資金調達 / 更新 2026-10-06
日本政策金融公庫の創業計画書(訪問介護)の書き方・様式確認
日本政策金融公庫の公式サイトでは、9項目版と10項目版の創業計画書PDFが異なる案内ページから取得でき、介護サービスの記入例も別の項目構成です。この記事では、まず提出に使うファイルを確認し、その各項目を訪問介護の事業計画、見積書、シミュレーターの入力根拠へ対応づけます。特定の項目数を唯一の現行様式とは扱わず、融資審査の結果や借入可能額も判断しません。
この記事で決めること
訪問介護の創業者が、日本政策金融公庫の公式サイトに併存する創業計画書の項目構成を確認し、取得した様式へ事業計画とシミュレーターの根拠を対応づけるための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、日本政策金融公庫から実際に取得した創業計画書の項目と訪問介護の根拠資料を対応づけた記入準備表を作成できる状態を目指します。
最初に取得した様式の項目構成を確認する
日本政策金融公庫の創業計画書は、新たに事業を始める人が事業計画などを記入する書類です。公式サイト内でも案内ページによってリンク先が異なり、「各種書式ダウンロード」ページの空欄PDFは9項目、「創業計画の書き方」ページの空欄PDFは10項目です。申込前に相談先の案内を確認し、実際に提出するファイルの名称、項目数、取得日を記録してください。
介護サービスの記入例は通所介護を題材にした9項目の別版です。9項目の空欄PDFとは項目順や記入欄が異なり、10項目の空欄PDFとも同一ではありません。記入例は欄の使い方だけを参考にし、訪問介護の人員、提供件数、移動、請求から入金までの前提は、自社の確認済み資料で組み直します。
| 公式様式の項目 | 訪問介護で準備する内容 | 主な根拠資料 |
|---|---|---|
| 1 創業の動機 | 訪問介護を始める理由と、対象地域・利用者に提供したい価値 | 参入判断メモ、商圏調査 |
| 2 経営者の略歴等 | 担当業務、役職、身につけた技能、資格、許認可の申請状況 | 職歴書、資格証、申請状況の記録 |
| 3 取扱商品・サービス | 提供する訪問介護の区分、対象地域、曜日・時間帯、売上構成の前提 | サービス設計、売上計算の根拠 |
| 4 取引先・取引関係等 | 紹介経路、家賃やシステム利用料などの支払先、回収・支払条件 | 契約案、見積書、請求・入金予定 |
| 5 従業員 | 役員、常勤・非常勤の職員、採用予定を役割別に整理 | 人員計画、勤務予定、採用状況 |
| 6 お借入の状況 | 代表者の借入先、使途、残高、年間返済額 | 返済予定表、残高が分かる資料 |
| 7 必要な資金と調達方法 | 設備資金と運転資金、その見積先・金額、自己資金・借入などの調達方法 | 見積書、自己資金の確認資料、資金繰り表 |
| 8 事業の見通し(月平均) | 創業当初と軌道に乗った後の売上高、売上原価、経費、利益と計算根拠 | 事業計画シミュレーター、月別収支計画 |
| 9 自由記述欄 | 強み、計画上の課題、未確認事項、相談したい内容 | 前提一覧、保守ケース、確認事項リスト |
必要な資金と調達方法の対応確認
上の表で基準にした9項目版では7番、10項目版では8番が「必要な資金と調達方法」です。必要な資金を設備資金と運転資金に分け、見積先と金額を書きます。調達方法は、自己資金、親族・知人などからの借入、日本政策金融公庫からの借入、ほかの金融機関などからの借入に分かれています。必要な資金の合計と調達方法の合計が一致するように確認します。
訪問介護では、物件、車両、端末などの契約前に見積書を集めます。家賃、人件費、システム利用料など、開業後に支払う費用は支払月まで入れた資金繰り表へ移します。まだ承認されていない融資や補助金は、確定した資金として月末現金へ加えません。
事業の見通しとシミュレーターの接続
上の表で基準にした9項目版では8番、10項目版では9番が「事業の見通し(月平均)」です。創業当初と軌道に乗った後を分け、売上高、売上原価、経費、利益と計算根拠を記入します。訪問介護では、利用者数だけで売上を置かず、サービス区分、月の訪問回数、地域別の換算、確認済みの加算・減算を根拠として残します。
事業計画シミュレーターでは、自己資金、初期投資、請求から入金までの月数、サービス別の利用者数と訪問頻度、人員費用を入力します。結果の売上、営業利益、月末現金をそのまま転記せず、公式様式の区分へ対応づけた計算根拠を添えます。加算・減算や返戻など、シミュレーターが扱わない項目は別に確認し、未確認のまま利益へ加えません。
記入例を使うときの注意点
日本政策金融公庫の介護サービス記入例は、記入欄の使い方を確認する資料です。掲載例の事業内容、売上構成、職員数、費用、借入額を、訪問介護の標準値や自社の見込みとして転記しません。自社の対象地域、人員、提供可能時間、見積書、請求と入金の条件から作り直します。
金融機関へ説明する計画書の全体構成は訪問介護の事業計画書のまとめ方、初期費用と月次費用の分け方は訪問介護の開業費と月次費用で整理しています。入力値を変えたときは、創業計画書だけでなく月別収支計画と資金繰り表も同じ前提へ更新してください。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 日本政策金融公庫の公式ページから提出に使う創業計画書と介護サービスの記入例を開き、ファイル名・項目数・確認日を記録する
- 取得した空欄様式の各項目へ、職歴・資格、提供サービス、人員、取引先、見積書、借入状況などの根拠資料を対応づける
- 必要な資金と調達方法の合計を合わせ、設備資金と運転資金を見積書・支払予定から分ける
- シミュレーターの売上・費用・入金時期を創業当初と軌道に乗った後へ整理し、根拠と未確認事項を残す
事業計画ツールで確かめる
記事で整理した前提を事業計画ツールへ入力し、基準ケースだけでなく保守ケースの結果も確認します。制度上の適否や請求額を自動判定するものではありません。
一次資料
制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 日本政策金融公庫「創業計画書(国民生活事業)」(確認日 2026-10-06)
- 株式会社日本政策金融公庫「創業計画書(各種書式ダウンロードページ掲載PDF・9項目版)」(確認日 2026-10-06)
- 株式会社日本政策金融公庫「創業計画書記入例(介護サービス)」(確認日 2026-10-06)