事業計画 / 更新 2026-10-29
訪問介護の事業計画書テンプレート(構成5要素・数字の作り方・訪問介護計画書との違い)
訪問介護の事業計画書テンプレートは、売上予測だけを並べる資料ではありません。次の5つの構成要素を月次でつなぎ、開始・延期・縮小・中止を判断できる形にします。5つとは、読み手と判断の前提、市場・獲得・提供能力、売上・費用・現金、保守ケースと撤退基準、指定申請の収支予算書との対応です。
事業計画書テンプレートの構成要素
訪問介護の事業計画書テンプレートは、次の5つの構成要素を月次でつなげて作ります。単独の売上予測表ではなく、読み手・判断の前提、市場と提供能力、売上・費用・現金、保守ケースと撤退基準、指定申請の収支予算書との対応関係を一つの資料にまとめます。
各要素の内容は下の表のとおりです。上から順に埋めるとは限りません。まず市場・提供能力の検討結果を売上・費用・現金の計画へ反映します。次に、保守ケースで前提を崩したときの対応を確認します。指定申請の様式との対応は最後に整理します。詳しい作り方は、この記事の各節で解説します。
| 構成要素 | 記載する内容 |
|---|---|
| 読み手と判断の前提 | 誰が何を判断する資料か、対象サービス、商圏、開業候補時期、提供する曜日・時間帯、作成時点で未確認の事項 |
| 市場・獲得・提供能力 | 商圏の需要と事業所供給、紹介元候補、相談から初回提供までの工程、対応地域・時間帯と職員の提供能力 |
| 売上・費用・現金の月次計画 | サービス別単位・提供回数・地域別単価・確認済みの加減算による売上、初期費用・固定費・変動費・人件費、売上月と入金月を分けた月末現金 |
| 保守ケースと撤退基準 | 利用開始・採用の遅れ、提供時間比率の低下、費用増、入金遅れを反映した保守ケース、延期・縮小・中止を検討する条件 |
| 収支予算書との対応 | 指定申請で提出を求められることがある収支予算書との関係。様式・項目は指定権者ごとの現行案内で確認する |
この記事で決めること
市場から撤退基準までを一つの計画書へまとめるための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、市場・供給・人員・収支・資金・リスクをつないだ事業計画を作成できる状態を目指します。
事業計画の数字を作る順番(8段階)
計画書の数字は、前の段階の結果を次の段階の前提にして決めます。利用者数から始めて資金まで下の順に進めると、売上と人員が別の件数を前提にする食い違いを避けられます。各段階の数値の根拠と計算方法は、表の右端の列に示した解説で確認してください。
対応するシミュレーターの入力項目も併記します。段階2〜4は、訪問回数と単位数の入力から売上を求める流れです。人員の段階は、職員行の人数と各時間の入力で提供能力と照合します。
各段階の詳しい解説は次のとおりです。段階1〜2の件数の置き方は訪問介護の訪問件数上限の決め方、段階3〜4の売上の組み立ては訪問介護の売上構造と報酬計算、段階5の員数と配置要件は訪問介護の人員基準で整理しています。段階6の人件費と段階7の固定費の分け方は訪問介護の開業費と月次費用の分け方、黒字になる件数の確認は訪問介護の損益分岐点(訪問件数)、段階8の資金は訪問介護の運転資金と資金繰りにまとめています。
| 段階 | 決める数字 | シミュレーターの入力項目 | 確認する解説 |
|---|---|---|---|
| 1 利用者数 | 紹介元候補と受け入れ枠から見た利用者数 | 利用者数 | 訪問件数上限の決め方 |
| 2 件数 | 利用者数を月間訪問回数へ変換した件数 | 1人あたり月間訪問、月間訪問件数 | 訪問件数上限の決め方 |
| 3 単位数 | サービス区分ごとの1訪問あたり単位数 | 1訪問あたり単位数 | 売上構造と報酬計算 |
| 4 売上 | 件数×単位数×地域別の単価 | 現行版の1単位単価 | 売上構造と報酬計算 |
| 5 人員 | 法定の配置要件と提供能力の照合 | 職員行の人数・提供時間・移動時間・記録時間 | 人員基準 |
| 6 人件費 | 職員行ごとの事業主負担額 | 月給者の事業主負担額、時給者の事業主負担単価 | 開業費と月次費用の分け方 |
| 7 固定費 | 家賃・通信費などの月次固定費と変動費、初期投資 | 月次固定費、月次変動費、初期投資 | 開業費と月次費用の分け方 |
| 8 資金 | 売上月と入金月のずれを含む月末現金 | 開始時点の現金、入金までの月数 | 運転資金と資金繰り |
最初に計画書の読み手と判断を定める
