運営 / 更新 2026-10-17

居宅介護支援の運営基準:契約の説明・アセスメント・ケアプラン作成・月1回のモニタリング記録

居宅介護支援の運営基準は、契約の開始、アセスメント、居宅サービス計画の作成、サービス担当者会議、月1回の面接とモニタリングの記録、記録の保存まで、事業所の運営の流れを条文で定めています。この記事は、訪問介護の事業者が居宅介護支援の併設や連携を考えるときに、指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(省令第38号)の第1条の2・第4条・第13条・第29条を読み、運営の中身と訪問介護との接点を整理するものです。報酬、加算、指定の申請手順、個別の事業所が基準に適合するかの判断は扱いません。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

基本方針:自宅での生活の継続と、特定のサービスや事業者に偏らない公正中立

基準第1条の2第1項は、居宅介護支援を、要介護状態となった場合でも利用者が可能な限り居宅で、その有する能力に応じて自立した日常生活を営めるよう配慮して行うものと定めています。第2項は、利用者の選択に基づき、適切な保健医療サービスと福祉サービスが、多様な事業者から、総合的かつ効率的に提供されるよう配慮することを求めています。

第3項は、利用者の意思と人格を尊重し、常に利用者の立場に立って、提供されるサービスが特定の種類や特定の事業者に不当に偏しないよう、公正中立に行うことを定めています。同じ法人が訪問介護と居宅介護支援を持つ場合、この公正中立が運営の線になります。併設するときの線は訪問介護と同一法人の居宅介護支援を併設するときの線(公正中立・集中減算)で整理しています。

第4項は、市町村、地域包括支援センター、老人介護支援センター、他の居宅介護支援事業者、介護保険施設などとの連携に努めることを定めています。

この記事で決めること

訪問介護の事業者が、併設や連携を考える居宅介護支援の運営の中身を、契約時の説明、アセスメント、居宅サービス計画の作成、サービス担当者会議、月1回の利用者宅訪問とモニタリング記録、記録の保存で確かめ、訪問介護との接点を洗い出すための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、居宅介護支援の運営の確認表(契約時に説明する書類と同意の取り方・アセスメントを居宅で行う段取り・サービス担当者会議の招集の方法・月1回の面接とモニタリング記録の担当と様式・記録の保存の場所と期間・訪問介護の事業所に求める計画の提出と連絡の経路)を作成できる状態を目指します。

契約の開始前:重要事項を文書で説明して同意を得る

基準第4条第1項は、提供の開始に際し、あらかじめ利用申込者又はその家族に、運営規程の概要その他サービスの選択に資する重要事項を記した文書を交付して説明し、開始について同意を得ることを定めています。利用申込者又はその家族からの申出があり、電磁的方法の種類と内容を示して承諾を得れば、文書の交付に代えて電磁的方法で提供することもできます(第5項・第8項)。

第2項は、居宅サービス計画が基本方針と利用者の希望に基づき作成されるものであり、利用者は複数の居宅サービス事業者等を紹介するよう求めることができること等を説明し、理解を得ることを定めています。第3項は、前6月間に作成した居宅サービス計画のうち、訪問介護、通所介護、福祉用具貸与、地域密着型通所介護がそれぞれ位置付けられた計画の割合と、それぞれの回数のうち同一の事業者が提供したものの割合を説明し、理解を得るよう努めることを定めています。第3項は努力義務で、第1項・第2項は義務です。

第4項は、利用者が病院又は診療所に入院する必要が生じたときは、担当の介護支援専門員の氏名と連絡先を病院等に伝えるよう、利用者又はその家族に求めることを定めています。

アセスメントから居宅サービス計画の交付まで:居宅訪問での面接と、文書による同意

基準第13条は、居宅サービス計画の作成の流れを、号ごとに定めています。介護支援専門員は、適切な方法で利用者の有する能力や置かれている環境等を評価して、利用者が自立した日常生活を営めるよう支援する上で解決すべき課題を把握します(第6号)。

この課題の把握をアセスメントといい、利用者の居宅を訪問し、利用者及びその家族に面接して行わなければなりません(第7号)。面接の趣旨は、利用者と家族に十分に説明して理解を得ます。

次に、利用者の希望とアセスメントの結果に基づき、家族の希望と地域のサービス提供体制を考えて、最も適切なサービスの組合せを検討し、生活に対する意向、総合的な援助の方針、解決すべき課題、サービスの目標と達成時期、サービスの種類・内容・利用料、留意事項などを記載した居宅サービス計画の原案を作成します(第8号)。

そのうえで、サービス担当者会議を開き、原案に位置付けたサービスの担当者から専門的な見地の意見を求めます(第9号)。会議は、テレビ電話装置等を活用して行うことができ、利用者又はその家族が参加するときは活用について同意を得ます。末期の悪性腫瘍の患者で主治の医師等の意見を勘案して必要と認める場合などのやむを得ない理由があるときは、担当者への照会等で足ります。

原案は、位置付けたサービスが保険給付の対象かを区分したうえで、利用者又はその家族に説明し、文書により利用者の同意を得ます(第10号)。作成した居宅サービス計画は、利用者と担当者に交付します(第11号)。要介護更新認定や要介護状態区分の変更の認定を受けたときも、サービス担当者会議で計画の変更の必要性について担当者の意見を求めます(第15号)。

