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運営 / 更新 2026-11-05

訪問介護の求人で固定残業代を書くときの明示事項:基本給・手当の時間数・超過分の割増賃金

求人票に固定残業代を使う賃金を書くときは、厚生労働省のリーフレットが、基本給(手当を除く額)、手当の名称と時間数・金額、その時間数を超える時間外労働分の割増賃金は追加で支給すること、の3点を書く例を示しています。後から内容を変えるときは変更明示が必要で、割増賃金の率は労働基準法第37条が定めています。

賃金欄に書く3点:基本給・手当の時間数と額・超過分の追加支給

リーフレットは、募集や求人申込みの際に少なくとも明示する事項の1つに賃金を挙げ、時間外労働の有無に関わらず一定の手当を支給する制度(いわゆる固定残業代)を採用する場合は、次の3点を記載する例を示しています。

1つ目は、基本給で、②の手当を除いた額です。2つ目は、手当の名称と、時間外労働の有無に関わらず何時間分の時間外手当として何円を支給するかです。3つ目は、手当に含めた時間数を超える時間外労働分の割増賃金は追加で支給することです。

固定残業代を使う求人の賃金欄に書く3点(厚生労働省リーフレットの記載例。2026年11月5日確認)
書く項目内容求職者に伝わること
基本給固定残業代の手当を除いた額手当を含まない基本給の額
手当の名称・時間数・金額○時間分の時間外手当として△△円を支給手当が何時間分の時間外手当か、いくらか
超過分の追加支給○時間を超える時間外労働分の割増賃金は追加で支給手当の時間数を超えた分の扱い

この記事で決めること

訪問介護事業所の管理者や採用担当者が、求人票や募集広告に固定残業代(いわゆる固定残業代)を使う賃金を書くとき、何をどう明示するか、後から手当を変えるときの変更明示、手当の時間を超えた分の割増賃金の扱いを、厚生労働省のリーフレットと条文で確かめたい。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、固定残業代を使う求人票の賃金欄チェックメモ(3点の記載・変更明示・超過分の追加支給)を作成できる状態を目指します。

明示するタイミングとやむを得ない場合の扱い

ハローワーク等への求人申込み、自社ホームページでの募集、求人広告の掲載を行う際は、労働契約を結ぶまでの間に、労働条件を明示します。職業安定法第5条の3第1項は、労働者の募集を行う者に、従事すべき業務の内容と賃金、労働時間その他の労働条件を明示するよう求めています。

リーフレットは、求人票のスペースが足りないなどのやむを得ない場合は「詳細は面談の時にお伝えします」と書いたうえで、労働条件の一部を別に明示してよいとしています。この場合も、原則として、初回の面接など求人者と求職者が最初に接触する時点までに、すべての労働条件を明示するとされています。2024年4月に加わった明示事項は訪問介護員の募集時の労働条件の明示で確認できます。

固定残業代を後から足す・変える:変更明示

当初に明示した労働条件が変わるときは、変更内容を明示します。リーフレットは、変更明示が必要な場合を4つ挙げています。当初の明示と異なる内容を示す場合、当初の範囲内で特定した内容を示す場合、明示していた条件を削除する場合、明示していなかった条件を新たに示す場合です。

4つ目の例が、基本給25万円/月だけを示していた求人に、営業手当3万円/月を新たに示す場合です。固定残業代の手当を後から付け加えるときも、この考え方で整理できます。ただし、リーフレットの例は固定残業代の手当を挙げたものではありません。

変更明示は、求職者が変更内容を適切に理解できる方法で行います。リーフレットは、当初の明示と変更後の内容を対照できる書面を交付する方法が望ましいとし、変更した事項に下線を引く、着色する、脚注を付ける方法を挙げています。

手当の時間数を超えた分は、割増賃金を追加で支払う

3つ目の記載(超過分の追加支給)に対応する、割増賃金の率は労働基準法第37条が定めています。時間外と休日の労働は、通常の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲で政令が定める率以上で、1か月について60時間を超えた分は5割以上です。午後10時から午前5時までの深夜の労働は2割5分以上です。

