運営 / 更新 2026-11-05
短期入所生活介護の取扱方針:第128条の7項・概ね4日以上の計画・身体的拘束等の適正化
短期入所生活介護の取扱方針は、指定基準の第128条1か条に7つの項でまとまっています。日常生活に必要な援助を妥当適切に行うこと、相当期間以上の利用者には計画に基づいて漫然かつ画一的にならないよう配慮すること、身体的拘束等の原則禁止と記録、適正化のための3つの措置、質の評価と改善が並びます。通知は「相当期間以上」を概ね4日以上の連続利用と示しています。
第128条の7つの項:1か条に取扱方針がまとまっている
指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)の第128条は、指定短期入所生活介護の取扱方針です。e-Gov法令検索で、2026年11月5日に原文を確認しました。通所介護や訪問入浴介護のように基本取扱方針と具体的取扱方針の2か条に分かれておらず、1か条に7つの項が置かれています。
表の右の列は、事業所が用意する書類の例で、条文が求めるものではありません。第5項の身体的拘束等の記録のように、条文が記録を直接求めている行は、その旨を書いています。
| 項 | 内容 | 事業所が用意する書類の例(条文が求めるものではない) |
|---|---|---|
| 第1項 | 要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、認知症の状況等利用者の心身の状況を踏まえて、日常生活に必要な援助を妥当適切に行う | 利用者の心身の状況の把握の記録 |
| 第2項 | 相当期間以上にわたり継続して入所する利用者には、短期入所生活介護計画に基づき、漫然かつ画一的なものとならないよう配慮して行う | 短期入所生活介護計画 |
| 第3項 | 従業者は懇切丁寧を旨とし、利用者又は家族に、サービスの提供方法等を理解しやすいように説明する | 説明した内容の記録 |
| 第4項 | 利用者又は他の利用者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行わない | 職員への周知の記録 |
| 第5項 | 身体的拘束等を行う場合は、態様及び時間、その際の利用者の心身の状況、緊急やむを得ない理由を記録する(条文が記録を直接求める) | 身体的拘束等の記録 |
| 第6項 | 身体的拘束等の適正化のため、委員会を3月に1回以上開催して結果を周知し、指針を整備し、研修を定期的に実施する(条文が3つの措置を直接求める) | 委員会の記録、指針、研修の記録 |
| 第7項 | 自らその提供するサービスの質の評価を行い、常にその改善を図る | 評価した内容と改善した内容の記録 |
この記事で決めること
短期入所生活介護事業所の管理者が、基準第128条の7項、相当期間以上の利用者の計画に基づく提供と通知の概ね4日以上の目安、サービスの提供方法等の説明の範囲、身体的拘束等の記録と適正化の3つの措置を確かめ、取扱方針の点検表を作るための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、短期入所生活介護の取扱方針の点検表(1枚):第128条の第1項から第7項までを行に並べ、項ごとに対応する書類(短期入所生活介護計画、説明の記録、身体的拘束等の記録、委員会の記録、指針、研修の記録)と、最後に見直した日を書き込む表を作成できる状態を目指します。
第2項と通知:「相当期間以上」は概ね4日以上の連続利用
第2項は、相当期間以上にわたり継続して入所する利用者について、短期入所生活介護計画に基づいて行い、漫然かつ画一的なものとならないよう配慮することを求めています。計画の作成そのものは次の第129条に定めがあり、この記事では扱いません。
老企第25号(厚生労働省の解釈通知)の指定短期入所生活介護の取扱方針の項は、第128条第2項の「相当期間以上」を、概ね4日以上連続して利用する場合を指すとしています。4日未満の利用者でも、担当する居宅介護支援事業者等と連携するなどして、利用者の心身の状況等を踏まえ、計画を作成した利用者に準じて、必要な介護及び機能訓練等の援助を行うものとされています。
つまり、4日未満の利用なら計画が要らないと読むことはできません。計画の作成を求める根拠の側は、第129条と通知で確かめる必要があります。
第3項と通知:説明するのは計画の目標・内容と行事・日課まで
第3項は、従業者が利用者又は家族に、サービスの提供方法等を理解しやすいように説明することを定めています。通知は、ここでいうサービスの提供方法等に、短期入所生活介護計画の目標及び内容と、利用期間内の行事及び日課等も含まれるとしています。
入所の初日に、介護の方法だけでなく、利用期間中の日課と行事の予定まで説明する必要があると読めます。説明した日と相手、内容を残す様式は条文にないので、事業所で決めておく必要があります。
第4項から第6項:身体的拘束等の原則禁止・記録・適正化の3つの措置
第4項は、緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならないと定めています。第5項は、行う場合に、態様及び時間、その際の利用者の心身の状況、緊急やむを得ない理由を記録することを定めています。通知も、緊急やむを得ず身体拘束等を行う場合に、この3つを記録しなければならないとしています。
第6項は、身体的拘束等の適正化を図るため、次の3つの措置を講じなければならないと定めています。1つ目は、適正化のための対策を検討する委員会を3月に1回以上開催し、その結果を介護職員その他の従業者に周知徹底することです。委員会は、テレビ電話装置等を活用して行うことができるとされています。
2つ目は、適正化のための指針を整備すること、3つ目は、従業者に適正化のための研修を定期的に実施することです。厚生労働省が掲載している通知の版は、第128条の第2項から第4項に当たる留意点を示す内容で、第6項の措置に触れていません。第6項は条文の原文で確かめてください。
訪問介護の同じ規定は訪問介護の身体的拘束等:原則禁止と緊急時の記録で整理しています。
第7項の質の評価と、この記事で確認した範囲
第7項は、事業者が自らその提供する指定短期入所生活介護の質の評価を行い、常にその改善を図らなければならないと定めています。評価の方法や頻度、様式は条文に書かれていないので、評価をした事実と改善した内容を残す方法は、事業所で決めておく必要があります。
2026年11月5日に、e-Gov法令検索で第128条の原文を、厚生労働省が掲載する老企第25号の指定短期入所生活介護の取扱方針の項で、3点の留意点を確認しました。通知の版は旧い改正までの内容の可能性があるので、最新の運用は指定権者の案内でも確かめてください。
次に知りたいこと:指定基準・記録・運営指導・単位数
利用定員、介護職員と看護職員の員数、設備は短期入所生活介護の指定基準で整理しています。記録の保存は短期入所生活介護の記録の整備:6種類・保存2年にあります。
運営指導で確認される書類は短期入所生活介護の運営指導で確認される書類、報酬は短期入所生活介護費の単位数で確認できます。連続して利用できる日数の考え方はショートステイの利用日数の目安にあります。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- e-Gov法令検索で指定基準の第128条を開き、第1項から第7項までを表の行として書き写す
- 行ごとに、その項を守っていることを示す書類の名前と保管場所を書き、概ね4日以上連続して利用する人の短期入所生活介護計画がそろっているかを利用者ごとに確かめる
- 利用者と家族への説明に、計画の目標及び内容と、利用期間内の行事及び日課まで含めているかを見て、説明した日と内容を残す様式を用意する
- 身体的拘束等の記録の3つの事項、適正化の委員会(3月に1回以上)・指針・研修の3つの措置の書類を確かめ、書類のない行を洗い出して見直す日を決める
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について(平成11年9月17日老企第25号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)」(第三 訪問介護に関する基準)(確認日 2026-10-04)
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(第120条 基本方針、第121条 従業者の員数、第122条 管理者、第123条 利用定員等、第124条 設備及び備品等)、介護保険法第41条第1項」(基準第120条〜第124条(短期入所生活介護)、法第41条第1項)(確認日 2026-10-20)