が適用しないと定める人のうち、訪問介護員に関係しやすいのは、一週間の所定労働時間が20時間未満の人と、同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用されることが見込まれない人の2つです。後者には、前の2か月の各月に18日以上同じ事業主に雇用された人を除く、という括弧書きがあります。

第6条には、このほか、季節的に雇用される人や、学校の学生・生徒で一定の条件に当たる人なども並んでいます。学生の細かい条件は厚生労働省令で定められているため、このページでは扱いません。該当しそうな職員がいるときは、公共職業安定所(ハローワーク)に確認します。

訪問介護員で迷いやすい2つの数字の見方

20時間の基準は、実際に働いた時間ではなく、一週間の所定労働時間で見ます。所定労働時間は、雇用契約で定めた、その人が働く時間のことです。常勤の職員は就業規則や労働条件通知書で確認でき、時間数がはっきりしています。

登録型の訪問介護員は、月ごとに依頼に応じて働く時間が変わることがあります。このとき、契約書に所定の時間をどう書いているかが確認の出発点です(契約の書き方は登録ヘルパーの雇用契約・勤務表・移動時間を参照)。契約上の所定が決まりにくい働き方で20時間以上に当たるかは、個別の事情で変わるため、ハローワークに確認します。

31日以上の雇用見込みは、契約期間の定めの有無や更新の定めを見て判断します。条文は、見込まれない場合を適用除外としているので、更新があり得る契約や、期間の定めのない契約は、31日以上の見込みがあるかを契約書の記載から確かめます。

加入させるときの届出(法第7条・施行規則第6条)

被保険者になる職員を雇ったときは、事業主が雇用保険被保険者資格取得届を出します。雇用保険法第7条が届出を義務づけ、施行規則第6条第1項が、被保険者となった事実のあった日の属する月の翌月10日までに、事業所の所在地を管轄するハローワークの長へ提出すると定めています。届書には、一週間の所定労働時間などを記載します。

施行規則第6条第4項は、その事業主が初めて資格取得届を出す場合や、期限を超えて出す場合などには、労働契約に係る契約書、労働者名簿、賃金台帳など、被保険者となった事実と日付を証明できる書類を添えると定めています。新しく開業した事業所の最初の1人目は、この添付が必要になる点に注意が必要です。

届出をせず、または偽りの届出をした事業主には、同法第83条により、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が定められています。厚生労働大臣は、届出または本人の請求、職権によって、被保険者となったことを確認します(第9条)。

事業所での点検の手順と、このページが判断しないこと

点検は、職員ごとに、一週間の所定労働時間、契約期間と更新の定め、入職日の3点を一覧にし、20時間以上で31日以上の見込みがある人に資格取得届を出しているかを確かめる順で行います。入職日の属する月の翌月10日という期限を、入職日ごとに書き出しておきます。

このページは、個別の職員が被保険者に当たるかどうか、登録型の働き方で所定労働時間をどう数えるか、保険料や給付の計算を判断しません。退職時の手続きは訪問介護員の退職時の手続き、法人設立後の労働保険の届出は設立後の届出の期限と提出先で整理しています。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 職員全員について、入職日、雇用契約書に書かれた一週間の所定労働時間、契約期間と更新の定めを一覧にする。登録型で所定労働時間が決まりにくい職員は、契約書の記載をそのまま写す
  2. 一週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用の見込みがある職員を、雇用保険に加入させる対象として印を付ける。学生など第6条に当たりそうな職員や判断に迷う職員は、別枠にして確認先を書く
  3. 対象の職員ごとに、入職日の属する月の翌月10日を期限として書き出し、資格取得届をハローワークへ出した日を記録する。事業所で初めて届け出るときは、契約書・労働者名簿・賃金台帳をそろえる
  4. 判断に迷う職員は、契約書の写しと働き方を持って、ハローワークか社会保険労務士に確認し、確認した日と回答の内容を記録する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

次に読む: 訪問介護員の退職時手続き:雇用保険・社会保険・源泉徴収票の期限 →