自社の参入判断、金融機関への説明、指定申請では、求められる様式と確認事項が同じとは限りません。誰が何を判断する資料かを決め、外部の指定様式がある場合はその最新版を別途確認します。日本政策金融公庫へ提出する様式との対応は日本政策金融公庫の創業計画書の書き方・様式確認で確認できます。
計画書の冒頭には、対象サービス、商圏、開業候補時期、提供する曜日・時間帯、作成時点で未確認の事項を記載します。結論だけでなく、判断の前提が変わったときに更新できるようにします。
市場・獲得・提供能力を一本につなぐ
公的データで需要と事業所供給を確認した後、紹介元候補、相談から初回提供までの工程、対応できる地域・時間帯を整理します。公開事業所数だけから受入余力や自社の獲得件数を断定しません。
利用者数を月間訪問回数へ変換し、その回数を職員の資格、勤務可能時間、移動、記録を含む提供能力と照合します。売上計画と人員計画が別の件数を前提にしていないか確認します。
売上・費用・現金を月次で接続する
売上は制度版、サービス別単位、提供回数、地域別の換算、確認済みの加減算から組み立てます。費用は初期支出、固定費、変動費、人件費へ分け、各金額に見積書等の根拠を持たせます。
売上月と入金月を分け、初期投資と入金前支出を反映した月末現金を確認します。利益が黒字でも現金が不足する月があれば、開業時期、採用、契約、資金調達の順番を見直します。
事業計画ツールで試算した結果は、次のように計画書側の表へ移します。売上は「月間売上モデル」を、創業計画書対応表の「事業の見通し(月平均)」の売上欄へ転記します。
費用は「月間人件費」と、入力した月次固定費・月次変動費・初期投資を、開業費・月次費用表の「初期支出と支払月」「毎月の固定費」「提供量に連動する費用」へ移します。
現金は「初回入金前の月末現金」を、資金繰り確認表の「最低現金・不足月・対応条件」の確認の起点にします。表の一覧は計画書テンプレート一覧にあります。転記するのは試算の入力値と結果であり、この試算は売上や資金の確保を保証しません。
保守ケースと撤退基準で完成させる
基準ケースとは別に、保守ケースをつくります。保守ケースには、利用開始の遅れ、採用の遅れ、提供時間比率の低下、費用増、入金遅れを反映します。一度にすべてを変えず、どの前提が結果へ効いたか説明できるようにします。
開始に必要な確認が終わらない場合、月末現金が社内下限を割る場合、必要な提供枠を確保できない場合など、延期・縮小・中止を検討する条件を経営判断として記録します。このテンプレートとシミュレーターは、金融機関や指定権者の審査を代替しません。
保守ケースの試算は、事業計画ツールの「12か月の最低現金」と「資金不足の初月」を、資金繰り確認表の「最低現金・不足月・対応条件」へ転記します。あわせて、延期・縮小・中止を検討する条件は、縮小・撤退判断表へ書き移します。
シミュレーター結果欄の「延期・縮小・見直し条件」の読み方
事業計画ツールの結果欄には「延期・縮小・見直し条件」の箱があり、入力内容に応じて次の4種類の文言のいずれか(複数のことも)が出ます。基準ケースの入力で判定しており、保守ケースの結果ではありません。
箱の文言は、見直す前提を探す手がかりを示すもので、延期や中止を決める基準そのものではありません。表示された条件ごとに、どの入力を確認するかを下の表で整理します。
文言が出なくても、事業が成り立つことを示すものではありません。入力した前提が実績とずれていないかは、保守ケースの試算と月次の実績差で確かめてください。
| 箱に出る文言(要旨) | 出る条件 | まず確認する入力 |
|---|---|---|
| ◯月目に資金不足となるため、開始延期・初期投資縮小・追加資金を比較する | 12か月の月末現金のどこかがマイナスになる(最初のマイナスの月を表示) | 初期現金、初期投資、入金の遅れ月数、固定費の額 |
| 年間営業損益が赤字のため、提供量・単価・人件費・固定費の前提を見直す | 12か月の営業損益の合計がマイナスになる | 月間の訪問回数、1訪問あたり単位数、1単位単価、職員の人件費、固定費 |
| 1月目の提供能力が不足するため、受入数を縮小するか勤務・採用計画を見直す | 職員行と提供サービスを入力済みで、1月目の必要時間が職員の提供可能時間を上回る | 職員の人数・提供時間・移動時間・記録時間、月間訪問回数 |
| 現在の入力では即時の停止条件は出ていないが、保守ケースと実績差を毎月確認する | 上の3条件のどれにも当たらない | 保守ケースの入力(利用開始の遅れ、費用増、入金遅れ) |
事業計画書と訪問介護計画書の違い
