運営 / 更新 2026-10-16

ケアマネ試験の実務経験証明書(訪問介護事業所の作成):対象になる業務と東京都の記入要領

訪問介護員が介護支援専門員(ケアマネジャー)になるための実務研修受講試験を受けるときも、勤務先の事業所が実務経験の証明書を作ります。試験は都道府県知事が行うため、様式や押印の扱いは都道府県ごとに決まっています。この記事は、全国共通の条文(介護保険法施行規則第113条の2)と、東京都の令和8年度の証明者向け注意事項を原文で確認し、訪問介護事業所が証明する前に確かめることを整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

訪問介護員から介護支援専門員実務研修受講試験の実務経験(見込)証明書の作成を頼まれた事業所が、介護保険法施行規則第113条の2の実務の経験と、東京都の令和8年度の証明者向け注意事項で、実務経験に当たる業務、証明者が確かめる点、見込証明書、記載の誤りの責任を確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、ケアマネ試験の実務経験証明書の発行手順メモ(受験する都道府県の受験要項、証明権限者、業務の区分の確認、押印と訂正の扱い、見込証明書の再発行の管理)を作成できる状態を目指します。

結論:全国共通なのは「通算5年以上」の枠で、証明書の細部は受験する都道府県が決める

介護保険法第69条の2は、厚生労働省令で定める実務の経験を有する人が、都道府県知事が行う介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、実務研修を修了すると登録を受けられるとしています。その実務の経験は、施行規則第113条の2が、第1号と第2号の期間を通算して5年以上と定めています。

証明書の様式、押印、提出期限は、受験する都道府県の受験要項で決まります。この記事で細部を確認したのは、東京都の令和8年度(第29回)の証明者向け注意事項で、他の都道府県で同じとは限りません。

受験資格を満たすかどうかの判断は、証明する事業所ではなく、試験を行う都道府県側が行います。事業所の役割は、勤務の実績を、受験要項のとおりに証明することです。

条文が定める「実務の経験」の2つの類型

第113条の2の第1号は、列挙された国家資格を持つ人が、その資格に基づき当該資格に係る業務に従事した期間です。列挙には介護福祉士が入っています。第2号は、老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院などの従業者や、特定施設入居者生活介護などの事業の従事者が、相談に応じ助言、指導その他の援助を行う業務に従事した期間です。

施行規則第113条の2の2つの類型(訪問介護員から見た整理)
類型条文の内容訪問介護員の場合(この記事の整理)
第1号:国家資格に基づく業務列挙された国家資格を持つ人が、その資格に基づき当該資格に係る業務に従事した期間列挙に介護福祉士がある。介護福祉士の資格を持つ訪問介護員が、その資格に基づく業務に従事した期間が当たりうる
第2号:相談援助業務老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、特定施設入居者生活介護などの従業者・従事者が行う、日常生活の自立に関する相談・助言・指導その他の援助の業務条文の列挙に訪問介護は挙がっていない。「これらに準ずる」事業に当たるかは、都道府県に確かめる

東京都の令和8年度の例:実務経験に当たる業務と当たらない業務

東京都福祉局の案内によると、令和8年度の受験資格は、保健・福祉・医療分野で原則として5年以上かつ900日以上の実務経験を有する人です。条文の5年に加えて、日数の基準も受験要項で示されています。

東京都の証明者向け注意事項は、国家資格等に基づく業務について、要援護者への直接的な対人援助業務が、その資格の本来業務として明確に位置付けられていることが必要としています。当たる例と当たらない例が、訪問介護の場合も含めて挙げられています。

東京都の令和8年度の証明者向け注意事項が挙げる例(訪問介護に関するもの)
区分例(原文のとおり)
実務経験に当たる例指定訪問介護事業所で訪問介護員(介護福祉士を有する)として介護業務を行っている
実務経験に当たらない例介護福祉士を有する訪問介護員が行う生活援助のみの業務
実務経験に当たらない例社会福祉士を有している者が行う介護業務(介護職員として従事)

