指定申請 / 更新 2026-10-09
訪問介護の法人設立後に出す労働保険・社会保険・税務署への届出の期限と提出先
訪問介護の法人を設立して職員を雇うと、介護保険の指定申請とは別に、労働基準監督署・ハローワーク・年金事務所・税務署へ届出が必要になります。期限は「5日以内」から「2か月以内」までばらばらで、起点も「成立した日の翌日」「事実発生」「設立登記の日」と違います。厚生労働省・日本年金機構・国税庁の公開ページで確認できた期限と提出先を、提出先ごとに並べます。
この記事で決めること
訪問介護の法人を設立して職員を雇うときに、労働基準監督署・ハローワーク・年金事務所・税務署へ出す届出の期限と提出先を、厚生労働省・日本年金機構・国税庁の公開ページで確認するための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、法人設立後の届出日程表(届出・提出先・期限・起点の日・担当者・提出日)を作成できる状態を目指します。
届出の期限と提出先の一覧(確認日2026年10月9日)
次の表は、提出先、届出、期限、期限の起点の順に並べています。労働保険は、労災保険と雇用保険の保険料の申告・納付をまとめて行う「一元適用事業」の場合の手続きです。二元適用事業の手続きは別になるため、この記事では扱いません。
期限までの日数は、起点の日の翌日から数えるものと、起点の日そのものから数えるものがあるので、起点の欄を確認してください。
| 提出先 | 届出 | 期限 | 起点 |
|---|---|---|---|
| 所轄の労働基準監督署 | 労働保険の保険関係成立届 | 10日以内 | 保険関係が成立した日の翌日から起算 |
| 所轄の労働基準監督署・都道府県労働局・金融機関のいずれか | 概算保険料申告書(保険料の納付とあわせる) | 50日以内 | 保険関係が成立した日の翌日から起算 |
| 所轄のハローワーク(公共職業安定所) | 雇用保険適用事業所設置届 | 10日以内 | 設置の日の翌日から起算 |
| 所轄のハローワーク | 雇用保険被保険者資格取得届 | 翌月10日まで | 資格取得の事実があった日(被保険者となった日)の属する月の翌月 |
| 事務センターまたは管轄の年金事務所 | 健康保険・厚生年金保険の新規適用届 | 5日以内 | 事実発生(加入すべき要件を満たした日)から |
| 所轄の税務署 | 法人設立届出書 | 2か月以内 | 法人設立の日(設立登記の日)以後 |
| 給与を支払う事務所の所在地を所轄する税務署 | 給与支払事務所等の開設届出書 | 1か月以内 | 給与支払事務所等を開設してから |
労働保険(労災保険・雇用保険)の届出
厚生労働省の「労働保険の成立手続」は、労働保険の適用事業となったときは、まず保険関係成立届を提出し、その後に概算保険料を申告・納付するとしています。一元適用事業の場合、保険関係成立届は成立した日の翌日から10日以内に所轄の労働基準監督署へ、概算保険料申告書は成立した日の翌日から50日以内に、労働基準監督署・都道府県労働局・金融機関(日本銀行の代理店、銀行・信用金庫・郵便局)のいずれかへ出します。
雇用保険の適用事業となった場合は、これに加えて、雇用保険適用事業所設置届を設置の日の翌日から10日以内に、雇用保険被保険者資格取得届を資格取得の事実があった日の翌月10日までに、所轄のハローワークへ出します。同じページの注記は、保険関係成立届の手続きを行った後に、設置届と資格取得届の手続きを行うとしています。厚生労働省の雇用保険の手続き一覧表も、資格取得届の期限を「被保険者となった日の属する月の翌月10日まで」とし、確認書類に賃金台帳・労働者名簿・出勤簿・雇用契約書などを挙げています。
そのため、職員の採用日が決まったら、採用日の翌日から10日以内の成立届と設置届、採用月の翌月10日の資格取得届を、同じ日程表に並べておくと抜けにくくなります。
健康保険・厚生年金保険(社会保険)の届出
