運営 / 更新 2026-10-26
訪問看護の緊急時訪問看護加算:月600単位・574単位と、(Ⅰ)(Ⅱ)の基準の違い
訪問看護の緊急時訪問看護加算は、1月につき算定します。指定訪問看護ステーションは(Ⅰ)が600単位、(Ⅱ)が574単位、病院または診療所は(Ⅰ)が325単位、(Ⅱ)が315単位です。(Ⅱ)は電話等で看護の意見を求められたときに常時対応できる体制があれば足り、(Ⅰ)はそれに加えて、緊急時の訪問による看護業務の負担を軽減する体制が要ります。
単位数:ステーション600単位・574単位、病院・診療所325単位・315単位
緊急時訪問看護加算は、1月につき、所定単位数に加算します。介護報酬の告示(平成12年厚生省告示第19号)の別表、訪問看護費の注12で、厚生労働省掲載の告示本文を確認しました。
区分と単位数は次の表のとおりです。(Ⅰ)と(Ⅱ)は、どちらか一方だけを算定します。告示は、いずれかの加算を算定している場合は、そのほかの加算は算定しないと定めています。
| 区分 | 指定訪問看護ステーション | 病院または診療所 |
|---|---|---|
| 緊急時訪問看護加算(Ⅰ) | 600単位 | 325単位 |
| 緊急時訪問看護加算(Ⅱ) | 574単位 | 315単位 |
この記事で決めること
訪問看護の緊急時訪問看護加算の単位数、(Ⅰ)と(Ⅱ)の基準の違い、算定の要件を、告示の原文で確かめたい訪問看護の事業者向け。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、緊急時訪問看護加算の体制確認表((Ⅰ)(Ⅱ)の別、24時間の連絡体制、負担軽減の体制、届出日、算定する利用者の一覧)を作成できる状態を目指します。
算定の要件:24時間連絡できる体制と、計画していない緊急時の訪問
ステーションの場合、告示の注12は、老健局長が定める様式で、電子情報処理組織を使って都道府県知事に届出を行ったことを求めています。そのうえで、利用者の同意を得て、利用者またはその家族等が24時間連絡できる体制にあることが要件です。あわせて、計画的に訪問することとなっていない緊急時の訪問を、必要に応じて行う体制も求められます。
病院または診療所の場合は、指定訪問看護を担当する医療機関が、利用者の同意を得て、計画的に訪問することとなっていない緊急時の訪問を必要に応じて行う体制にあることが要件として書かれています。この記事では、告示の文言をそのまま整理しており、同意の取り方や記録の様式は扱いません。
(Ⅰ)と(Ⅱ)の基準の違い:看護業務の負担軽減の体制
(Ⅰ)と(Ⅱ)の基準は、基準告示(平成27年厚生労働省告示第95号)の第七号に書かれています。(Ⅱ)は、利用者またはその家族等から電話等により看護に関する意見を求められた場合に常時対応できる体制にあること、の1つだけを求めています。
(Ⅰ)は、その常時対応の体制に加えて、緊急時訪問における看護業務の負担の軽減に資する十分な業務管理等の体制の整備が行われていることを求めています。単位数は(Ⅰ)のほうが高く、ステーションでは26単位の差があります。
| 区分 | 常時対応できる体制 | 看護業務の負担軽減の体制 |
|---|---|---|
| (Ⅰ) | 必要(電話等で意見を求められたとき) | 必要(十分な業務管理等の体制の整備) |
| (Ⅱ) | 必要(電話等で意見を求められたとき) | 告示の基準に含まれない |
看護体制強化加算と、理学療法士等の訪問の減算との関係
ステーションが看護体制強化加算(Ⅰ)を算定するには、基準告示の第九号で、緊急時訪問看護加算を算定した利用者の割合が100分の50以上であることが求められます。割合は、算定日が属する月の前6月間の利用者の総数に対して数えます。この割合を満たすかは、緊急時訪問看護加算の算定が利用者に広がっているかで決まります。
また、施設基準告示(平成27年厚生労働省告示第96号)の第四の二は、理学療法士等の訪問の減算が当たる場合を定めています。その1つが、緊急時訪問看護加算、特別管理加算、看護体制強化加算のいずれも算定していない場合です。減算の単位数と条件は訪問看護のリハ職の訪問で整理しています。
資料の範囲と、あわせて読むページ
2026年10月26日に、介護報酬告示の別表の訪問看護費の注12、基準告示(第95号)の第七号・第九号、施設基準告示(第96号)の第四の二を、厚生労働省掲載の本文で確認しました。
留意事項通知(老企第36号)が定める算定日、同じ月に使えないサービス、連絡体制の細かい取扱いは、この記事では確認していません。それらの整理は訪問看護の主な加算にあり、特別管理加算は訪問看護の特別管理加算、基本の単位数は訪問看護費の単位数にあります。算定できるかの最終判断は、指定権者または国民健康保険団体連合会に確認してください。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 届け出る区分が(Ⅰ)か(Ⅱ)かを決め、(Ⅱ)はイ(1)の常時対応の体制、(Ⅰ)はそれに加えて(2)の負担軽減の体制を、告示第95号の第七号の文言と自事業所の当番表・手順書を並べて確かめる
- 利用者または家族が24時間連絡できる電話番号と、連絡を受ける看護師等の当番を表にし、緊急時の訪問が必要かを判断する手順を書き出す