証明する事業所が確かめること(東京都の注意事項より)

証明書は、証明権限を有する人(法人の代表者、施設・事業所の長など)が作ります。受験者本人が書いた証明書は無効になります(個人開業などで証明者と受験者が同じ場合を除く)。受験者の業務の従事状況は、書類などで確認したうえで証明するよう求められています。

期間と日数の数え方は、次のように示されています。国家資格等に基づく業務は、資格の登録日以降が算入の対象です。育児休業や病気休業などの休職期間は除き、除いた期間は備考欄に記入します。

従事日数は、休日・休暇・研修・休職などで従事しなかった日を除いて数え、1日の勤務時間が短くても1日として扱います。

同じ事業所内で職種が変わった場合は、備考欄に職種名と従事期間・従事日数を詳しく書けば、証明書は1枚でよいとされています。同じ法人内でも複数の事業所を異動している場合は、事業所ごとに作り、派遣社員の場合も同様です。

生活援助のみの業務は当たらない例として挙がっていますが、勤務の記録で生活援助のみの期間と身体介護を含む期間をどう分けて数えるかの手順は、この注意事項には書かれていません。実際に数える前に、受験する都道府県の窓口へ確かめてください。

事業所番号は、介護保険法または障害者総合支援法に基づく指定事業所なら記入が必要です。番号の構成は訪問介護の事業所番号の仕組み:10桁の構成・事業所区分「7」・付番の考え方で確認できます。

押印・訂正・見込みの証明書と、誤りがあったとき

東京都の注意事項では、証明印は証明者の公印(職印)を使い、電子印鑑は原則として使えません。訂正は二重線で消し、訂正印として証明者の公印(職印)を押します。

介護福祉士国家試験の証明書が押印不要であるのとは扱いが異なるため、試験ごとに、その年度の様式の説明を確かめます。

実務経験見込証明書を発行する場合、従事期間は試験日の前日まで算入できます。見込みの期間が過ぎたあと、確定した内容の実務経験証明書を発行する必要があり、令和8年度の確定版の提出期限は令和8年10月19日と示されています。

不実または錯誤した内容を証明した場合、その受験は無効になります。証明権限を有する代表者は、そのてん末を報告しなければならず、事実と異なる証明書を発行した場合は、代表者名などが公表されることがあります。

関連する記事と、確認していないこと

介護福祉士国家試験の証明書を扱う記事として介護福祉士の実務経験証明書の作成(訪問介護事業所):記載項目・従事日数の数え方・見込証明書が、ケアマネジャーとの連携の実務を扱う記事として訪問介護のサービス提供・ケアマネ連携・月次報告があります。

この記事は、条文と東京都の令和8年度の掲載内容を2026-10-16に確認した範囲だけを書いています。令和8年度の試験は2026年10月11日に実施済みで、次の年度の様式や提出期限は公表後に確かめてください。

他の都道府県の様式や、証明者向け注意事項が参照している東京都のQ&A(ケアマネジャー専用サイト掲載)は確認していません。個々の職員が受験資格を満たすかどうかは、受験する都道府県の窓口に確かめる事項です。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 受験者が受験する都道府県の最新の受験要項と、証明者向けの注意事項を取り寄せ、指定された年度の様式を使うことを確かめる
  2. 証明権限者(法人の代表者、事業所の長など)を決め、受験者が自書していないことと、勤務の記録で業務の従事状況を確かめたことを記録する
  3. 介護福祉士の登録日以降の期間のうち、直接の対人援助業務の期間と従事日数を、休日・休暇・研修・休職を除いて数える(生活援助のみの期間の扱いは受験要項で確かめる)
  4. 職種変更や異動の有無、見込みの期間、押印の種類(公印・職印)、訂正の方法を確かめて証明書を作成し、見込みの場合は確定版の提出期限を本人と記録する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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