運営 / 更新 2026-10-27
訪問介護の領収証の「医療費控除の対象となる金額」欄に書く額
訪問介護事業所が領収証の「うち医療費控除の対象となる金額」欄に書く額は、様式例の注で、利用者負担額(保険対象分)のうち、生活援助中心型を除くサービスの利用者負担額の合計とされています。国税庁が掲載する厚生労働省通知の様式例の注と、国税庁のタックスアンサーNo.1127を原文で確かめ、欄に書く額の決め方と、様式例に書かれていない点を分けて整理します。
結論:控除欄には、保険対象分の利用者負担額から生活援助中心型を除いた合計を書く
様式例の注3は、訪問介護事業者の「うち医療費控除の対象となる金額」欄には、利用者負担額(保険対象分)のうち、生活援助中心型に係る訪問介護以外のサービスに係る利用者負担額(保険対象分)の合計額を記載するとしています。
たとえば、身体介護の利用者負担額が月に3,000円、生活援助中心型が2,000円なら、この注の読み方では控除欄の候補は3,000円です。金額は説明のための例で、医療系サービスとの併用の有無は考えに入れていません。実際の額は利用者ごとの請求で確かめます。
| 利用者負担額の区分 | 控除欄の合計に入れるか |
|---|---|
| 身体介護など、生活援助中心型以外の訪問介護(保険対象分) | 入れる |
| 生活援助中心型の訪問介護(保険対象分) | 入れない |
| 保険給付の対象外の費用(その他費用の欄に書くもの) | 注3は触れていない。様式例では別の欄 |
この記事で決めること
訪問介護事業所の運営者・サービス提供責任者が、領収証の「うち医療費控除の対象となる金額」欄に何の額を書くかを、国税庁が掲載する厚生労働省通知の様式例の注で確かめるための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、領収証の控除対象欄の記入確認表(利用者ごとの保険対象分の利用者負担額、うち生活援助中心型の額、控除対象欄に書く額、医療系サービスの併用の確認結果、税務署へ案内した範囲)を作成できる状態を目指します。
様式例で決まっていること:欄の位置と、様式によらない場合の最低限の記載
様式例には、「領収額」の下に「うち医療費控除の対象となる金額」の欄があります。注1は、この様式例によらない領収証でも、居宅サービス計画を作成した居宅介護支援事業者名と、医療費控除の対象となる金額が書かれていれば差し支えないとしています。
利用者が自分で居宅サービス計画を作成して市町村に届け出ている場合は、居宅介護支援事業者名の代わりに市町村名を書くとされています。区分支給限度基準額または種類支給限度基準額を超える部分の金額は、「その他費用(保険給付対象外サービス)」の欄に書くと、注2に書かれています。
注5は、医療費控除を受けるときは、この領収証を確定申告書に添付するか、確定申告の際に提示するとしています。
同じ事業所が医療系サービスも提供する場合は、その利用料も併せて書く
注4は、領収証を発行する事業者が訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所リハビリテーション、短期入所療養介護を提供している場合は、これらの利用料についても併せて記入するとしています。訪問介護だけを行う事業所には当たりません。
様式例の注に書かれていないこと:医療系サービスとの併用、喀痰吸引等
国税庁のタックスアンサーNo.1127は、訪問介護(生活援助中心型を除く)の自己負担額が医療費控除の対象になるのは、訪問看護などの医療系サービスと併せて利用する場合に限る、と案内しています。同じ案内には、喀痰吸引等の対価を扱う注もあります。
一方、様式例の注3は、控除欄に書く額を生活援助中心型かどうかで分けており、医療系サービスと併せて利用しているかどうかは書いていません。併用がない利用者の控除欄をどう書くかは、この資料からは決められません。この点は、この記事の確認の範囲では分からないため、指定権者や税務署に確認してください。
身体介護と医療系サービスの併用条件の詳細は、訪問介護の利用料と医療費控除で整理しています。領収証の交付義務と費用の区分記載は、訪問介護の利用料の領収証にあります。
この記事で確認した範囲
この記事は、国税庁が掲載する厚生労働省通知の様式例(個人課税課情報 平成16年1月16日第1号に添付)の注と、国税庁タックスアンサーNo.1127の本文を読んで書いています。様式例は、平成16年1月16日付の国税庁の情報に添付されているPDFです。PDFの改訂時期は原文から確認できず、最新の様式かどうかは確認していません。
個々の利用者が医療費控除を受けられるかの判断や、確定申告の方法は扱いません。尋ねられたときは、税務署へ確認するよう案内してください。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 利用者ごとに、その月の保険対象分の利用者負担額を、身体介護など生活援助中心型以外の分と生活援助中心型の分に分けて書き出す
- 生活援助中心型以外の分の合計を、領収証の「うち医療費控除の対象となる金額」欄に書く額の候補とする
- 医療系サービスとの併用の有無は、サービス提供票で確かめて記録し、控除欄の書き方に影響するかは指定権者や税務署に確認する
- 利用者や家族から控除の可否を尋ねられたときは、個別の判断は税務署へ確認するよう案内し、案内した日を記録する
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 国税庁「タックスアンサーNo.1127 医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービス等の対価(令和8年4月1日現在法令等)」(表の②(訪問介護(生活援助中心型を除く)は医療系サービスと併せて利用する場合のみ対象)と③(訪問介護(生活援助中心型)は対象外)、「併せて利用した場合」の注、領収証の記載の案内)(確認日 2026-10-11)
- 国税庁「医療費控除の対象となる在宅療養の介護費用の証明について(情報)(個人課税課情報 平成16年1月16日第1号)の様式例「居宅サービス利用料領収証」」(様式例(注)1・3・4・5)(確認日 2026-10-27)