運営 / 更新 2026-11-05
訪問看護の取扱方針:身体的拘束等は原則禁止、急変時は主治医へ連絡(基準第68条・72条)
指定訪問看護の取扱方針は、基準第67条の基本取扱方針と、第68条の具体的取扱方針7項目に定められています。身体的拘束等は緊急やむを得ない場合を除いて禁止で、行う場合は記録を残します。提供中の急変時は、第72条により速やかに主治の医師へ連絡して指示を求めます。
基本取扱方針(第67条):目標を設定して計画的に行い、質を評価する
第67条第1項は、指定訪問看護を、利用者の要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、療養上の目標を設定し、計画的に行うと定めています。第2項は、事業者が自らその提供する指定訪問看護の質の評価を行い、常にその改善を図ることを求めています。
解釈通知は、目標達成の度合いやその効果等について評価を行い、訪問看護計画の修正を行って改善を図る等に努めるものとしています。計画書の作成と交付は訪問看護計画書と報告書で確認できます。
この記事で決めること
訪問看護ステーションの管理者や開設準備の事業者が、指定訪問看護を提供するときに守る取扱方針(基本取扱方針と具体的取扱方針の7項目)、身体的拘束等を行える場合と記録、提供中に利用者の病状が急変したときの対応を、基準省令と解釈通知の原文で確かめたい。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、訪問看護の取扱方針の確認メモ(基本取扱方針・具体的取扱方針7項目・身体的拘束等の記録・急変時の連絡)を作成できる状態を目指します。
具体的取扱方針(第68条)の7項目
第68条は、看護師等の行う指定訪問看護の方針を7つ挙げています。第1号は、主治の医師との密接な連携と訪問看護計画書に基づき、利用者の心身の機能の維持回復を図るよう妥当適切に行うこと。第2号は、懇切丁寧に行うことを旨とし、利用者又はその家族に療養上必要な事項を理解しやすいように指導又は説明を行うことです。
第5号は医学の進歩に対応した適切な看護技術で行うこと、第6号は利用者の病状、心身の状況、置かれている環境の的確な把握に努め、利用者又はその家族に適切な指導を行うこと、第7号は特殊な看護等を行ってはならないことです。解釈通知は、医学の立場を堅持し、広く一般に認められていない看護等は行ってはならないとしています。
身体的拘束等は原則禁止:行う場合は4点を記録する
第3号は、利用者又は他の利用者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならないと定めています。第4号は、行う場合に、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況、緊急やむを得ない理由を記録しなければならないとしています。
この記録は、第73条の2第2項第5号により、完結の日から2年間の保存対象です。訪問介護の側の考え方は訪問介護の身体的拘束等:原則禁止と緊急時の記録で確認できます。
提供中に利用者の病状が急変したとき(第72条)
第72条は、看護師等が現に指定訪問看護の提供を行っているときに病状の急変等が生じた場合、必要に応じて臨時応急の手当を行うとともに、速やかに主治の医師へ連絡して指示を求める等の必要な措置を講じなければならないと定めています。
連絡先の一覧と、連絡した日時・内容・受けた指示の記録の置き場所は、事業所で決めておきます。緊急時の電話対応や訪問の体制を評価する加算は訪問看護の緊急時訪問看護加算で確認できます。医療上の判断そのものは主治の医師の指示によるもので、この記事では扱いません。
この記事で確認した範囲
確認した資料は、e-Govの指定居宅サービス等の基準(第67条・第68条・第72条・第73条の2)と、厚生労働省の解釈通知(老企第25号)の指定訪問看護の基本取扱方針及び具体的取扱方針で、2026年11月5日に原文を読みました。個別の利用者への看護の内容、身体的拘束等の適正化のための指針など他のサービスの措置、自治体の条例による上乗せは、この記事では扱っていません。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 基本取扱方針を確認する。基準第67条は、要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう療養上の目標を設定して計画的に行うこと、自らその提供する指定訪問看護の質の評価を行い常に改善を図ることを定める。目標と評価の見直しをいつ行うかを、事業所内で決めて控える
- 具体的取扱方針7項目(第68条)を、手順書や研修の資料に対応づける。主治の医師との密接な連携と訪問看護計画書に基づく提供(第1号)、利用者・家族への分かりやすい指導・説明(第2号)、適切な看護技術(第5号)、病状・心身の状況・環境の把握と指導(第6号)、特殊な看護等の禁止(第7号)を並べる。解釈通知は、広く一般に認められていない看護等は行ってはならないとする
- 身体的拘束等の扱いを定める。第68条第3号は、利用者又は他の利用者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き禁止とし、第4号は行う場合に態様及び時間、その際の利用者の心身の状況、緊急やむを得ない理由を記録するよう定める。この記録は完結の日から2年間の保存対象でもある(第73条の2第2項第5号)
- 提供中の急変時の動きを決める。第72条は、看護師等が必要に応じて臨時応急の手当を行い、速やかに主治の医師へ連絡して指示を求める等の措置を取ると定める。連絡先の一覧と、連絡した日時・内容・指示の記録の置き場所を決める。医療上の判断そのものは、主治の医師の指示による
関連ガイドで計画をつなぐ
隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。
よくある質問
迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。
訪問看護で身体的拘束等を行ってよいのは、どのような場合ですか?
基準第68条第3号は、利用者又は他の利用者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならないと定めています。行う場合は、態様及び時間、その際の利用者の心身の状況、緊急やむを得ない理由を記録します(第4号)。
訪問看護の提供中に利用者の病状が急変したら、何をしますか?
基準第72条は、看護師等が必要に応じて臨時応急の手当を行うとともに、速やかに主治の医師へ連絡して指示を求める等の必要な措置を講じることを定めています。
訪問看護の取扱方針で、行ってはならない看護はありますか?
基準第68条第7号は、特殊な看護等を行ってはならないと定めています。解釈通知は、医学の立場を堅持し、広く一般に認められていない看護等は行ってはならないとしています。
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- デジタル庁(e-Gov法令検索)「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(第六十九条 主治の医師との関係、第七十条 訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成、第七十二条 緊急時等の対応)」(基準第9条、第10条、第21条、第63条、第64条第1〜2項、第66条第1〜4項、第67条、第68条第1〜7号、第69条第1〜4項、第70条第1〜7項、第72条、第73条、第73条の2第2項第1号〜第3号、第74条)(確認日 2026-11-05)
- 厚生労働省「指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について(平成11年9月17日老企第25号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)第三 訪問看護に関する基準」(訪問看護に関する基準 (2)指定訪問看護ステーションの管理者(基準第61条)①〜④、(1)サービス提供困難時の対応(基準第63条)・(3)利用料等の受領(基準第66条)、訪問介護に関する基準 (10)利用料等の受領(基準第20条)①〜④、訪問介護に関する基準 (2)提供拒否の禁止・(3)サービス提供困難時の対応、訪問看護に関する基準 (4)指定訪問看護の基本取扱方針及び具体的取扱方針(基準第67条・第68条)①〜⑤、(5)主治医との関係(基準第69条)①〜⑤、(6)訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成、準用される基準第39条により整備すべき記録(イ指定訪問看護に関する記録、ロ市町村への通知に係る記録))(確認日 2026-10-29)