運営 / 更新 2026-10-16

介護福祉士の実務経験証明書の作成(訪問介護事業所):記載項目・従事日数の数え方・見込証明書

訪問介護員が介護福祉士国家試験を受けるときは、勤務先の事業所が「実務経験証明書」を作ります。受験者が作成依頼書を事業所に出し、事業所が社会福祉振興・試験センターの様式で従業期間と従事日数を証明する流れです。この記事は、センターが公表している受験資格のページと様式・作成例(令和8年度 第39回試験の掲載)の原文で、事業所が証明する前に確かめることを整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

訪問介護員から介護福祉士国家試験の実務経験証明書の作成を頼まれた事業所が、試験センターの原文で、証明する従業期間と従事日数の数え方、様式の記載項目、見込証明書、サービス提供責任者としての業務の扱い、記載に誤りがあったときの責任を確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、実務経験証明書の発行手順メモ(依頼の受け付け、勤務記録での従業期間と従事日数の確認、サービス提供責任者業務との切り分け、証明書作成者と代表者の記載、見込証明書の再発行の管理)を作成できる状態を目指します。

結論:証明書は事業所が作る書類で、数えるのは従業期間と従事日数の2つ

センターの様式は、実務経験証明書を「勤務先(事業所)が作成する書類」としています。受験者は作成依頼書を事業所に見せて依頼し、この依頼書はセンターへ提出しません。事業所は、センターの作成支援ツールで証明書を作成・印刷して受験者に渡します。

証明するのは、実務経験の対象となる施設(事業)と職種での従業期間と、そのうち実際に介護等の業務に従事した従事日数です。受験者の側では、従業期間3年以上(1,095日以上)かつ従事日数540日以上の両方が必要で、どちらか一方だけでは足りないとセンターは説明しています。試験実施年度の3月31日までの通算で数えます。

ここで受験資格を満たすかどうかを最終的に判断するのは、事業所ではなく受験の申し込みを受けるセンターです。事業所の役割は、勤務の実績を様式のとおりに正しく証明することにあります。

従業期間と従事日数の数え方(事業所が勤務記録で確かめる点)

センターは、従業期間を実務経験の対象となる施設(事業)と職種での在職期間とし、産休・育休・病休などの休職期間を含むと説明しています。従事日数は、雇用契約に基づき実際に介護等の業務に従事した日数です。休暇・欠勤・出張・研修などで業務をしなかった日は含まれず、1日の勤務時間は問われません。

センターの説明で、事業所が勤務記録から確かめる点
確かめる点センターの説明勤務記録の例(この記事の整理)
従業期間対象の施設(事業)・職種での在職期間。産休・育休・病休などの休職期間を含む雇用契約書、辞令、入退職の記録
従事日数実際に介護等の業務に従事した日数。休暇・欠勤・出張・研修などは含まない出勤簿、サービス提供記録
非常勤対象の職種で雇用されていれば、パート・アルバイトも対象雇用区分と職種の記録
夜間勤務日数の数え方は、事業所の雇用・就業規程に基づいてよい就業規則の日の数え方
掛け持ち同じ日に複数の事業所で業務を行った場合は1日として扱う。同じ期間に複数の事業所に所属する場合は従事日数内訳証明書が要る本人の作成依頼書の掛け持ち欄
退職後の依頼過去に対象の施設(事業)・職種で雇用されていれば有効。必要な期間分の証明があればよい退職者の勤務記録の保管状況

訪問介護員とサービス提供責任者の扱い

センターの「実務経験の範囲」のページは、範囲が厚生労働省社会・援護局長通知(令和6年7月3日社援発0703第1号)等で定められているとし、指定訪問介護などの行に「訪問介護員」「ホームヘルパー」を、介護等の業務に従事したと認められる職種として載せています。対象は、主たる業務が介護等の業務である人です。

同じ行には「サービス提供責任者としての業務は対象となりません」という注記があります。サービス提供責任者を兼ねる訪問介護員の証明では、この注記を日数の数え方にどう当てはめるかを、事前にセンターへ確かめてください。この記事の原文確認では、兼務の場合の日数の数え方までは確認できていません。

