運営 / 更新 2026-10-17

訪問介護の訪問割り当てと移動時間の組み方

訪問介護で誰がどの利用者を担当し、訪問と訪問の間にどれだけ移動の時間を置くかは、基準が型を決めているものではなく、事業所が組み立てる運用です。ただし、割り当てを担う人と見る観点は、運営基準と厚生労働省の通知に手がかりがあります。この記事では、その手がかりと、割り当て表と訪問の間隔の組み方を順に示します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

結論:割り当てはサービス提供責任者の業務、移動は訪問の間に見込む

運営基準の第28条第3項は、サービス提供責任者の業務として、利用の申込みに係る調整、訪問介護員等への具体的な援助目標と援助内容の指示、業務の実施状況の把握、訪問介護員等の能力や希望を踏まえた業務管理を挙げています。誰を担当にするかを決める割り当ては、この業務の中で行うものと整理できます。

割り当てに使う材料は、利用者側の条件(必要な資格、曜日と時間帯、希望)と、ヘルパー側の条件(資格、働ける曜日と時間帯、担当できる地域)の2つです。訪問の間隔は、事業所から利用者宅、利用者宅から次の利用者宅への移動に通常要する時間を見込んで置きます。

この記事で決めること

訪問介護の事業者やサービス提供責任者が、ヘルパーへの訪問の割り当てと訪問の間隔の組み方を、基準上の位置づけと移動時間の扱いに照らして決める。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、利用者ごとの担当ヘルパーと予備の担当を書いた割り当て表と、訪問の間隔を決めるときの確認項目表を作成できる状態を目指します。

割り当て表に並べる項目:利用者の条件とヘルパーの条件を照らす

次の表は、割り当て表に並べる項目の例です。項目は基準が決めた様式ではなく、事業所が決める運用の例です。

割り当て表の項目の例(運用の例。基準が定める様式ではない)
側並べる項目ここで確かめること
利用者必要なサービスの種類(身体介護か生活援助か)担当するヘルパーが、そのサービスを行える資格を持っているか
利用者訪問する曜日と時間帯ヘルパーの働ける曜日と時間帯に収まるか
利用者希望(担当の性別、慣れた担当の継続など)訪問介護計画と意向の把握の記録に沿っているか
ヘルパー持っている資格身体介護を担当できる範囲か。範囲は資格の記事で確かめる
ヘルパー働ける曜日と時間帯、担当できる地域移動の負担が大きくならない範囲か
両方主の担当と予備の担当休みや欠員のとき、別の人で訪問を保てるか

訪問の間隔:移動の時間を見込んで置く

訪問と訪問の間には、利用者宅から次の利用者宅への移動が入ります。移動は、訪問介護の報酬が算定される提供の時間には含まれず、報酬は訪問ごとに決まる単位で出ます。そのため、移動が長い組み方ほど、同じ勤務時間で行える訪問が減ります。

通常の事業の実施地域を決めるときの移動の見方は、訪問介護の通常の事業の実施地域の決め方と地域外の利用者への対応で整理しています。

厚生労働省の通知は、事業場から利用者宅への移動や利用者宅間の移動に通常要する時間程度であれば、使用者がその移動を命じ自由利用が保障されていない限り、労働時間に当たるとしています。訪問の間隔に置いた移動の時間は、賃金の対象になるかを別に確かめます。確認の順は雇用・勤怠と訪問介護の移動時間にあります。

訪問と訪問の間に長い空き時間ができるときは、その時間が休憩として扱えるか、待機として扱われるかも分かれます。訪問介護員の休憩時間:6時間超45分・8時間超1時間と、待機が休憩にならない場合で確かめてください。

組んだあとの見直し:実績を記録して稼働率の見方で確かめる

割り当てと訪問の間隔は、一度決めて終わりではありません。運営基準の第28条第3項は、サービス提供責任者に業務の実施状況の把握も求めています。移動にかかった時間、訪問のあいだの空き、予定どおりに訪問できたかを記録し、月ごとに割り当てを見直します。

有給の時間のうち、サービス提供に当てた時間の割合は、訪問介護の「稼働率」の計算式と平均:指定基準に定義なし、公的な平均値もなしの見方で出せます。移動を減らして同じ時間で訪問を増やせたかは、その数字の動きで確かめます。稼働率に公的な平均値はないため、他の事業所との比較ではなく、自事業所の月ごとの変化で見ます。

この記事は、個別の事業所の割り当てや移動時間の扱いが適切かを判断するものではありません。労働時間と賃金の扱いは、労働基準監督署や社会保険労務士へ確認してください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 利用者ごとに、必要な資格(身体介護か生活援助か)、訪問する曜日と時間帯、利用者の希望を一覧にする
  2. ヘルパーごとに、持っている資格、働ける曜日と時間帯、担当できる地域を一覧にして、利用者の条件と照らす
  3. 主の担当と予備の担当を利用者ごとに決め、訪問の間隔は、事業所から利用者宅、利用者宅から次の利用者宅までの移動に通常要する時間を見込んで置く
  4. 移動の時間と待機の時間は実績を記録し、労働時間の扱いは雇用・勤怠の記事で確かめ、稼働率の記事の見方で月ごとに見直す

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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