開業準備 / 更新 2026-10-17

居宅介護支援事業所の人員基準:介護支援専門員は利用者44人ごとに1人・管理者の要件と兼務

居宅介護支援事業所には、常勤の介護支援専門員を利用者44人又はその端数ごとに1以上、常勤の管理者を1人置きます。管理者は原則として主任介護支援専門員で、一定の場合は他の職務との兼務ができます。訪問介護の事業所に居宅介護支援を加えるときの人員を、省令の条文で確かめます。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

介護支援専門員の員数(省令第2条)

指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号。以下「省令」)第2条第1項は、事業所ごとに常勤の介護支援専門員を1以上置くことを求めています。第2項は、員数の基準を、利用者の数が44又はその端数を増すごとに1と定めています。

介護予防支援の指定を併せて受けている場合などは、介護予防支援の利用者の数に3分の1を乗じた数を居宅介護支援の利用者の数に加えて数えます。第3項は、居宅サービス計画の情報を共有するための情報処理システム(国民健康保険中央会が運用・管理するもの)を利用し、かつ事務職員を配置している場合の基準を、利用者の数が49又はその端数を増すごとに1としています。この特例の条件を満たすかどうかは、指定権者に確認してください。

老企第22号(解釈通知)は、介護支援専門員は他の業務との兼務が認められているとしています。営業時間中は利用者が介護支援専門員に連絡を取れる体制が必要で、兼務などで事業所を不在にする場合も、管理者その他の従業者を通じて連絡が取れるようにしておきます。

介護支援専門員の員数の基準(省令第2条)
場合基準根拠
原則常勤を1以上。利用者の数が44又はその端数を増すごとに1第2条第1項・第2項
情報処理システムを利用し、かつ事務職員を配置している利用者の数が49又はその端数を増すごとに1第2条第3項
介護予防支援も併せて行う介護予防支援の利用者の数に3分の1を乗じた数を加えて数える第2条第2項のかっこ書き

この記事で決めること

訪問介護の事業所に居宅介護支援を併設・展開するか検討する読者が、居宅介護支援事業所に置く介護支援専門員の員数(利用者44人又はその端数ごとに1以上、情報システムの利用と事務職員の配置があれば49)、管理者の要件(常勤・主任介護支援専門員・専ら従事と兼務できる場合)、令和9年3月31日までの管理者の経過措置を、省令第2条・第3条と附則、老企第22号で確かめるための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、居宅介護支援事業所の人員の確認表(介護支援専門員の員数・管理者の要件・兼務)を作成できる状態を目指します。

管理者の要件(省令第3条)

第3条第1項は、事業所ごとに常勤の管理者を置くこととしています。第2項は、管理者を主任介護支援専門員とし、確保が著しく困難である等やむを得ない理由がある場合は、主任介護支援専門員でない介護支援専門員を管理者とすることができるとしています。

第3項は、管理者は専らその職務に従事する者とし、次の2つの場合を例外としています。1つは管理者が同じ事業所の介護支援専門員の職務に従事する場合、もう1つは管理者が他の事業所の職務に従事する場合です(管理する事業所の管理に支障がない場合に限る)。

管理者の経過措置(省令の附則第3条)

省令の附則(平成30年厚生労働省令第4号の附則第3条)は、令和9年3月31日までの間、主任介護支援専門員でない介護支援専門員を管理者とすることができるとしています。令和3年4月1日以後は、令和3年3月31日までに指定を受けている事業所で、同日の管理者が主任介護支援専門員でないものについて、引き続きその管理者を置けるという読み替えがあります。

令和9年4月1日以降の扱いは、取得した附則には書かれておらず、この記事では確認できていません。新しく居宅介護支援を始める場合の管理者の要件は、指定権者に確認してください。

訪問介護との兼務の考え方(老企第22号)

老企第22号は、管理者について、訪問サービスそのものに従事する従業者との兼務は一般的には管理者の業務に支障があると考えられるとしています。ただし、訪問サービスに従事する勤務時間が限られている職員なら支障がないと認められる場合もありうるとしています。

併設する事業所に原則として常駐する老人介護支援センターの職員や、訪問介護・訪問看護等の管理者等との兼務は可能と考えられるとしています。介護保険施設の常勤専従の介護支援専門員との兼務は認められません。