名前が似ていますが、この記事の事業計画書と、利用者ごとに作る訪問介護計画書は別の書類です。事業計画書は、事業所を開くか・続けるかを経営として判断するために、市場、売上・費用・現金、撤退基準を月次でまとめる資料です。
訪問介護計画書は、運営基準第24条にもとづき、サービス提供責任者が利用者ごとに作る計画です。利用者の日常生活全般の状況と希望を踏まえ、指定訪問介護の目標と、目標を達成するための具体的なサービスの内容などを記載します。利用者または家族へ説明して同意を得たうえで利用者に交付し、作成後は実施状況を把握して必要に応じて変更します。
つまり、事業計画書は事業所全体の経営判断のための資料、訪問介護計画書は個々の利用者へのサービス提供の計画です。訪問介護計画書の作成から交付・変更までの流れと記載事項は、訪問介護計画の作成・変更サイクルと記載事項で確認してください。
指定申請で求められる収支予算書との関係
訪問介護の指定申請では、事業計画書とは別に収支予算書の提出を求める指定権者があります。介護保険法施行規則第百十四条第一項は訪問介護の指定申請書に記載する事項を挙げていますが、その中に収支予算書という項目は含まれておらず、提出の要否や様式、時期は指定権者ごとの案内で定まります。
一例として、那覇市の指定申請の案内は、指定申請の前の事前協議の必要書類として、申請するサービスの事業計画書(訪問介護事業計画書など)、収支予算書、従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表を挙げています。金沢市の介護保険事業の指定及び変更に係る添付書類様式集は、参考様式12として収支予算書、参考様式15として事業計画書を掲載しています。同じ名称の書類でも、事前協議で出すのか申請時の添付なのか、どの様式番号か、といった扱いは自治体ごとに異なります。
この記事の月次計画(売上・費用・月末現金)は、収支予算書の数字を整える前の下書きとして使えますが、様式の区分や項目は指定権者の様式に合わせて組み替える必要があります。売上の根拠(サービス別の単位・提供回数・地域別の換算)と、人件費の根拠(勤務の体制及び勤務形態一覧表に載せる職員配置)が食い違っていないかを、提出前に確認します。記載要領と最新の様式は、所在地を管轄する指定権者の案内で確認してください。
金沢市の参考様式12(収支予算書)は、収入側に利用料(介護報酬にあたる給付分と利用者負担金分を合わせた額)・介護保険外収入・諸収入の行を置き、支出側を人件費(法定福利費を含む)・家賃・水道光熱費・通信運搬費・旅費交通費・消耗品費・修繕費・印刷製本費・保険料・雑費に分け、4月から翌3月までの12か月を月次で記載して小計と収支見通し(収入小計-支出小計)を出す構成です。指定を受けようとするサービスごとに収支を立て他のサービスと合算しないこと、事業実績が無い新規指定では見込み値で作成してよいこと、様式はあくまで参考で要件を満たせば事業所独自の書式でもよいとされていることも、この様式の記載上の注記に含まれています。勘定科目の名称・粒度・様式番号は指定権者ごとに異なるため、この一覧はそのまま別の指定権者の申請に使わず、所在地を管轄する指定権者の最新の様式・記載要領で確認してください。
収支予算書の下書きには、事業計画ツールの「月間売上モデル」「月間人件費」「月間営業損益」を使えます。日本政策金融公庫へ出す場合は、同じ結果を創業計画書対応表の「事業の見通し(月平均)」へ移します。指定権者の様式の区分や項目は別に確認します。
提出先別に違う書類と読み手の関心(指定権者・日本政策金融公庫・自社の運営管理)
事業計画の数字は同じ元データから作りますが、提出先によって求められる書類の様式と、読み手が見る点が異なります。下の表は、提出先ごとの書類、読み手の関心、当サイトの該当記事とテンプレートを並べたものです。
指定権者の様式は自治体ごとに異なります。東京都福祉局の訪問介護の案内には新規指定申請の様式(記載方法・記載例を含む)が掲載されていますが、他の自治体の必要書類や事前協議の有無は、事業所の所在地の指定権者の現行案内で個別に確認してください。
日本政策金融公庫の創業計画書は、公庫の公式ページの様式に沿って記入します。当サイトは公式様式を複製せず、記載項目に対応づける形でテンプレートを提供しています(2026-10-06確認の10項目版。公庫の書式ダウンロードページには9項目版も案内されているため、提出前に現行の様式を確認してください)。
この表は、書類の準備や融資の可否・指定の可否を示唆するものではありません。融資は審査により決まり、指定は指定権者の審査により決まります。
