運営 / 更新 2026-10-14

訪問介護の集団指導:年1回以上・内容・欠席時の扱い

指定を受けた訪問介護事業所には、運営指導のほかに、自治体が開く「集団指導」の案内が届きます。厚生労働省の「介護保険施設等運営指導マニュアル」(令和6年7月改訂)が定める、集団指導の位置づけ、年1回以上という頻度、取り上げる内容、オンラインでの実施、欠席したときの扱いを整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

訪問介護事業所の管理者が、自治体から案内が届く集団指導の位置づけと頻度、内容、欠席したときの扱いを、国の運営指導マニュアルの記載で確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、集団指導の受付・出席記録票(案内の受け取り担当、開催日と方法、出席者または資料確認者、配布資料の保管場所)を作成できる状態を目指します。

集団指導は、事業所を個別に調べるものではない

マニュアルは、指導の方法に集団指導と運営指導の2つがあり、どちらも介護保険施設等の適正な運営の確保のために行う、支援と育成の観点の行政指導だとしています。集団指導の目標は、正確な情報の伝達と共有による不正等の未然防止で、事業所に情報のインプットを図るものと説明されています。

一方の運営指導は、事業所ごとに、介護サービスの質、運営体制、介護報酬請求の実施状況などを確かめるもので、原則は実地で行います。マニュアルは、集団指導で伝えた情報が事業所に届いているかを確かめる機会が運営指導だとして、この2つを「車の両輪」と表現しています。

集団指導は個別の事業所を対象にした指導ではないため、報告を求める権限を使わない場合は、行政手続法第36条に基づく、複数の者を対象にした行政指導として行うことになる、とも書かれています。運営指導の確認項目は「訪問介護の運営指導の確認項目と確認文書:自己点検表(個別サービスの質・体制の全項目)」にあります。

対象と頻度:指定権限をもつ自治体が、年1回以上行う

マニュアルによると、集団指導の対象は、都道府県や市町村が指定の権限をもつすべての介護保険施設等です。訪問介護事業所は、指定した自治体の集団指導の対象に含まれます。

頻度は「年1回以上」です。一度に開くのではなく、場所や時期を分けて複数回開く方法や、新規に指定を受けた事業所や管理者が変わった事業所を対象に別に開く方法も、マニュアルが例として挙げています。

つまり、開催の時期や回数、新規指定の事業所向けの回があるかどうかは、自治体によって違います。案内が届く時期や窓口は、事業所のある都道府県や市区町村の指導監査の担当課で確かめます。

取り上げる内容:報酬の取扱い・請求・制度改正・過去の指導事例

マニュアルは、参加する意味のあるものにするために、介護給付等対象サービスの取扱い、介護報酬請求の内容、制度改正の内容、高齢者虐待事案をはじめとした過去の指導事例などを中心に内容を検討するよう、自治体に求めています。

事業所側から見ると、報酬改定や基準の改正があった年の集団指導は、その年の算定や運営の確認事項を、指定権者がどう受け止めているかを知る機会になります。資料は、運営指導の自己点検の前に読み返すと役立ちます。

取り上げる中身は自治体ごとに組み立てるため、他の自治体の資料をそのまま自分の事業所の根拠にはできません。事業所のある自治体が公表した資料と、国の通知を照らし合わせて使います。

オンライン開催と、参加できなかったとき

集団指導は、管理者などを一か所に集めて開くことが基本ですが、マニュアルは、自治体のホームページへの資料の掲載や説明動画の配信といった、オンラインなどを使った実施も可能としています。この場合も、行政指導であることから、資料を見たか、動画を視聴したかを自治体が把握する必要があるとされています。

欠席した事業所には、自治体が関係資料を送る、ホームページの資料のダウンロードを促すといった方法で、内容を必ず伝えることが求められています。実践編は、集団指導に参加しない事業所には個別に情報提供を行うことが望ましいとしたうえで、そのような場合は優先的に運営指導を行うなどの対応も検討するよう、自治体に促しています。

基本編にも、集団指導に参加しない事業所には優先的に運営指導を行うよう計画しましょう、という記述があります。同じ箇所に、集団指導で説明した内容は運営指導の確認のポイントになり、後になって説明を受けていないと言われないよう対策を取る必要がある、とも書かれています。案内を見落とさず、出席または資料確認の記録を残しておくほうが、運営指導で説明しやすくなります。

管理者が事前に決めておくこと

1つ目は、指導監査の担当課からの案内(メール、郵送、自治体のホームページの掲載)を誰が受け取るかです。管理者が不在のときに案内が埋もれないよう、受け取る人と共有の方法を決めておきます。

2つ目は、出席者と、出席できなかった場合の資料の確認の担当を決め、出席の記録と、配布資料の保管場所を残すことです。保管のしかたは「訪問介護の運営指導(実地指導)で確認される記録・書類」の確認書類の整理とあわせて考えられます。

運営指導から監査に切り替わる契機や、不正請求があった場合の返還は「訪問介護の運営指導から監査への切替と行政処分・返還」にあります。この記事は個別の事業所の運営が基準に合うかどうかの判断を請け負うものではなく、最終的な扱いは指定権者の案内によります。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 指定権者の指導監査の担当課からの案内を受け取る人と、管理者不在時に共有する方法を決める
  2. 案内が届いたら、開催日、会場かオンラインか、申込の期限、出席者を記録票に書き出す
  3. 出席できない場合は、自治体が示す資料の入手方法を確かめ、資料を確認した日と担当者を記録する
  4. 配布資料と記録票を、運営指導の自己点検で読み返せる場所にまとめて保管する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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