事業計画 / 更新 2026-09-23

訪問介護の「稼働率」の計算式と読み方(指定基準に定義なし)

訪問介護の「稼働率」という言葉は、指定基準や報酬告示に定義がなく、計算の中身が事業所やサイトによって異なります。この記事では、稼働率という言葉が制度上どう位置づけられるか、一般的な計算式と本サイトのシミュレーターの対応、隣接する受入可能件数の記事との役割分担を整理します。

この記事で決めること

「稼働率」という言葉の意味・計算式・制度上の位置づけを確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、稼働率(提供時間比率)の定義を固定した確認シートを作成できる状態を目指します。

「稼働率」は指定基準に定義のない管理指標

訪問介護の人員・設備・運営の基準を定める「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」の条文を確認すると、「稼働」「稼働率」という語自体が使われていません。介護報酬の算定要件や人員基準は、稼働率の水準を満たすことを求めたり、稼働率の計算方法を定めたりしていません。

そのため「稼働率◯%以上でなければならない」という指定基準上の要件は存在せず、稼働率は各事業所が自主的に使う経営管理上の指標です。検索結果や業者サイトで見かける計算式が微妙に異なるのは、公定の定義が無く、それぞれが独自に定義しているためです。

一般的な計算式と、本サイトのシミュレーターでの扱い

稼働率の計算式としてよく使われるのは、「サービス提供時間の合計÷勤務延時間(給与支払の対象になる時間)の合計」という形です。分子はヘルパーが実際に利用者へサービスを提供した時間、分母は給与の支払対象となる時間全体で、提供時間に加えて移動・待機・記録等を含みます。

本サイトのシミュレーターでは、この考え方を「提供時間比率」として実装しています。時給職員ごとに入力した有給時間(paidHours)とうちサービス提供時間(serviceHours)を全職員分合計し、サービス提供時間の合計÷有給時間の合計で算出します(結果欄のproductiveRate)。呼び方は「稼働率」ではなく「提供時間比率」としていますが、計算の考え方は同じです。

分子・分母に何を入れるか(field-capacity記事との役割分担)

移動時間・待機時間・記録時間・研修同行の時間を、給与支払対象の勤務時間(分母)に含めるかどうかは、厚生労働省の通知に基づく労働時間該当性の判断が前提になります。この判断の考え方は、受入可能件数の見直し方(稼働実績から見直す訪問介護の受入可能件数)の「労働時間に含めるかどうかの考え方」で解説しているので、そちらを確認してください。

この記事では「稼働率という言葉の意味と計算式」を扱い、受入可能件数への展開(何件まで新規を受け入れられるか)は受入可能件数の記事が担当します。同じproductiveRateという計算結果を、稼働の実態把握に使うか、受入余力の判断に使うかで役割を分けています。

全国平均・目安について

訪問介護の稼働状況に関する統計として、厚生労働省の「介護事業経営実態調査」「介護事業経営概況調査」が公表されていますが、公開されている調査結果のPDFから稼働率や訪問回数の全国平均値を本文で確認できていません(未確認)。業者サイトなどで「全国平均◯%」という数値を見かけても、この記事では出典原文を確認できるまで掲載しません。

自社の稼働状況を確認するときは、全国平均と比べることよりも、まず自分の事業所の定義(分子・分母に何を含めるか)を固定し、月ごとの推移や職員ごとのばらつきを見ることを優先してください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 分子(サービス提供時間)と分母(勤務延時間)に何を含めるかを決める
  2. 移動・待機・記録時間の労働時間該当性をfield-capacity記事で確認する
  3. 職員別の有給時間とサービス提供時間をシミュレーターへ入力する
  4. 結果欄の提供時間比率(productiveRate)を月ごとに記録して推移を見る

事業計画ツールで確かめる

記事で整理した前提を事業計画ツールへ入力し、基準ケースだけでなく保守ケースの結果も確認します。制度上の適否や請求額を自動判定するものではありません。

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一次資料

制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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