日本年金機構の「新規適用の手続き」は、常時従業員(事業主のみの場合を含む)を使用する法人事業所は、厚生年金保険と健康保険への加入が法律で義務づけられているとしています。そのため、代表者だけの法人でも加入の手続きの対象です。
新規適用届の提出時期は「事実発生から5日以内」で、提出先は事務センターまたは管轄の年金事務所です。事業を行っている所在地が登記上の所在地と異なる場合は、実際に事業を行っている所在地を管轄する窓口になります。提出方法は、電子申請・郵送・窓口持参のいずれかです。
新規適用届の様式は、事業所を設立して健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするときの様式が日本年金機構のページに掲載されています。添付書類と、あわせて出す被保険者の届出は、同じページと管轄の年金事務所で確認します。
税務署への届出
国税庁の案内では、法人設立届出書の対象は内国法人である普通法人または協同組合等で、提出時期は法人設立の日(設立登記の日)以後2か月以内です。一般財団法人または一般社団法人で非営利型法人に当たる場合は、公益法人等に当たるため提出は不要とされています。訪問介護を営む株式会社や合同会社は、普通法人として提出の対象に当たります。
給与を支払う法人は、源泉徴収義務者になります。国税庁のタックスアンサー(No.2502)は、新たに給与の支払を始めて源泉徴収義務者となる場合は、給与支払事務所等の開設届出書を、給与支払事務所等を開設してから1か月以内に、事務所の所在地を所轄する税務署長へ提出するとしています。
地方税(都道府県・市区町村)の設立届は、期限と提出先が自治体ごとに異なるため、この記事では扱いません。設立の登記をした地域の都道府県税事務所と市区町村の案内で確認してください。
指定申請と届出の順番、開業後の年度更新
介護保険の指定申請の窓口と期限は、訪問介護の指定申請と開業ロードマップと訪問介護の手続きを提出先別に確認する窓口一覧で確認できます。この記事の届出は、法人の設立と職員の雇入れの日を起点に期限が進むため、指定申請の準備と並行して日程表に入れておきます。
労働保険は、成立した後、毎年6月1日から7月10日までの間に年度更新の手続きをします。年度更新は、前年度の確定保険料と新年度の概算保険料を申告・納付する手続きで、遅れると政府が保険料の額を決定し、納付すべき保険料の10%の追徴金を課すことがあります。開業後の他の義務とあわせた時期は、訪問介護の開業後の義務カレンダーで確認できます。
この記事は、公開ページで確認できた期限と提出先の整理です。個別の事業所が加入の対象になるか、どの窓口に出すかは、管轄の労働基準監督署・ハローワーク・年金事務所・税務署に確認してください。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 法人の設立登記の日と、最初の職員の採用日を日程表の起点に書き込む
- 起点から、社会保険の新規適用届(5日以内)、労働保険の保険関係成立届と雇用保険適用事業所設置届(10日以内)、給与支払事務所等の開設届出書(1か月以内)、法人設立届出書(2か月以内)、概算保険料申告書(50日以内)の期限日を並べる
- 採用月の翌月10日の雇用保険被保険者資格取得届を加え、手続きごとに提出先と担当者を決める
- 届出後は、6月1日から7月10日の年度更新を毎年の予定に加える
一次資料
制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「労働保険の成立手続」(確認日 2026-10-09)
- 厚生労働省「労働保険の年度更新とは」(確認日 2026-10-09)
- 厚生労働省「雇用保険制度 手続き一覧表」(確認日 2026-10-09)
- 日本年金機構「新規適用の手続き」(確認日 2026-10-09)
- 国税庁「法人を設立したとき(法人設立届出書)」(確認日 2026-10-09)
- 国税庁「タックスアンサー No.2502 源泉徴収義務者と給与支払事務所等の開設届出書」(確認日 2026-10-09)