運営 / 更新 2026-10-20

身体介護中心型と生活援助中心型の分け方:動作介護・身の回り介護・生活介護の3分類

訪問介護で身体介護中心型と生活援助中心型のどちらの所定単位数を算定するかは、留意事項通知の「訪問介護の区分」が考え方を示しています。身体介護の行為を動作介護・身の回り介護・生活介護の3つに分け、その手間をもとに判断します。通知の原文を順に確認し、事業所が記録で確かめることを整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

区分を決める前提:一連の流れを細かく区分しない

通知は、訪問介護の区分を身体介護が中心である場合(身体介護中心型)と、生活援助が中心である場合(生活援助中心型)の二区分としています。1回の訪問で身体介護と生活援助が混在する場合は、全体としてどちらかの型の単位数を算定するのではなく、身体介護に該当する行為がどの程度含まれるかを基準に、身体介護と生活援助を組み合わせて算定するとしています。

この場合の注意として、身体介護のサービス行為の一連の流れを細かく区分しないよう、通知は求めています。例として、食事介助の一連の流れに配下膳が含まれている場合は、その配下膳の行為だけをもって生活援助の単独行為として取り扱わないと書いています。

個別のサービス項目が身体介護か生活援助かは、老計10号とは?訪問介護でできること・できないことで項目ごとに確認できます。この記事は、型を決める考え方だけを扱います。

この記事で決めること

訪問介護の事業者や管理者が、留意事項通知(老企第36号)の「訪問介護の区分」にある、身体介護を動作介護・身の回り介護・生活介護の3つに分類する考え方と、身体介護中心型・生活援助中心型のどちらの所定単位数を算定するかの判断の仕方(通知の例)、型を確定する手順、食事介助の配下膳を生活援助として分けない扱いを、原文で確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、訪問介護の区分の判断メモ(事業所の運用例:行為の一覧・3分類・時間・身体介護中心型か生活援助中心型かの判断・同意の記録)を作成できる状態を目指します。

身体介護の3分類

通知は、型を判断するときに、まず身体介護に要する一般的な時間や内容から見て、身体介護を構成する個々の行為を、次の3つに大きく分類するとしています。

分類は、行為にかかる手間の大きさで分けられています。表の行為名は、通知に挙げられた例のとおりです。

身体介護を構成する行為の3分類(留意事項通知)
分類通知の説明通知に挙げられた行為
動作介護比較的手間のかからないもの体位変換、移動介助、移乗介助、起床介助(寝床から起こす介助)、就寝介助(寝床に寝かす介助)など
身の回り介護ある程度手間のかかるもの排泄介助、部分清拭、部分浴介助、整容介助、更衣介助など
生活介護さらに長い時間で手間のかかるもの食事介助、全身清拭、全身浴介助など

どちらの型の単位数になるか(通知の例)

通知は、3分類をもとに、身体介護中心型になる場合と生活援助中心型になる場合を、次のように示しています。表の例の時間は、通知に書かれた例の時間です。

なお通知は、訪問介護の内容が単なる本人の安否確認や健康チェックであり、それに伴い若干の身体介護又は生活援助を行う場合には、訪問介護費は算定できないとも書いています。

身体介護中心型・生活援助中心型になる場合(留意事項通知)
型当てはまる場合通知の例
身体介護中心型専ら身体介護を行う場合。主として生活介護や身の回り介護を行うとともに、これに関連して若干の生活援助を行う場合簡単な調理の後(5分程度)、食事介助を行う(50分程度)場合は、所要時間30分以上1時間未満の身体介護中心型
生活援助中心型専ら生活援助を行う場合。生活援助に伴い若干の動作介護を行う場合利用者の居室から居間までの移動介助を行った後(5分程度)、居室の掃除(35分程度)を行う場合は、所要時間20分以上45分未満の生活援助中心型

型を確定する手順

通知は、訪問介護事業者が、居宅サービス計画の作成時点で、利用者が選んだ居宅介護支援事業者と十分に連携を図ることを求めています。そのうえで、利用者の心身の状況や意向を踏まえて適切な型が適用されるよう留意し、訪問介護計画の作成の際に、利用者又はその家族に十分な説明を行い、その同意の上で、いずれの型かを確定するものとしています。

つまり、型は訪問の後で決めるのではなく、計画の段階で、説明と同意を経て決めます。1回の訪問で身体介護と生活援助が混在する場合の組み合わせの算定は、通知の別の項(混在する場合の取扱い)で扱われています。

記録で確かめること

次の表の項目は、通知の考え方に合わせた事業所の運用の例で、通知が定めた様式ではありません。身体介護に引き続いて生活援助を行うときの加算は、身体介護に引き続く生活援助の加算で確認できます。

区分の判断で決めておく事項(事業所の運用の例)
確認すること通知との対応
1回の訪問の行為を、動作介護・身の回り介護・生活介護と生活援助に分けて書き出す身体介護を3分類にして判断する
配下膳のように一連の流れに入る行為は、まとめて身体介護として記録する一連の流れを細かく区分しない
計画作成時に、利用者又は家族に型を説明して同意を得た日を記録する同意の上で型を確定する
安否確認や健康チェックだけの訪問になっていないかを、記録で確かめる単なる安否確認や健康チェックは算定できない

確かめた資料と確認できていないこと

この記事は、2026年10月20日に、留意事項通知(平成12年3月1日老企第36号)の第2の2(2)「訪問介護の区分」を、厚生労働省が掲載する平成27年度改正時点のPDFで読んで書きました。令和6年度の新旧対照表では、この項は「(略)」とされていて、同じ項に改正の記載は見つかりませんでした。

令和8年度の改正で、この項が変わっていないかは、確認できていません。この記事は、個別の訪問がどちらの型に当たるかを判断するものではありません。算定の可否は、居宅介護支援事業者や、事業所を指定した都道府県・市町村に確認してください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 1回の訪問で行う行為を、居宅サービス計画と訪問介護計画の内容から書き出し、身体介護の行為を動作介護・身の回り介護・生活介護に分けて、それぞれの標準的な時間を書く
  2. 専ら身体介護か、主として生活介護や身の回り介護に関連して若干の生活援助を行うか、専ら生活援助か、生活援助に伴い若干の動作介護を行うかを、通知の例と見比べて判断する
  3. 食事介助の配下膳のように身体介護の一連の流れに入る行為は、細かく区分せず、まとめて身体介護として扱っているかを確かめる
  4. 訪問介護計画の作成時に、利用者又は家族に型の説明をして同意を得た日を記録し、迷う点は居宅介護支援事業者と指定権者に確認して日付とともに残す

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

食事介助の途中の配下膳は、生活援助として別に数えますか?

留意事項通知は、身体介護のサービス行為の一連の流れを細かく区分しないよう留意すると書いています。例として、食事介助の一連の流れに配下膳が含まれている場合は、その配下膳の行為だけをもって生活援助の単独行為として取り扱わないとしています。

簡単な調理をしてから食事介助をする場合は、どちらの型になりますか?

通知は、簡単な調理の後(5分程度)、食事介助を行う(50分程度)場合を、所要時間30分以上1時間未満の身体介護中心型の例にしています。主として生活介護や身の回り介護を行い、これに関連して若干の生活援助を行う場合に当たるためです。個別の訪問の判断は、居宅介護支援事業者と指定権者に確認してください。

安否確認や健康チェックだけの訪問でも、訪問介護費は算定できますか?

通知は、訪問介護の内容が単なる本人の安否確認や健康チェックであり、それに伴い若干の身体介護又は生活援助を行う場合には、訪問介護費は算定できないと書いています。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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