運営 / 更新 2026-10-13

訪問介護の利用者負担の軽減制度:減額認定証(0%)と社会福祉法人等の軽減(1/4)

利用者から「減額認定証」や、市町村が交付した軽減の確認証を示されたときは、通常の負担割合ではなく、証に書かれた軽減の程度で利用者負担を計算します。国の通知には、訪問介護が対象になる軽減制度が複数あり、この記事は別添1と別添2の2つを扱い、離島や中山間地域の加算に係る軽減(別添3・別添4)は扱いません。以下は、厚生労働省の通知(老発第474号、令和3年3月30日付の改正後全文)を2026-10-13に確認し、対象者、軽減の程度、事業所側の手続きを整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

訪問介護事業所の事業者が、利用者から減額認定証や軽減の確認証を示されたときに備え、国の通知(老発第474号)の別添1・別添2の利用者負担軽減制度(障害者ホームヘルプ利用者への支援措置、社会福祉法人等による軽減)の対象者、軽減の程度、実施主体と事業所側の手続きを確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、利用者負担の軽減証の確認メモ(証の種類・提示を受けた日・有効期間・軽減の程度・請求前の確認先)を作成できる状態を目指します。

別添1と別添2の軽減制度の違い

ひとつは、障害者ホームヘルプサービスを使っていた人が65歳になって介護保険に移ったときなどの支援措置です。もうひとつは、社会福祉法人等が低所得で生計が困難な人の利用者負担を軽減する制度です。どちらも実施主体は市町村で、利用者が持つ証の内容に従って事業所が負担を計算します。

どちらの制度でも、軽減の対象になるかは市町村が決め、証を交付します。事業所が利用者の所得などを自分で判定する制度ではありません。

2つの軽減制度の比べ方(通知の別添1・別添2より)
項目障害者ホームヘルプ利用者への支援措置(別添1)社会福祉法人等による軽減(別添2)
対象者障害者施策のホームヘルプで境界層該当として定率負担額が0円だった人のうち、65歳到達で介護保険の対象になった人、または特定疾病により要介護・要支援になった40〜64歳の人市町村民税世帯非課税で、年間収入・預貯金等・資産・扶養・保険料滞納の5要件を満たし、生計が困難と市町村が認めた人、および生活保護受給者
軽減の程度軽減後の利用者負担割合は0%(全額免除)原則として利用者負担の1/4(老齢福祉年金受給者は1/2)。免除は行わない。市町村が個別に決める
事業所が見る書類訪問介護等利用者負担額減額認定証市町村が交付する確認証
事業所側の前提認定証を提示された事業所が軽減する軽減を行う社会福祉法人等が、あらかじめ都道府県知事と保険者の市町村長へ申し出る

障害者ホームヘルプ利用者への支援措置(減額認定証)

通知の別添1は、障害者施策のホームヘルプサービスで、境界層該当として定率負担額が0円になっていた人を対象にしています。平成18年4月1日以降に、65歳に到達して介護保険の対象になった人(到達前のおおむね1年間に、居宅介護の身体介護と家事援助を使っていた人)か、特定疾病が原因で要介護・要支援になった40歳から64歳の人が当てはまります。

市町村は、原則として対象者に減額認定証を発行します。利用者がこれを事業所に提示すると利用者負担が軽減され、軽減後の利用者負担割合は0%(全額免除)です。

対象者の所得状況の確認は毎年8月に行われ、いったん対象外になった人は、翌年度以降も対象になりません。証の有効期間は台帳に書いておき、更新の有無を市町村に確認します。

社会福祉法人等による軽減(確認証)

通知の別添2は、介護保険サービスを提供する社会福祉法人等が、低所得で生計が困難な人の利用者負担を軽減する制度を定めています。軽減の対象になる費用の先頭に、訪問介護が挙がっています。

対象者は、市町村民税世帯非課税で、次の5つを全て満たす人のうち、生計が困難と市町村が認めた人と、生活保護受給者です。年間収入が単身世帯で150万円(世帯員が1人増えるごとに50万円を加算)以下、預貯金等が単身世帯で350万円(世帯員が1人増えるごとに100万円を加算)以下、日常生活に供する資産以外に活用できる資産がないこと、負担能力のある親族等に扶養されていないこと、介護保険料を滞納していないことです。

軽減の程度は、利用者負担の1/4(老齢福祉年金受給者は1/2)が原則で、免除はしません。市町村が申請者の収入や世帯の状況を見て個別に決め、確認証に書きます。生活保護受給者は、利用者負担の全額が対象です。

軽減を行おうとする社会福祉法人等は、事業所のある都道府県知事と保険者の市町村長に、その旨を申し出ます。申出をした法人は、確認証を提示した利用者について、確認証の内容どおりに利用料を軽減します。

軽減した分の負担と、営利法人の場合

通知は、この制度が事業主体に負担を求めるものであることから、市町村または社会福祉法人が実施することが基本だとしています。市町村の中に介護保険サービスを提供する社会福祉法人がない地域などでは、その市町村の判断で、社会福祉事業を経営するほかの事業主体が実施する場合もあり、その場合は都道府県と協議するとされています。

軽減した分は、まず法人が負担します。市町村の助成は、軽減した総額のうち、法人が本来受け取るべき利用者負担収入(軽減の対象になるものに限る)のおおむね1%を超えた部分を対象に、その1/2を基本として、それ以下の範囲で行えるとされています。助成があるのは助成措置を設けた市町村を保険者とする分に限られるため、助成の有無は市町村によって違います。

営利法人の事業所が、この制度の実施主体になれるかは、通知のこの部分だけでは判断できません。開業を考える段階で気になる場合は、事業所を置く市町村の介護保険担当に、実施している法人の範囲を確認します。

請求時に確認すること

軽減制度と高額介護サービス費が重なるときは、通知により、まず軽減制度を適用し、軽減後の利用者負担額を基に高額介護サービス費を支給します。別添1の支援措置と別添2の軽減が重なる場合は、まず別添1の支援措置を適用します。高額介護サービス費そのものは高額介護サービス費の仕組み、負担割合の判定は区分支給限度基準額と利用者負担割合で確認します。

利用者から証を示されたら、証の名称、交付した市町村、有効期間、軽減の程度を請求担当者と共有し、毎月の請求前に見られるようにします。請求の流れ全般は訪問介護の請求業務で確認します。

このページが確認したのは、令和3年3月30日付の改正後全文までです。その後の改正や、市町村の独自の運用は確認していないため、証の内容と請求方法は交付した市町村に確認してください。個別の利用者が対象になるかの判断は、このページでは行いません。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 利用開始の面談で、負担割合証のほかに、減額認定証や軽減の確認証を持っているかを聞き、持っている場合は写しを取る前に、利用者の同意を得て記録する。証の名称、交付した市町村、有効期間を台帳に書く
  2. 証の内容どおりに利用者負担を計算できるよう、軽減の程度(0%か、4分の1などか)を台帳に書き、請求担当者が毎月の請求前に見られるようにする。不明な点は交付した市町村の介護保険担当に問い合わせ、回答の日と内容を残す
  3. 社会福祉法人として軽減を実施する場合は、実施の申出を事業所の所在地の都道府県知事と保険者の市町村長へ行ったかを確認する。営利法人など申出ができるか不明な場合は、市町村の担当に確認してから案内する
  4. 有効期間が切れる前に、利用者に更新の手続きを案内する日を決め、期限の1か月前を目安に連絡する予定を月次の予定表に入れる。更新されない場合は、軽減なしの負担額で請求する扱いを事前に伝える

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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