- 加算の同意を得た利用者を月ごとに一覧にし、(Ⅰ)と(Ⅱ)を同じ利用者に重ねて請求していないか、看護体制強化加算の算定割合に使う人数と合わせて確かめる
- 留意事項通知(老企第36号)の算定日、同じ月に使えないサービスの取扱いを、指定権者または国民健康保険団体連合会の案内の現行の本文で確かめ、確かめた日を残す
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)別表 3 訪問看護費 注1(対象となる利用者)・注6(複数名訪問加算)」(別表 3 訪問看護費 注1(通院が困難な利用者。末期の悪性腫瘍等・精神科訪問看護の利用者を除く。理学療法士等の訪問はイ(5)で1日2回を超えると100分の90)、注6(複数名訪問加算(Ⅰ)(Ⅱ))、注20(イ(5)の1回8単位の減算)、ヘ 看護・介護職員連携強化加算(250単位。1月に1回)、イ(4)・ロ(4)(所要時間1時間以上1時間30分未満)、注7(特別な管理を必要とする利用者への1時間以上1時間30分未満の訪問後に引き続き訪問し通算1時間30分以上で1回300単位)、注12(緊急時訪問看護加算。ステーション(Ⅰ)600単位・(Ⅱ)574単位、病院・診療所(Ⅰ)325単位・(Ⅱ)315単位)、注13(特別管理加算(Ⅰ)500単位・(Ⅱ)250単位。1月につき)、注15(ターミナルケア加算。死亡月につき2,500単位)、ト 看護体制強化加算((Ⅰ)550単位・(Ⅱ)200単位。1月につき)、ホ 退院時共同指導加算(600単位。退院・退所につき1回、特別な管理を必要とする利用者は2回。ニの初回加算を算定する場合は算定しない)、注5(夜間・早朝100分の25・深夜100分の50。イ及びロが対象。1回につき)、イ・ロの所要時間別の所定単位数、注8(同一敷地内建物等の利用者と同一の建物に20人以上居住する利用者は1回につき100分の90、同一敷地内建物等に50人以上居住する建物の利用者は100分の85。訪問介護費の注12にある100分の88のただし書きは訪問看護費の注8にはない)、リ サービス提供体制強化加算(イ又はロを算定する場合は1回につき(Ⅰ)6単位・(Ⅱ)3単位、ハを算定する場合は1月につき(Ⅰ)50単位・(Ⅱ)25単位。ハは定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所と連携して行う訪問看護で2,961単位)、注9(特別地域訪問看護加算。大臣が定める地域に所在し届出をした事業所。イ・ロは1回につき・ハは1月につき100分の15)、注10(地域に所在し大臣が定める施設基準に適合し届出をした事業所。100分の10)、ニ 初回加算((Ⅰ)350単位・(Ⅱ)300単位。1月につき。(Ⅰ)と(Ⅱ)は同時に算定しない)、ホ 退院時共同指導加算の注(ニの初回加算を算定する場合は算定しない)、注11(大臣が定める地域に居住する利用者へ通常の事業の実施地域を越えて訪問。100分の5)、注14(専門管理加算。緩和ケア・褥瘡ケア・人工肛門ケア及び人工膀胱ケアの専門の研修を受けた看護師はイ250単位、特定行為研修を修了した看護師はロ250単位。1月に1回に限る)、注16(遠隔死亡診断補助加算。情報通信機器を用いた在宅での看取りに係る研修を受けた看護師が主治の医師の指示で死亡診断の補助を行った場合、死亡月につき150単位))(確認日 2026-10-26)
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める施設基準(平成27年3月23日厚生労働省告示第96号)第四の二(訪問看護費のイ(5)の減算に係る施設基準)」(四の二 指定訪問看護における理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問に関する減算に係る施設基準(イ・ロのいずれかに該当))(確認日 2026-10-26)
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める基準(平成27年3月23日厚生労働省告示第95号)第七号(緊急時訪問看護加算の基準)・第八号(ターミナルケア加算の基準)・第九号(看護体制強化加算の基準)・第九号の二(口腔連携強化加算の基準)」(七 訪問看護費における緊急時訪問看護加算の基準(イ (Ⅰ)は(1)常時対応の体制と(2)緊急時訪問における看護業務の負担軽減の体制、ロ (Ⅱ)はイ(1)のみ)、八 訪問看護費におけるターミナルケア加算の基準(イ 24時間連絡できる体制と必要に応じた訪問看護の体制、ロ 主治の医師との連携の下での説明と同意、ハ 利用者の身体状況の変化等の記録)、九 看護体制強化加算の基準(緊急時訪問看護加算の算定割合など)、九の二 口腔連携強化加算の基準(イ 歯科訪問診療料の算定実績がある歯科医療機関の歯科医師・歯科衛生士に相談できる体制を文書等で取り決め、ロ 他事業所の口腔・栄養スクリーニング加算の算定、居宅療養管理指導費の算定、他事業所の口腔連携強化加算の算定のいずれにも該当しない)、十 サービス提供体制強化加算の基準(イ (Ⅰ)は研修計画と研修の実施又は予定・会議の定期開催・健康診断等の定期実施・勤続7年以上が100分の30以上、ロ (Ⅱ)はイ(1)〜(3)と勤続3年以上が100分の30以上))(確認日 2026-10-26)