運営 / 更新 2026-10-12

訪問介護の車両の駐車許可:警察署への申請の要件・添付書類・有効期間

訪問介護の車両が利用者宅の近くの駐車禁止の場所に停めるには、警察署長の駐車許可を受ける方法があります。警察庁の令和7年3月31日の通達は、許可の対象が貨物集配だけでなく訪問診療・訪問介護などにも及ぶとしています。この記事は、通達の写しで確認できる要件・申請書類・有効期間・緊急時の扱いを、事業所が準備する順に整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

訪問介護の事業所が、利用者宅付近の駐車禁止の場所に車両を停めるための駐車許可について、要件・申請書類・有効期間・緊急時の扱いを警察庁の通達で確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、駐車許可の申請準備表(訪問先ごとの駐車場所・時間帯・周辺の駐車場の有無・添付書類の有無・警察署への相談日)を作成できる状態を目指します。

駐車許可の対象と、この記事が使う資料

この記事の資料は、警察庁が各警察本部長へ出した「駐車許可の運用の見直しにおける留意点について(通達)」(令和7年3月31日付け丁規発第54号・丁交指発第62号)の写しです。写しは日本病院会のサイトに載っており、警察庁サイトの原本は確認していません(2026-10-12に確認)。

この通達は警察署への指示で、事業所向けの案内ではありません。通達は、許可の対象となる用務は特定の用務に限られず、貨物集配のほか訪問診療、訪問介護等も駐車許可の対象となり得ると述べています。許可するかどうかは、管轄の警察署が個別に審査します。

許可の4つの要件

通達は、審査の要件を、申請日時・申請場所・用務・駐車可能な場所の有無の4つに分けています。4つのいずれにも当たることが求められます。事業所は、申請する前にこの順で訪問先を確かめると、相談で聞かれる点を先に整理できます。

駐車許可の審査要件(警察庁 令和7年3月31日付け通達の1(1)で確認、2026-10-12)
要件通達の内容事業所が確かめること
申請日時駐車により交通に危険を生じ、または交通を著しく阻害する時間帯ではなく、用務に必要な時間を超えて駐車しない訪問の開始・終了の時刻と、登下校など交通量の多い時間帯との重なり
申請場所道路交通法第45条の駐車禁止の規制のみが実施されている場所で、交通に危険を生じ、または交通を著しく阻害する場所でない訪問先の前の道路の規制標識と、通学路・自転車の通行量などの道路の状況
用務公共交通機関など車両以外の手段では目的を達成することが著しく困難な用務で、5分以内の荷の積卸しなど駐車違反とならない方法がおよそ不可能な用務で、道路の使用の許可(道路交通法第77条)が必要な行為を伴わないものなぜ車で訪問する必要があるか(訪問件数・移動距離・持ち物など)と、短時間の停車で済まない理由
駐車可能な場所の有無用務先からおおむね100メートル以内に、路外駐車場・路上駐車場・駐車が禁止されていない道路の部分のいずれも存在しないか、利用が困難訪問先から約100メートル以内の駐車場の有無と、空き・車幅・混雑の状況

審査で考慮される点と、時間帯の書き方

通達は、申請した時間帯の具体的な交通状況を確かめて可否を判断するとしています。登下校の時間帯などが含まれるときは、その時間帯を除いて許可するなど、申請者の用務に配慮した代わりの措置がないかを検討するとされています。

訪問診療・訪問介護など、駐車する時刻を前もって正確に決めにくい用務は、「事業所の業務時間内(C時からD時までの間)」として許可する例が示されています。人の生命・身体に関わる緊急対応をする可能性があるときは、「業務時間内および緊急訪問時」として許可する例も示されています。

場所は、訪問先を特定したうえで、特定の1地点でしか許可できない場合を除き「訪問先付近」として許可し、訪問先付近の状況に応じて場所を選べるよう配慮するとされています。駐車場の利用が困難な場合の例として、車幅が駐車枠に収まらない、重量制限を超える、混雑して空きが少ないと予想される時間帯である、が挙げられています。

申請書・添付書類・有効期間

申請書は通達の別添の様式で、申請書と添付書類は2部です。新規申請の添付書類は、駐車場所と周辺の見取図、自動車検査証の写し(または記録事項が書かれた書面)、用務を示す書面に限られます。見取図は、必要以上に詳細なものや道路幅員の記入を求めない、既存の地図に訪問先の位置が分かるものでよい、複数の箇所を1枚にまとめてよいとされています。

用務を示す書面は、訪問計画書、契約書、資格証の写しなどの既存の書面でよいとされています。ただし、医師の指示書や訪問先の関係者の病名が書かれた書面は、個人情報保護の観点から提出を求めないとされています。自動車検査証の写しで用務が分かるときは、用務を示す書面の添付が不要になる場合もあります。

複数の場所に連続して駐車するときは、1回の申請で一括して許可し、場所が複数の警察署にまたがるときも、申請の受理と許可証の交付を1つの警察署でまとめて行うとされています。反復して使う車両の許可証の有効期間は、例外を除き原則1年以上とされ、申請期限は、場所が複数の警察署にまたがる場合を扱う箇所で、原則として1週間前とされています。許可証は、駐車している間、見やすい箇所に掲出します。

緊急の訪問と、事前相談

訪問診療・訪問看護・訪問介護などで、人の生命・身体に関わる緊急対応のために、許可済みでない時間帯に駐車する申出が想定されるとして、通達は、夜間などでも急ぎで審査できるよう、宿直の執務室に駐車許可の対象一覧を備える、交通部門以外の警察職員にも対応できることを周知する、といった体制を警察署に求めています。事業所は、緊急時の連絡先と手順を、許可を受けるときに警察署で確かめておくとよいと考えられます。

通達は、申請をしようとする者から事前相談の求めがあれば受け付け、許可の要件を説明し、許可が難しいときは理由を説明するよう警察署に求めています。許可証を使わなくても、道路使用許可で、その許可の範囲内で駐車禁止の場所に駐車できる場合があるとも書かれています。

事業所の手順と、このページが判断しないこと

事業所では、訪問先ごとに、駐車したい場所、時間帯、約100メートル以内の駐車場の有無を一覧にし、規制標識を確かめ、必要な書面を用意して、管轄の警察署に事前相談します。緊急時の対応は緊急時の対応の義務、緊急に訪問したときの加算は緊急時訪問介護加算で確認できます。

このページは、個別の場所や時間で許可が出るかどうかを判断しません。手数料、都道府県ごとの申請様式や窓口の運用は、通達に記載がないため確認していません。通達はその後に改定される場合があるため、申請の前に管轄の警察署で最新の取扱いを確かめてください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 訪問先ごとに、駐車したい場所、訪問する時間帯、訪問先からおおむね100メートル以内の路外駐車場・時間貸しの駐車場の有無と空きの状況を確認して一覧にする
  2. 許可の要件は駐車禁止の規制のみが実施されている場所とされているため、現地で規制の標識を確かめ、ほかの規制がある訪問先は別の駐車方法を決める
  3. 駐車場所と周辺の見取図、自動車検査証の写し、用務を示す書面(訪問計画書など既存の書面)を2部ずつ用意し、利用者の病名や個人情報が入った書面を添付していないことを確認する
  4. 申請の1週間前を目安に管轄の警察署へ事前相談し、許可の可否・時間帯の条件・有効期間・緊急訪問時の連絡方法を聞いて、許可証を車内の見やすい箇所に掲出する運用を手順書に書く

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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