計画書が書き上がったあとに数字の食い違いを確かめる6項目は、訪問介護の事業計画書の自己点検表:稼働率・人件費率・採用・資金・数値の矛盾の6項目にまとめています。
| 提出先 | 主な書類(一次資料) | 読み手が見る点 | 当サイトの該当記事・テンプレート |
|---|---|---|---|
| 指定権者(都道府県・市区町村) | 新規指定申請の申請書・付表等と、自治体によって収支予算書や事前協議用の事業計画書。様式は指定権者の公式ページで確認(例: 東京都福祉局「新規指定申請の留意事項・申請書等(訪問介護)」) | 人員・設備・運営の基準を満たす内容か、書類間で氏名・営業時間・職員配置が一致しているか | 訪問介護の指定申請ロードマップ、テンプレート「指定申請ロードマップ」 |
| 日本政策金融公庫 | 創業計画書(国民生活事業。公式ページの様式で記入。10項目: 創業の動機、経営者の略歴等、取扱商品・サービス、従業員、取引先・取引関係等、関連企業、お借入の状況、必要な資金と調達方法、事業の見通し(月平均)、自由記述欄) | 必要な資金と調達方法、事業の見通し(月平均)の根拠、経営者の経験、お借入の状況 | 訪問介護の開設主体・法人・資金調達、訪問介護の運転資金と資金繰り、テンプレート「創業計画書対応表」「資金繰り確認表」 |
| 自社の運営管理(社内・出資者への説明) | 月次計画、保守ケース、延期・縮小・中止の条件(提出の義務はなく、様式は自由) | 前提の根拠、最初に現金が不足する月、判断を見直す条件 | 本記事、訪問介護の売上構造と報酬計算、訪問介護の開業費と月次費用の分け方、テンプレート「縮小・撤退判断表」 |
指定権者別の様式確認先(確認できた代表例)
事業計画書・収支予算書の様式を自治体の公開ページで確認できた代表例を下表にまとめます。全国共通部分は前節のとおり指定権者の判断に委ねられているため、この一覧は限られた確認事例であり、訪問介護の指定申請を行う自治体を網羅するものではありません。
公開の様式集に事業計画書・収支予算書という名称の様式が見当たらない指定権者もあります。例として、大阪市の指定関係様式集ページと神戸市の指定申請・変更届等の様式一覧ページを2026年9月28日に確認したところ、いずれも訪問介護向けの事業計画書・収支予算書に該当する様式は掲載されていませんでした(大阪市の事前協議様式は通所介護等の施設系サービスが対象で、訪問介護は対象外でした)。掲載の有無自体が自治体独自の運用であるため、公開ページで見当たらない場合は事前協議・申請の窓口へ直接確認します。
| 指定権者 | 区分 | 訪問介護向け事業計画書 | 収支予算書 | 確認先ページの名称 |
|---|---|---|---|---|
| 沖縄県 | 都道府県 | サービス別事業計画書「訪問介護用」を共通様式ページに掲載 | 共通様式「事業収支予算書」を同ページに掲載 | 「居宅サービスの新規指定にかかる事前協議」(沖縄県公式サイト) |
| 那覇市 | 中核市 | 事前協議の必要書類として訪問介護事業計画書を明記(本記事前節で解説) | 同左(本記事前節で解説) | 那覇市の指定申請の案内 |
| 金沢市 | 中核市 | 添付書類様式集の参考様式15として掲載(本記事前節で解説) | 添付書類様式集の参考様式12として掲載(本記事前節で解説) | 金沢市の介護保険事業の指定及び変更に係る添付書類様式集 |
あわせて確認する論点
事業計画書の数字を作るとき、計画の月の訪問回数に近い規模の事業所が、収入・給与費・その他の費用をどの割合で持っているかは、訪問介護の事業所規模別の収支比較(月約300回・700回・1,650回、令和6年度決算)で同じ項目に並べて確認できます。
12か月・3シナリオ表の読み方と数値例(モデル計算)
事業計画ツールの3シナリオ表は、「月間訪問」「年間売上」「年間営業損益」「12月末現金」の4行を、保守・基準・成長の3列で並べます。読む順番は、年間営業損益、12月末現金、年間売上の順にすると、赤字か黒字かと資金が持つかを先に確かめられます。月間訪問は、列ごとの前提の確認に使います。
保守ケースは、訪問件数を基準から減らし、入金も追加で遅らせた場合のモデル計算です。保守ケースで12月末現金がマイナスになるなら、計画の前提を見直すか、開始時点の現金と借入の額を再検討する目安になります。実際の損益や資金を保証するものではありません。
| 項目 | 保守(訪問20%減) | 基準 | 成長(訪問20%増) |
|---|---|---|---|
| 月間訪問 | 288件 | 360件 | 432件 |
| 年間売上 | 13,824,000円 | 17,280,000円 | 20,736,000円 |