つまり、居宅サービス計画は、居宅訪問のアセスメント、原案、担当者会議、説明と文書の同意、交付の順で作られ、訪問介護の事業所は、会議の担当者として呼ばれ、交付を受ける側になります。

計画の作成後:月1回の面接とモニタリングの結果の記録

基準第13条第13号は、介護支援専門員が居宅サービス計画の作成後も、実施状況の把握(利用者についての継続的なアセスメントを含む)を行い、必要に応じて計画の変更や事業者との連絡調整を行うことを定めています。この実施状況の把握がモニタリングです(第14号)。

第14号は、モニタリングで利用者や家族、事業者等との連絡を継続的に行い、特段の事情のない限り、少なくとも1月に1回、利用者に面接し、少なくとも1月に1回、モニタリングの結果を記録することを定めています。面接は、利用者の居宅を訪問して行うのが原則です。

例外として、所定の条件のいずれにも該当する場合で、少なくとも2月に1回は居宅を訪問して面接するときは、訪問しない月はテレビ電話装置等を活用して面接できます。条件の細目は、この記事では読んでいないため、運営の確認では、基準の原文と担当窓口で確かめてください。

訪問介護の事業所から見ると、モニタリングは、介護支援専門員が利用者の状況や事業者の状況の連絡を受ける場でもあります。連絡の取り方は訪問介護のサービス提供・ケアマネ連携・月次報告で整理しています。

訪問介護の事業所に関わる点:計画の提出と、訪問介護を多く位置付けるときの届出

基準第13条第12号は、介護支援専門員が、居宅サービス計画に位置付けた事業者に対して、訪問介護計画など、居宅サービス等基準で位置付けられている計画の提出を求めるものと定めています。訪問介護の事業所は、居宅サービス計画に位置付けられたら、訪問介護計画を居宅介護支援の事業所に出す立場にあります。

第13号の2は、介護支援専門員が、事業者から利用者の情報の提供を受けたときなどに、服薬状況、口腔機能その他の心身や生活の状況の情報のうち必要と認めるものを、利用者の同意を得て主治の医師等又は薬剤師に提供するものと定めています。

第18号の2は、居宅サービス計画に、厚生労働大臣が定める回数以上の訪問介護を位置付ける場合は、その利用の妥当性を検討し、計画に訪問介護が必要な理由を記載して、市町村に届け出ることを定めています。第18号の3は、区分支給限度基準額に占める割合と訪問介護の割合が厚生労働大臣が定める基準に該当し、市町村から求めがあったときも、計画の利用の妥当性の検討と届出を求めています。回数や基準の具体的な数値は、この記事では読んでいないため、書いていません。

記録の整備:居宅介護支援台帳と連絡調整の記録は、完結の日から2年間

基準第29条第1項は、従業者、設備、備品、会計に関する諸記録を整備することを定めています。第2項は、利用者への居宅介護支援の提供に関する記録を整備し、その完結の日から2年間保存することを定めています。

対象は、事業者等との連絡調整の記録、個々の利用者ごとの居宅介護支援台帳(居宅サービス計画、アセスメントの結果の記録、サービス担当者会議等の記録、モニタリングの結果の記録)、身体的拘束等の態様と時間などの記録、市町村への通知の記録、苦情の内容等の記録、事故の状況と処置の記録です。

訪問介護の事業者が居宅介護支援を併設するときは、この台帳と記録の保管の場所と担当を、訪問介護の記録とは別に決めておくと整理しやすくなります。市町村が条例で別の定めをしていないかは、この記事では読んでいないため、担当窓口に確かめてください。

この記事で読んだ範囲と、次に確かめること

この記事で読んだのは、基準の第1条の2、第4条、第13条、第29条です。留意事項通知、報酬告示、運営基準減算、特定事業所加算、市町村の条例は読んでいません。個々の事業所が運営基準に適合しているかは、このページでは判断しません。

確認の順は、契約時に説明する書類と同意の取り方、アセスメントを居宅で行う段取り、サービス担当者会議の招集、月1回の面接とモニタリングの記録の担当と様式、記録の保存、の順に整理すると進めやすくなります。

居宅介護支援の人員は居宅介護支援事業所の人員基準:介護支援専門員は利用者44人ごとに1人・管理者の要件と兼務で、併設するときの線は訪問介護と同一法人の居宅介護支援を併設するときの線(公正中立・集中減算)で、ケアマネジャーとの連携は訪問介護のサービス提供・ケアマネ連携・月次報告で確認できます。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 併設や連携を考える居宅介護支援の事業所を決め、契約の開始時に交付する重要事項の文書と、利用者の同意を得る方法を確かめる
  2. アセスメントを利用者の居宅で面接して行う段取りと、居宅サービス計画の原案、サービス担当者会議、利用者の文書による同意、交付までの流れを、日付を入れて書き出す
  3. 月1回の利用者への面接とモニタリングの記録を、誰がいつ行い、どの様式で残すかを決め、記録の保存の場所と期間を確かめる
  4. 訪問介護の事業所として、居宅サービス計画に位置付けられたときの訪問介護計画の提出と、利用者の状況の連絡の経路を整理し、確認表を持って担当窓口に相談して、確かめた日と回答を記録する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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