運営 / 更新 2026-10-10

計画と実際の訪問時間がずれた日の訪問介護の算定と記録:短く終わった日・延びた日

訪問介護で予定より早く終わった日や、予定を超えて延びた日に、算定する時間区分は何で決まるのか。留意事項通知(老企第36号)の「訪問介護の所要時間」の項は、実際に行われた時間ではなく、訪問介護計画に位置付けられた内容を行うのに要する標準的な時間で決めると定めています。一方、実際の時間のずれを提供の記録にどう書くか、ずれが続くときの計画の見直しは、基準第19条と第24条で確認できます。この記事は、通知と基準に書かれている範囲と、事業所が運用で決める範囲を分けて整理します。確認日は2026年10月10日です。

この記事で決めること

訪問介護で予定より短く終わった日や延びた日に、算定する時間区分を何で決めるか、提供の記録に何を残すか、ずれが続くときに訪問介護計画をどう扱うかを、留意事項通知と基準で確認できる範囲に分けて確認できるようにするための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、所要時間のずれ対応メモ(計画上の標準時間・実際の時間・算定区分・ずれの理由・計画変更の要否)を作成できる状態を目指します。

結論:算定は計画上の標準的な時間、実際の時間は記録で残す

留意事項通知の⑷①は、訪問介護の所要時間を「実際に行われた指定訪問介護の時間ではなく、訪問介護計画において位置付けられた内容の指定訪問介護を行うのに要する標準的な時間」とすると定めています。⑷②は、報酬はこの標準的な時間がどの時間区分に当たるかで決まるとしています。

このため、10分早く終わった日も、10分延びた日も、計画の内容が同じなら、算定する時間区分が自動的に変わるわけではありません。ただし、通知は、時間区分を決める元になる標準的な時間を、訪問介護計画の作成時に硬直的な運用にならないよう設定するものとしています。ずれが一時的なものか、続くものかで、確認する先が変わります。

短く終わった日・延びた日の確認表

次の表は、ずれの種類ごとに、確認できること、記録に残すこと、通知・基準で確認できない点を並べたものです。表の「記録に残すこと」の項目は、基準が個別の項目を指定しているわけではなく、事業所の運用の例です。

計画時間と実際の時間がずれた日の確認表(留意事項通知2(4)・基準第19条・第24条。2026年10月10日確認)
場面算定区分の考え方記録に残すこと(運用の例)通知・基準で確認できない点
予定より短く終わった日(計画の内容は行った)算定は、計画に位置付けた内容を行うのに要する標準的な時間の区分で決まる。実際に短かったことだけで区分は決まらない実際の開始・終了時刻、行った内容、短くなった理由計画の内容を一部行わなかった場合に、区分をどう扱うか
予定より延びた日(計画の内容を行った)延びた分だけで上の区分に変わるのではなく、計画上の標準的な時間の区分で決まる実際の開始・終了時刻、延びた理由(体調の変化、手順の変更など)計画にない内容が加わった場合の算定。計画の変更で対応するか、指定権者に確認する
同じ向きのずれが続く標準的な時間の設定が実態に合っているかを見直す。サービス提供責任者が実施状況を把握し、必要に応じて訪問介護計画を変更する(基準第24条第5項)ずれの回数と理由、変更の要否を判断した日と内容何回続いたら変更するかの回数基準
計画の内容が、単なる安否確認や健康チェックと若干の介護通知⑷⑤は、訪問介護費は算定できないとしている計画に位置付けた目的と、実際に行った内容個別の訪問が該当するかの判断

記録と計画変更で確認できること

基準第19条は、提供した際に、提供日および内容、利用者に代わって受ける居宅介護サービス費の額などを記載し、提供した具体的なサービスの内容を記録するとともに、利用者の申出があれば情報を提供することを求めています。実際の開始・終了時刻の欄を設けるかは条文に書かれていないため、事業所の様式として決めることになります。

基準第24条第5項は、サービス提供責任者が訪問介護計画の作成後に実施状況を把握し、必要に応じて計画を変更するとしています。第6項により、変更でも、内容の説明と利用者の同意、交付の手順(第1項から第4項)を準用します。ずれが続くときは、現場の訪問介護員の判断だけで時間を変えず、サービス提供責任者が計画を変更し、同意を得る流れになります。

記録の項目は訪問介護のサービスの提供の記録と身分を証する書類の携行で確認できます。

確認できていないこと:指定権者に確認する点

確認した通知と基準には、計画時間を超えて延びた分を別に請求できるか、計画の内容を一部行わなかった日の区分をどうするか、ずれの許容幅を何分とするか、を直接定めた記載は見つかっていません。このため、この記事はこれらについて「算定できる」「できない」とは書きません。

判断に迷う個別の事例は、事業所の所在地の指定権者に確認し、回答日と内容を記録してから請求します。確認した結果を、次の訪問介護計画の標準的な時間の設定に反映しておくと、同じ迷いを繰り返しにくくなります。

この記事で扱わないこと

前回の訪問からおおむね2時間未満で再訪問したときの所要時間の合算は、訪問介護の訪問間隔が2時間未満のときの所要時間の合算と例外(20分未満の頻回訪問)で整理しています。緊急時訪問介護加算の要件も、この記事では扱いません。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 訪問介護計画に書いてある内容ごとの標準的な所要時間と、そこから算定する時間区分を一覧にして、サービス提供責任者と訪問介護員で共有する
  2. 予定より短く終わった日・延びた日は、実際の開始・終了時刻と、ずれた理由(利用者の状態、手順の変更など)を提供の記録に残す
  3. 同じ向きのずれが続く利用者は、サービス提供責任者が実施状況を把握し、訪問介護計画の変更の要否を判断して、変更するときは利用者の同意を得て居宅介護支援事業所に連絡する
  4. 計画の標準時間を超えた分の扱いで迷う場合は、事業所の所在地の指定権者に確認した回答日と内容を記録してから請求する

一次資料

制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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