参入判断 / 更新 2026-10-14

訪問介護の開業時の備品の経費化:少額減価償却資産の特例(40万円未満)

訪問介護を法人で開業すると、パソコン、タブレット、記録ソフト、机などをまとめて買います。取得価額が40万円未満のものは、中小企業者等なら、買った年度に全額を損金にできる特例があります。このページは、国税庁の資料で、対象、年300万円の上限、手続、令和8年4月からの変更を整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

訪問介護を法人で開業する人が、パソコン、タブレット、記録ソフトなどの開業時の購入を、取得した年度に損金にできる少額減価償却資産の特例の対象、上限、手続、令和8年改正での変更を、国税庁の資料で確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、開業時の購入品リスト(品名、取得価額、事業に使い始めた日、特例の対象かどうかの確認欄)を作成できる状態を目指します。

特例の内容:40万円未満の資産を、取得した年度の損金にできる

国税庁のタックスアンサーNo.5408によると、中小企業者等が、取得価額40万円未満の減価償却資産を、平成18年4月1日から令和11年3月31日までの間に取得して事業に使い始めた場合、取得価額に相当する額を損金にできます。通常の減価償却は何年かに分けて費用にしますが、この特例では取得した年度にまとめて費用にできます。

令和8年度の改正で、令和8年4月1日以後に取得した資産から、基準が30万円未満から40万円未満に引き上げられました。従業員数の基準も、500人以下から400人以下に変わっています。

対象になる法人と、年300万円の上限

対象は、青色申告書を提出する中小企業者等で、常時使用する従業員の数が400人以下の法人です。中小企業者は、基本的に資本金1億円以下の法人を指します。通算法人は対象から除かれ、特定法人は従業員数の基準が300人以下です。

1事業年度に特例で損金にできる取得価額の合計は300万円までです。事業年度が1年に満たない場合は、300万円を12で割り、事業年度の月数を掛けた額が上限になります。月数は暦に従って数え、1か月に満たない端数は1か月とします。

訪問介護の開業時の購入品に当てはめる

タックスアンサーによると、特例は器具備品や機械装置などの有形のものに加えて、ソフトウエアなどの無形のものにも使えます。中古の資産や、所有権移転外リース取引で賃借人が取得したとされる資産も対象です。

訪問介護の事業所なら、事務所のパソコン、職員が訪問記録に使うタブレット、記録や請求のソフト、机やキャビネットなどが、1品ごとに40万円未満かどうかの検討対象になります。1品ずつの取得価額で判断するので、合計が40万円を超えても、1品が40万円未満なら対象になり得ます。

業務用の車両も、取得価額が40万円未満なら対象に入り得ます。取得価額に含める費用の範囲は、購入の内容によって違うので、税理士に確認してください。

手続と、使えない場合

特例を使うには、事業に使い始めた事業年度に、取得価額に相当する額を損金経理し、確定申告書に少額減価償却資産の取得価額に関する明細書(別表16(7))を添付します。

タックスアンサーによると、租税特別措置法上の特別償却、税額控除、圧縮記帳とは重複して使えません。取得価額が10万円未満のものや、一括償却資産の制度を使うものにも、この特例は使えません。貸付けの用に供した資産も、主要な事業として行うものを除き、対象から外れます。

開業の収支計画との関係

損金にできる時期が早まっても、買った金額が減るわけではありません。資金繰りでは、購入代金は買った月に出ていきます。

開業時に必要な費用の項目は「訪問介護の開業費用」で、資金繰りの見方は「訪問介護の資金繰り」で整理しています。

このページの範囲

このページが確認したのは、国税庁タックスアンサーNo.5408(令和8年4月1日現在法令等)です。個別の購入品が対象になるか、法人税がいくら変わるかは判断しません。

個人事業主として開業する場合の所得税の扱いも、このページでは扱いません。購入の前に、顧問税理士へ確認してください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 開業時に買う予定のパソコン、タブレット、スマートフォン、記録ソフト、机、キャビネットなどを品名ごとに書き出し、1品ごとの取得価額を記録する
  2. 法人が青色申告書を提出する中小企業者等で、従業員が400人以下であることと、取得日が令和8年4月1日以後であることを確認する
  3. 1品が40万円未満のものを数え、事業年度の合計が300万円以内か、1年未満の事業年度は月割りの上限に収まるかを計算する
  4. 対象にする購入品は、決算で損金経理することと、確定申告書へ明細書を添付することを、顧問税理士と事前に確認する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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