開業準備 / 更新 2026-10-08

訪問介護の国保連への「請求及び受領に関する届」:届出事項・請求方法・提出時期

介護給付費を国民健康保険団体連合会(国保連合会)に請求するには、請求を始める前に、請求の方法などを国保連合会へ届け出る必要があります。請求省令(平成12年厚生省令第20号)の第4条が届出事項を定めており、石川県国民健康保険団体連合会は「介護給付費等の請求及び受領に関する届」という様式で受け付けています(様式の名称と項目は国保連合会ごとに確認が必要です)。この記事は、省令と国保連合会の資料で確認できた届出事項、請求方法の選択肢、変更時と提出時期の確認先を整理します。月次の請求の流れは訪問介護の国保連請求・入金・返戻の月次サイクルで扱います。

この記事で決めること

開業前に国民健康保険団体連合会へ出す請求の届出について、省令が定める届出事項、伝送と光ディスク等の請求方法の選び方、変更時と提出時期の確認先を整理するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、国保連合会への請求の届出の準備チェックリストを作成できる状態を目指します。

届出の根拠と、請求に使う2つの方法

介護給付費及び公費負担医療等に関する費用等の請求に関する命令(請求省令)の第2条は、指定居宅サービス事業者が介護給付費を請求するとき、事業所ごとに、電子情報処理組織を使って審査支払機関のファイルに記録するか、光ディスク等を審査支払機関に提出して行うと定めています。審査支払機関は国保連合会のことで、前者がインターネットなどを使う伝送、後者がCD-R等の電子媒体による請求にあたります。

第4条第1項は、この電子情報処理組織または光ディスク等による請求を開始しようとするときは、あらかじめ次の事項を審査支払機関に届け出なければならないとしています。請求事業者の名称と所在地、請求を行う事業所の名称と所在地、介護保険事業所番号、電子情報処理組織と光ディスク等のどちらで請求するか、請求を開始しようとする年月です。

宮城県が掲載している、厚生労働省の事務連絡を引用した説明資料には、請求方法として伝送とCD-R等の電子媒体が示され、ISDN回線による請求は平成30年3月末で廃止されたと書かれています。同じ資料に、平成30年4月以降も書面で請求を行う場合は平成30年3月31日までに免除届出書の提出が必要だったこと、請求方法を変えるときは国保連合会への届出が必要であり、手続きに時間がかかることがあるため早めに行うことも書かれています。

請求省令第4条第1項が定める届出事項
届出事項確認の観点
請求事業者の名称と所在地指定申請で届け出た内容との整合
事業所の名称と所在地指定申請で届け出た内容との整合
介護保険事業所番号事業所に付けられた番号を記載する
電子情報処理組織か光ディスク等かの別伝送とCD-R等のどちらで請求するか
請求を開始しようとする年月請求を開始しようとする月を記載する

「請求及び受領に関する届」の様式と、確認できた提出の流れ

届出の様式名と提出の流れは国保連合会ごとに異なる可能性があり、この記事で本文を確認できたのは石川県国民健康保険団体連合会の令和6年度説明会資料(令和7年3月)の1例です。資料では、「介護給付費等の請求及び受領に関する届」について、新規の事業所には、県から国保連合会に事業所の情報が連携された月に、国保連合会から事業所に届出書が送付され、記入要領に沿って記入して返送するとされています。

様式の見本には、事業所番号、事業所の名称・所在地・郵便番号・電話・FAX、開設者の住所・氏名と押印、振込先の口座(銀行名・支店名・預金の種類・口座番号)の欄があります。他の国保連合会の様式の項目や、提出の時期、押印の要否は、この記事では確認していません。事業所が所在する都道府県の国保連合会のホームページと、指定権者の案内で確認してください。

指定を受けた後、届出書がどのように届くか、事業所の側で何か先に準備するものがあるかは、国保連合会によって違う可能性があります。新規事業所向けの案内があるかどうかは、事業所が所在する国保連合会に問い合わせて確認してください。

伝送と電子媒体の選び方で確認すること

請求省令は伝送と光ディスク等のどちらも認めていますが、どちらが事業所にとって有利かは、この記事で確認した資料からは判断できません。選ぶときは、請求に使うソフトウェアがどの方法に対応しているか、インターネットに接続できるパソコンを請求の担当者が使えるか、期限に間に合わせる作業を毎月どちらの方法で進めるかを事業所で確認します。

宮城県が掲載する資料には、伝送による請求はインターネットが使えるパソコンがあれば利用できると書かれています。伝送や電子媒体による請求が特に困難な事情がある場合の届出の類型も同じ資料に示されていますが、平成30年当時の説明です。新規に開業する事業所が例外に当たるかどうかは、この記事では判断せず、国保連合会に確認する事項とします。

請求方法を後から変えたいときは、変更の届出が要ります。請求省令第4条第2項は、請求事業者の名称・所在地、事業所の名称・所在地、電子情報処理組織か光ディスク等かの別を変更しようとするときは、あらかじめ審査支払機関に届け出るよう求めています。石川県の資料では、名称、所在地、郵便番号、電話・FAXに変更があるときは、国保連合会だけでなく、県または事業所所在市町へも届出が必要とされています。

請求の期限との関係と、開業前の確認順

請求省令第3条第1項は、介護給付費の請求は各月分について翌月10日までに行うと定めています。同条第2項は、伝送による請求は、審査支払機関のファイルに記録された時に到達したものとみなすと定めています。届出から請求の受付が可能になるまでの日数は、この記事では確認できていません。

請求省令第4条第1項は、請求を開始しようとするときにあらかじめ届け出ることを求めています。請求を始める月より前に届出が済んでいる前提で、準備を進めます。

開業前の確認順は、次のとおりです。まず、事業所が所在する国保連合会のホームページで、新規事業所向けの案内と様式の入手方法を確認します。次に、請求方法(伝送か電子媒体か)を、使う請求ソフトの対応と担当者の環境から決めます。

そのうえで、振込先の口座を決め、開設者の名義と届出内容が一致するようにします。届出の後に事業所の名称や所在地を変える場合は、あらかじめ変更の届出をします。

この記事は、請求省令と、国保連合会・厚生労働省の公表資料で確認できた範囲の整理です。個別の事業所の届出が適切か、請求の開始時期をいつにできるかを判断するものではありません。指定申請の全体の順番は訪問介護の開業1年目の手続きと時期で確認できます。

手続きの順番を1枚で確認する

指定申請から指定更新までの手続きと期限を時系列で並べた表は、訪問介護の開業1年目の手続きと期限の順番表にあります。この記事の手続きが全体のどこに入るかを確認できます。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 事業所が所在する都道府県の国保連合会のホームページで、新規事業所向けの案内、届出書の様式、届出書が届く時期と提出方法を確認する
  2. 請求方法(伝送か光ディスク等の電子媒体か)を、使う請求ソフトの対応と、請求担当者が使えるパソコンやインターネットの環境から決める
  3. 請求省令が定める届出事項(請求事業者と事業所の名称・所在地、介護保険事業所番号、請求の方法、請求を開始する年月)を、国保連合会の様式の記入要領に沿って記入し、様式にある振込先の口座などの欄も記入する
  4. 請求を開始する月から逆算して提出日を決め、翌月10日の請求期限に間に合うかを国保連合会に確認する。届出後に名称や所在地、請求方法を変えるときはあらかじめ変更の届出をする

一次資料

制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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