他の業務を兼ねている人については、主たる業務が介護等の業務であることが辞令等で明確になっている必要がある、とセンターは述べています。訪問介護員の資格の範囲は訪問介護員の資格と従事範囲(介護福祉士・初任者研修・生活援助従事者研修・実務者研修)、サービス提供責任者の責務は管理者とサービス提供責任者の責務(基準第28条)で確認できます。

実務経験証明書に書く項目と、記載のルール

センターの様式(第39回試験)には、次の項目があります。法人格コード、施設(事業)種類コード、職種(職名)コードは、センターの作成例のコード表を見て記入します。

実務経験証明書の主な記載項目
区分記載する内容
法人・施設・事業所名称、所在地、電話番号、法人格コード、代表者の役職・氏名
証明書作成者所属・役職等と氏名
本人フリガナ、氏名、生年月日、本人の住所
施設または事業所事業所名と、介護保険の事業所番号(または障害福祉サービスの事業所番号)、施設(事業)種類コード、職種(職名)コード
期間と日数従業期間の開始日と終了日、その日数、介護等の業務に従事した日数(従業期間のうち休暇・欠勤・出張・研修などの日を除いた日数)

押印・訂正・見込みの証明書と、誤りがあったとき

様式の注意書きは、押印は不要で、訂正は二重線で行い訂正印は不要としています。センターのよくあるご質問は、訂正は受験者本人ではなく、法人・事業所の判断で二重線により行うとしています。事業所番号の記載が必要になるため、手元に控えがない場合は訪問介護の事業所番号の仕組み:10桁の構成・事業所区分「7」・付番の考え方で桁の意味を確かめられます。

受験の申し込み時に必要な日数を満たしていなくても、試験実施年度の3月31日までに満たす見込みなら「実務経験見込み」として申し込めます。見込みで証明した場合は、実務経験を満たした日以降に再度、実務経験証明書を作成する必要があります。

第39回試験の例では、2回目の最終提出期限は令和9年4月9日(消印有効)と示されています。本人ごとに、満たす見込みの日と提出期限を記録しておくと、作成し忘れを防げます。

様式の注意書きは、不実または錯誤した内容を記載した場合、社会福祉士及び介護福祉士法第8条第1項及び第2項により、本人の試験が無効とされ、さらに厚生労働大臣が期間を定めて介護福祉士国家試験を受けさせない処分をすることがあるとしています。証明する人は、そのてん末を報告しなければならないとも書かれています。就労先に無断で作成・改変した証明書は無効で、刑法上の罪に問われる場合がある、という注意もあります。

関連する記事と、確認していないこと

介護福祉士の配置が要件になる加算は介護福祉士の配置・割合が効く加算の早見表(特定事業所加算・処遇改善加算ほか)、職員の研修費用の支援は訪問介護の研修費用に使える人材開発支援助成金:助成率・計画届・対象外で整理しています。ケアマネ試験の実務経験証明書はケアマネ試験の実務経験証明書(訪問介護事業所の作成):対象になる業務と東京都の記入要領で扱っています。

この記事は、センターが公表する令和8年度 第39回試験の掲載内容を2026-10-16に確認した範囲だけを書いています。様式・日付・コードは試験の回ごとに更新されるため、実際に証明書を作るときは、その年度のセンターのページと作成支援ツールを確かめてください。個々の職員が受験資格を満たすかどうかは、センターに確認する事項です。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 受験者から作成依頼書を受け取り、氏名・生年月日・現住所と、掛け持ちの有無(従事日数内訳証明書が要るか)を確かめて、依頼の受付日を記録する
  2. 雇用契約書・辞令・出勤簿・サービス提供記録などから、従業期間の開始日と終了日、従事日数(休暇・欠勤・出張・研修を除く)を数え、サービス提供責任者としての業務だけの日が混ざっていないかを確かめる
  3. 試験センターの作成支援ツールで、法人格コード・事業所番号・施設(事業)種類コード・職種コードを選んで証明書を作成し、証明書作成者と代表者を記載して本人に渡す(押印は不要、訂正は二重線)
  4. 見込みで証明した場合は、実務経験を満たす日と2回目の証明書の提出期限を本人と確認し、満たした日以降に再度作成する予定を記録する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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