運営 / 更新 2026-10-02

訪問介護のサービスの提供の記録(基準第19条)と身分を証する書類の携行(第18条)

訪問介護を提供するたびに、事業者は記録を2種類つくります。1つは提供日・内容・保険給付の額を居宅サービス計画の書面などへ書く記録、もう1つは提供した具体的なサービスの内容等の記録です。あわせて、訪問介護員には身分を証する書類を持たせます。この記事は、省令第37号の第18条・第19条と、老企第25号の該当箇所から、何を・どこに・誰に向けて記録するかを整理します。保存期間は別の記事で確認します。

この記事で決めること

訪問介護を提供するたびに、何をどこへ記録し、利用者の求めにどう応じるか(提供日・内容・保険給付の額の記載先、利用者への情報提供、身分を証する書類の携行と提示)を、運営基準第18条・第19条から確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、サービス提供の記録と身分証の運用確認表を作成できる状態を目指します。

条文が求める2種類の記録(第19条第1項・第2項)

指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(省令第37号)第19条第1項は、指定訪問介護を提供した際に、提供日および内容、利用者に代わって支払を受ける居宅介護サービス費の額、その他必要な事項を、利用者の居宅サービス計画を記載した書面またはこれに準ずる書面に記載しなければならないと定めています。

第2項は、提供した具体的なサービスの内容等を記録するとともに、利用者からの申出があった場合には、文書の交付その他適切な方法により、その情報を利用者に対して提供しなければならないと定めています。1項は計画書面への記載、2項は事業所としての記録と利用者への情報提供で、役割が異なります。

居宅サービス計画の書面へ書く3点

老企第25号の掲載版は、第19条第1項の趣旨を、利用者とサービス事業者がその時点での支給限度額の残額やサービスの利用状況を把握できるようにするためと説明しています。記載する事項は、提供日、内容(例として身体介護と家事援助の別)、保険給付の額その他必要な事項で、記載先は居宅サービス計画の書面またはサービス利用票等とされています。

保険給付の額を書くのは、残額を利用者とケアマネジャーが把握するためです。区分支給限度基準額の考え方は訪問介護の区分支給限度基準額と利用者負担割合で、計画書面をつくるケアマネジャーとのやり取りはケアマネ連携と月次報告で確認できます。

第19条第1項で書く事項(省令第37号と老企第25号)
事項条文・通知の説明記載先
提供日提供した日居宅サービス計画の書面またはサービス利用票等
内容例として身体介護と家事援助の別同上
保険給付の額利用者に代わって支払を受ける居宅介護サービス費の額同上

利用者から求められたときの情報提供(第2項)

第2項の情報提供は、利用者の申出があって初めて必要になる義務です。条文は方法を「文書の交付その他適切な方法」としか定めておらず、様式や交付の期限までは書かれていません。老企第25号には第2項に関する解釈の記述が見当たらないため、この記事は具体的な方法を示しません。

事業所では、申出を受けたときの窓口、交付する記録の範囲、交付の記録の残し方を決めておきます。個別の取扱いは指定権者の条例・要綱で異なる場合があり、運営指導で確認される書類との関係は運営指導で確認される記録・書類で整理しています。

身分を証する書類の携行(第18条)

第18条は、訪問介護員等に身分を証する書類を携行させ、初回訪問時および利用者またはその家族から求められたときに、これを提示すべき旨を指導しなければならないと定めています。携行させること自体と、提示するよう指導することの2つが事業者の義務です。

老企第25号の掲載版は、証書や名札等を携行させるものとし、記載する事項として事業所の名称と訪問介護員の氏名を挙げ、写真の貼付や職能の記載を行うことが望ましいとしています。写真と職能は「望ましい」にとどまり、条文上の必須事項ではありません。

事業所での運用と指定権者への確認

運用では、提供の記録を誰がいつ書くか、計画書面への記載は誰が確認するかを分けて決めます。月末に記載漏れを点検し、保存の起点となる完結の日を記録ごとに残す流れにすると、訪問介護の記録の保存義務・保存期間の運用につながります。

記載先となる書面の様式、記録の電子化の可否、利用者への交付の方法は、指定権者や保険者が独自に定めている場合があります。全国共通の義務は上記の条文と通知までで、個別の運用は指定権者へ確認してください。この記事は、記録の適否や指定の可否を判断するものではありません。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 提供のたびに、提供日・内容(身体介護と生活援助の別など)・保険給付の額を、居宅サービス計画の書面またはサービス利用票等のどれに書くかを、利用者ごとに決めて一覧にする
  2. 提供した具体的なサービスの内容の記録様式を決め、利用者から申出があったときに文書の交付などで情報を提供する手順と、担当者・期限を運営規程や社内手順に書く
  3. 身分を証する書類に、事業所の名称と訪問介護員の氏名を載せ、初回訪問時と求められたときに提示するよう指導する手順を、研修の資料に入れる
  4. 月末に記録の記載漏れと書面の不一致を点検し、保存期間や運営指導で求められる書類の範囲は指定権者に確認して、保存台帳へつなげる

一次資料

制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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