常勤の考え方では、同じ事業者が指定訪問介護事業所を併設している場合に、訪問介護事業所の管理者と居宅介護支援事業所の管理者を兼務している者は、勤務時間が所定の時間に達していれば常勤の要件を満たすと例示しています。なお、取得した通知の掲載版は改正前の記述を含むため、兼務の可否は指定権者に最新の運用を確認してください。

訪問介護と居宅介護支援の兼務の考え方(老企第22号の例示)
兼務の組み合わせ通知の考え方
居宅介護支援の管理者と、併設する訪問介護の管理者兼務は可能と考えられる。勤務時間が所定の時間に達していれば常勤要件を満たす
居宅介護支援の管理者と、訪問介護員として訪問に従事する職員一般的には管理者の業務に支障があると考えられる。訪問の勤務時間が限られていれば支障がないと認められる場合もありうる
介護支援専門員と、介護保険施設の常勤専従の介護支援専門員兼務は認められない

この記事で確かめていないことと次に読む記事

個々の事業所の配置や兼務が基準に適合するかは、指定権者が判断します。居宅介護支援の指定申請の手続き、設備と運営の基準、加算の算定要件はこの記事では扱いません。

訪問介護と同じ法人で居宅介護支援を運営するときの公正中立と特定事業所集中減算は「訪問介護と同一法人の居宅介護支援を併設するときの線(公正中立・集中減算)」に、ほかのサービスとの比較は「訪問介護から広げる5サービスの比較:指定の主体・人員・管理者の兼務」にまとめています。訪問介護側の人員は「訪問介護の人員基準」で確認できます。

人員の次に確かめる:居宅介護支援の運営基準

人員を確保したあとは、契約の説明、居宅訪問のアセスメント、サービス担当者会議、月1回の面接とモニタリングの記録といった運営の基準を確かめます。条文の整理は居宅介護支援の運営基準:契約の説明・アセスメント・ケアプラン作成・月1回のモニタリング記録にあります。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 想定する利用者数を書き、省令第2条第2項の44人又はその端数ごとに1の計算で必要な常勤の介護支援専門員の員数を出す。情報システムの利用と事務職員の配置があるときの49人の扱いは、指定権者に条件を確認する
  2. 管理者になる人が主任介護支援専門員かを確かめ、そうでない場合は、省令のただし書きの「やむを得ない理由」と附則の経過措置のどちらに当たるかを指定権者に確認する
  3. 管理者や介護支援専門員が訪問介護など他の職務を兼ねる予定があれば、兼務先・勤務時間・管理業務への支障の有無を書き出し、省令第3条第3項と老企第22号に照らして指定権者に確認する
  4. 営業時間中に利用者からの相談に対応できる連絡体制(不在時の連絡先)を決め、勤務表に反映する

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

居宅介護支援事業所に介護支援専門員は何人必要ですか?

省令第2条は、事業所ごとに常勤の介護支援専門員を1以上置くこととし、員数の基準は利用者の数が44又はその端数を増すごとに1としています。国民健康保険中央会のシステムで居宅サービス計画の情報を共有する情報処理システムを利用し、かつ事務職員を配置している場合は49又はその端数ごとに1です。介護予防支援も行う場合は利用者の数の数え方が変わるため、実際の人数は指定権者に確認してください。

居宅介護支援の管理者は主任介護支援専門員でなければなりませんか?

省令第3条第2項は、管理者を主任介護支援専門員とし、確保が著しく困難である等やむを得ない理由がある場合は主任でない介護支援専門員でもよいとしています。省令の附則には令和9年3月31日までの経過措置がありますが、令和9年4月1日以降の扱いは附則に書かれておらず、この記事では確認できていません。指定権者に確認してください。

訪問介護の管理者が居宅介護支援の管理者を兼ねることはできますか?

省令第3条第3項は、管理者が他の事業所の職務に従事する場合を、管理する事業所の管理に支障がない場合に限り専ら従事の例外としています。老企第22号は、併設する訪問介護の管理者等との兼務は可能と考えられるとし、訪問サービスそのものに従事する従業者との兼務は一般的には管理に支障があると考えられるとしています。個別の可否は指定権者に確認してください。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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