運営 / 更新 2026-10-15

被爆者健康手帳を持つ利用者の訪問介護:公費請求の法別番号81と低所得の条件

被爆者健康手帳を持つ利用者の訪問介護は、利用者の負担分が公費で助成されることがあります。事業所は、公費負担の法別番号81で、国保連へ利用者負担分を請求します(東京都は、手帳に書かれた公費負担者番号の冒頭を読み替える方法を示しています)。このページは、東京都と群馬県の案内、厚生労働省の資料をもとに、助成の条件、請求の番号、現物給付と償還払いの違いを整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

被爆者健康手帳を提示された訪問介護事業所の管理者や請求担当者が、助成の対象になる利用者の条件(低所得世帯)、手帳の公費負担者番号の読み替え(19を81に)、国保連への公費請求と償還払いの違い、対象外のサービスを、東京都と群馬県の案内で確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、被爆者健康手帳の利用者の確認表(利用者ごとの手帳の公費負担者番号と読み替え後の番号、世帯の生計中心者の課税状況の確認書類、認定証の有無、事業所と保険者の所在地、現物給付か償還払いかの区分)を作成できる状態を目指します。

介護保険の利用者負担を、被爆者の助成で補う仕組み

厚生労働省の行政事業レビューシートによると、原爆被爆者の介護保険の利用料自己負担分を助成する事業は、都道府県などが行い、国が一部を補助します。訪問介護の分は「訪問介護利用被爆者助成事業」で、原爆被爆者のうち低所得の方が利用する訪問介護の自己負担分が対象です。国の補助率は2分の1と記載されています。

このシートは平成29年度の行政事業レビューシートです。助成の細かい条件や手続きは都道府県ごとに案内が出ているため、実際の運用は利用者が住む都道府県の案内で確認します。

生活保護の利用者への請求は「生活保護受給者(介護扶助)への訪問介護提供と請求実務の違い」に、社会福祉法人の軽減などは「訪問介護の利用者負担の軽減制度:減額認定証(0%)と社会福祉法人等の軽減(1/4)」にあります。

訪問介護で助成の対象になるのは、低所得の世帯の被爆者

群馬県の案内は、訪問介護と介護予防訪問介護を「低所得者世帯の被爆者に限る」としています。東京都は、被爆者の属する世帯の生計中心者が所得税非課税の場合(生活保護世帯を含む)の被爆者が対象と書いています。

訪問介護以外の通所介護や短期入所生活介護などは、群馬県の案内では低所得の条件が付いていません。同じ福祉系サービスでも、訪問介護だけ条件が付く点に注意してください。

東京都も群馬県も、訪問介護を利用する被爆者には、都県が交付する認定証が必要です。利用者が住民票、介護保険被保険者証の写し、生計中心者の住民税の非課税証明書(東京都は生活保護世帯なら受給証明書の写し)などを添えて、都県に申請します。

群馬県は、被爆者が所得税非課税でも、別居している親族などの扶養控除の対象になっている場合は、扶養している人の世帯の生計中心者が非課税であることが条件だと書いています。

訪問介護の助成の条件と請求番号の比較(東京都・群馬県の案内)
項目東京都群馬県
助成の条件世帯の生計中心者が所得税非課税(生活保護世帯を含む)低所得者世帯の被爆者に限る(原則として世帯の生計中心者が所得税非課税。生活保護世帯を含む)
公費負担の番号手帳の公費負担者番号の冒頭19を81に読み替える福祉系サービスの公費負担法別番号は81
利用時に出すもの被爆者健康手帳と訪問介護利用助成受給資格認定証被爆者健康手帳、介護保険証、訪問介護利用被爆者助成受給者資格認定証

請求は、手帳の公費負担者番号の冒頭を19から81に読み替える

東京都の事業者向けの案内は、被爆者健康手帳に記載された公費負担者番号の冒頭の「19」を「81」と読み替えて、請求するよう示しています。例は「19136019」を「81136019」です。

請求先は東京都国民健康保険団体連合会で、根拠は「介護給付費及び公費負担医療等に関する費用の請求に関する省令」です。国保連への届出や請求の基本は「訪問介護の国保連への「請求及び受領に関する届」:届出事項・請求方法・提出時期」にあります。

手帳の番号をどう読み替えるかは、都道府県の案内で表現が異なります。利用者の保険者や住所の都道府県の案内で、読み替えの方法と提出書類を確かめてから請求ソフトに入力してください。

手帳を出してもらえなかったときや、保険者・事業所が都外のときは、償還払いになる

東京都の案内では、利用者が手帳を提示しなかった場合は、償還払いで助成を受けます。事業者は通常どおり利用者から利用者負担分を受け取り、領収書を渡します。

利用者は、領収書の原本やサービス提供明細書などを添えて都に申請し、助成金を受け取ります。保険者が都外にある場合や、利用する事業所が都外にある場合も、現物給付でなく償還払いです。

東京都の案内では、訪問介護は手帳に加えて認定証も確認します。契約のときに、手帳と認定証の両方を確認する手順を決めておくと、請求の戻りを防げます。

助成の対象にならないサービスと、保険対象外の費用

東京都の案内は、福祉系サービスの助成対象外として、訪問入浴介護、夜間対応型訪問介護、特定施設入居者生活介護、福祉用具貸与、住宅改修、特定福祉用具購入を挙げています。訪問介護と併せて使う場合は、サービスごとに助成の対象かが分かれます。

第1号訪問事業は、サービス種類コードで助成の範囲が限られます。東京都はA2に限ると説明し、群馬県はA1とA2に限ると書いています。

群馬県の案内は、食費、居住費、おむつ代などの保険対象外の費用は、利用時に支払うと書いています。訪問介護で別に受け取る費用がある場合は、助成の範囲に入るかを都道府県に確認してください。

このページの範囲と、確認する先

このページが確認したのは、東京都の被爆者の介護保険利用助成の事業者向けの案内、群馬県の案内、厚生労働省の行政事業レビューシート(平成29年度)です(2026-10-15に確認)。他の道府県と広島市・長崎市の運用は確認していません。

個別の利用者が助成の対象になるか、手帳の番号をどう請求ソフトに入力するかは、このページでは決められません。利用者の居住する都道府県の被爆者援護の担当課に、助成の要綱と事業者向けの案内を確認してください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 手帳を提示された利用者の居住する都道府県の担当課に、訪問介護の助成の対象となる低所得の条件と、認定証などの必要書類を問い合わせる
  2. 手帳に記載された公費負担者番号の冒頭を、都道府県の案内に沿って読み替えた番号を確認表に書き、請求ソフトの公費の設定に入力する
  3. 認定証が必要な都道府県では、訪問のたびでなく契約時と更新時に認定証の写しを確認し、現物給付で請求できる範囲か(保険者や事業所が都道府県外でないか)を確かめる
  4. 手帳や認定証の提示がない月は、利用者が償還払いの申請をすることを伝え、利用者負担の請求書と領収書の控えを残す

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

次に読む: 訪問介護の国保連への「請求及び受領に関する届」:届出事項・請求方法・提出時期 →