| 年間営業損益 | -576,000円 | 2,880,000円 | 6,336,000円 |
| 12月末現金 | -2,032,000円 | 2,000,000円 | 4,880,000円 |
数値例の前提と、読み取れること
この表の入力は、ツールに仮の値を入れて計算した例です。月給者の事業主負担額は月60万円、時給者の有給時間は200時間(時給1,500円)、固定費は月20万円、変動費は月10万円、開始時点の現金は300万円、初期投資は100万円としています。単価や加算は考慮していない、説明用の仮の数字です。
基準ケースは年間営業損益が288万円の黒字ですが、入金が2か月後のため、計画の序盤は現金残高がマイナスになる月があります。保守ケースは、毎月の営業損益が赤字になり、入金の遅れも重なって、12月末の現金が約-203万円です。年間の損益だけでなく、12月末現金と、月別の資金の推移もあわせて見てください。
自分の計画の数字は、制度資料で確かめた単位数・単価と、実際の人件費・固定費で入れ替えます。この数値例を、そのまま自分の事業所の見込みとして使わないでください。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 市場と利用者獲得の仮説を置く
- 提供能力と人員計画を月次件数へつなぐ
- 売上・費用・入金を保守・基準・成長で計算する
- 開始延期・縮小・中止の判断条件を明記する
関連ガイドで計画をつなぐ
隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。
- 商圏と需要・競合の根拠は「訪問介護の商圏・需要・競合の調べ方」で集めます。
- 提供件数を月次売上へ変換する方法は「訪問介護の売上構造と報酬計算」で確認できます。
- 利益と入金時期を分けた資金計画は「訪問介護の運転資金と資金繰り」で作成します。
- 訪問看護ステーションの計画は「訪問看護ステーションの事業計画書と収支」で、看護職員の人数と月の収入の式から確認できます。
- 福祉用具貸与の計画は「福祉用具貸与事業所の事業計画と収支」で、専門相談員の人数と貸与価格の上限から確認できます。
- グループホームの計画は「グループホームの事業計画書と収支」で、定員と職員配置から月の収入の式まで確認できます。
- 有料老人ホームの計画は「有料老人ホームの事業計画書に書く項目」で、初期総投資額や収支計画の項目を確認できます。
よくある質問
迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。
訪問介護の事業計画書には何を書きますか?
対象サービスと商圏、利用者獲得、提供能力、人員、売上、費用、入金、リスク、延期・縮小・中止の判断条件を月次でつなぎます。
売上予測が黒字なら開業判断できますか?
利益だけでは判断できません。入金前の支出を反映した月末現金と、計画件数を提供できる人員・時間帯・移動条件も確認します。
このテンプレートを指定申請や融資へそのまま使えますか?
自社の判断と前提整理に使います。指定権者や金融機関が指定する様式・必要資料がある場合は、その現行案内を別途確認してください。
事業計画ツールで確かめる
記事で整理した前提を事業計画ツールへ入力し、基準ケースだけでなく保守ケースの結果も確認します。
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(第4条〜第39条の3(訪問介護の基本方針・人員・設備・運営の基準))(確認日 2026-10-21)
- 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」(見出し「告示改正」(令和6年厚生労働省告示第86号)/「報酬告示に関する通知(留意事項通知等)」/「基準省令に関する通知(解釈通知等)」/「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A」)(確認日 2026-10-26)
- 厚生労働省「介護サービス情報公表システム オープンデータ」(確認日 2026-10-20)
- 東京都国民健康保険団体連合会「介護事業所等の皆様」(請求受付・支払日についてのページ(東京都国民健康保険団体連合会 介護事業所等向け案内))(確認日 2026-10-20)
- 日本政策金融公庫「創業計画書(国民生活事業)」(確認日 2026-10-06)
- 東京都福祉局「新規指定申請の留意事項・申請書等(訪問介護)」(確認日 2026-10-07)