割増賃金の基礎になる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金を算入しません(第37条第5項)。率の重なり方と算入しない手当の細目は訪問介護事業所の割増賃金:時間外・休日・深夜の割増率と、計算の基礎に入れない手当で確認できます。

時間外労働をさせるには、就業規則と36協定の手続きも必要です。届出の要件は訪問介護事業所の就業規則と36協定:作成・届出が必要な人数、意見聴取、周知の方法で確認できます。

実際と違う書き方をしないために

指針の主な内容として、リーフレットは、明示する労働条件を虚偽又は誇大な内容としてはならないとしています。労働条件の水準や範囲等を可能な限り限定し、職場環境を含め具体的かつ詳細に明示する配慮も求めています。

固定残業代の手当の金額や時間数も、実際と異なる内容を書けば、虚偽又は誇大な明示になります。登録ヘルパーの移動時間や待機時間を時間外労働にどう数えるかは、この記事では扱いません。採用計画全体は訪問介護員の採用・研修・定着計画で確認できます。

この記事で確認した範囲

確認した資料は、厚生労働省と都道府県労働局のリーフレット「労働者を募集する企業の皆様へ」(2018年1月1日施行の職業安定法改正時のもの)、e-Govの職業安定法第5条の3、労働基準法第37条で、2026年11月5日に原文を照合しました。固定残業代の記載例は、このリーフレットのものです。2024年4月追加の事項を扱う別のリーフレットには固定残業代の記載例はありませんでした。

固定残業代の制度そのものが有効かどうか、個別の求人票が法令に適合しているかは判断していません。実際の求人票は、ハローワークや都道府県労働局、社会保険労務士に確認してください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 賃金欄の記載を3点に分ける。厚生労働省のリーフレットの記載例に沿って、①基本給(固定残業代の手当を除く額)、②手当の名称と、時間外労働の有無に関わらず何時間分の時間外手当として何円を支給するか、③その時間数を超える時間外労働分の割増賃金は追加で支給する旨、を求人票に書く。
  2. 明示の時点を決める。ハローワークへの求人申込み、自社サイトでの募集、求人広告の掲載の際に明示する。紙面が足りないやむを得ない場合も、原則として面接など求職者と最初に接触する時点までにすべての労働条件を明示する。
  3. 後から内容を変えるときの手順を決める。手当を新たに足す、時間数や金額を変えるなど、当初の明示と異なる内容を示すときは変更明示が必要になる。当初の明示と変更後を対照できる書面を交付する方法が望ましい。
  4. 超過分の割増賃金の支払いを給与計算に組み込む。手当に含めた時間数を超えた時間外労働には、労働基準法第37条の割増率(時間外は2割5分以上、1か月60時間を超えた分は5割以上、深夜は2割5分以上)で計算した割増賃金を追加で支払う。

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隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

求人票に固定残業代を書くときは、何を書けばよいですか?

厚生労働省のリーフレット(2018年1月施行の職業安定法改正時)は、賃金の欄に、基本給(固定残業代の手当を除く額)、手当の名称と時間外労働の時間数・金額、その時間数を超える時間外労働分の割増賃金は追加で支給すること、の3点を書く例を示しています。

固定残業代を後から求人の内容に付け足してもよいですか?

リーフレットは、当初の明示にない労働条件を新たに提示するときも変更明示が必要な場合に当たるとし、基本給だけを示していた求人に手当を新たに示す例を挙げています。変更前後を対照できる書面を交付する方法が望ましいとされています。

固定残業代に含めた時間を超えて働いたときの割増賃金はどうなりますか?

リーフレットの記載例は、手当に含む時間数を超える時間外労働分の割増賃金を追加で支給すると書く形です。割増率は労働基準法第37条が定め、時間外は2割5分以上、1か月60時間を超えた分は5割以上、深夜は2割5分以上です。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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