運営 / 更新 2026-10-13

訪問介護員の正社員化で使うキャリアアップ助成金:支給額・受給条件・計画の提出時期

パートや有期契約の訪問介護員を正社員に転換するとき、キャリアアップ助成金の正社員化コースが使えることがあります。助成額は1人あたり、重点支援対象者で中小企業の有期雇用労働者なら80万円です。このページは、厚生労働省のページとリーフレット(令和8年4月8日版)で、助成額、受給条件、計画の提出時期、申請期限を整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

有期契約やパートの訪問介護員を正社員へ転換する訪問介護事業所の経営者や担当者が、キャリアアップ助成金(正社員化コース)の助成額、重点支援対象者、受給条件、キャリアアップ計画の提出時期、支給申請の期限を、厚生労働省の案内で確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、正社員化の確認票(転換する職員と雇用形態、転換日、キャリアアップ計画の提出日、就業規則の転換規定、転換後6か月の賃金の比較、支給申請の期限)を作成できる状態を目指します。

正社員化コースの仕組みと、助成額

厚生労働省の案内によると、キャリアアップ助成金は、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といった非正規雇用の労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化や処遇改善の取組を行った事業主に助成する制度です。正社員化コースは、有期雇用労働者等を正規雇用労働者に転換した事業主に助成します。

1人あたりの助成額は、転換前の雇用形態、企業規模、重点支援対象者かどうかで決まります。重点支援対象者は2期に分けて支給され、それ以外は1期です。

正社員化コースの1人あたり助成額(厚生労働省リーフレット令和8年4月8日版、2026-10-13確認)
区分転換前が有期雇用労働者転換前が無期雇用労働者
重点支援対象者・中小企業80万円(40万円×2期)40万円(20万円×2期)
重点支援対象者・大企業60万円(30万円×2期)30万円(15万円×2期)
上記以外・中小企業40万円(40万円×1期)20万円(20万円×1期)
上記以外・大企業30万円(30万円×1期)15万円(15万円×1期)

重点支援対象者と、事業所ごとの加算額

リーフレットによると、重点支援対象者は次のa〜cのいずれかに当たる人です。aは雇入れから3年以上の有期雇用労働者、bは雇入れから3年未満で、過去5年間に正規雇用労働者であった期間が合計1年以下、かつ過去1年間に正規雇用労働者として雇用されていない有期雇用労働者、cは派遣労働者、母子家庭の母等、人材開発支援助成金の特定の訓練修了者です。

このほか、1事業所あたり1回だけ、加算額があります。正社員転換制度を新たに規定して転換した場合は20万円(大企業15万円)、勤務地限定・職務限定・短時間正社員のいずれか1つ以上の多様な正社員制度を新たに規定して転換した場合は40万円(大企業30万円)、転換等に係る情報を自らウェブサイトか職場情報総合サイト(しょくばらぼ)に公表した場合は20万円(大企業15万円)です。

受給条件の3つ

リーフレットの受給条件は3つです。1つ目は、転換する前日までにキャリアアップ計画を作成して提出していること、2つ目は、正規雇用労働者に転換する制度を就業規則などに規定していることです。3つ目は、転換後6か月間の賃金を、転換前6か月間の賃金より3%以上増額させていることです。

キャリアアップ計画は、労働者のキャリアアップに向けた取組を計画的に進めるための、今後の大まかなイメージを記載した計画です。厚生労働省のページは、労働組合等の意見を聴いて作成し、各コース実施日の前日までに提出するとしており、転換日の前日までに計画を提出していないと、この条件を満たしません。なお、雇用された期間が通算5年を超える有期雇用労働者は、無期雇用労働者とみなされます。

この助成金でいう正規雇用労働者は、同一の事業所内の正規雇用労働者に適用される就業規則が適用されている労働者のうち、賞与または退職金の制度と昇給が転換時点で適用されている人です。支給対象期間中に予定されている賞与や昇給が適用されていないと、正規雇用労働者の要件を満たさず、支給対象にならない場合があります。

転換から申請までの流れと、対象外

流れは、キャリアアップ計画の作成・提出、就業規則等の改定(転換規定がない場合など)、正社員転換、転換後6か月分の賃金の支払い、支給申請の順です。支給申請は、転換後6か月の賃金を支払った日の翌日から起算して2か月以内に行います。重点支援対象者は、さらに6か月雇用した後に、2期目の申請ができます。

新規学卒者で雇入れから一定期間が経過していない人は、支給の対象外です。厚生労働省のページは、支給申請様式や支給金額が各コースの取組を行った日で変わるとしているため、申請のときは該当する様式を使います。

このページの範囲と、あわせて確認するページ

このページが確認したのは、厚生労働省のキャリアアップ助成金のページと、正社員化コースのリーフレット(令和8年4月8日版)です。個々の職員の転換が対象になるか、いくら支給されるかは判断しません。他のコースの要件や詳細は、パンフレットと、都道府県労働局またはハローワークで確認してください。

有期契約の無期転換は有期契約の無期転換ルールで、短時間職員の待遇はパートタイム労働者の待遇で、ハローワーク紹介の採用の助成金は特定求職者雇用開発助成金で確認できます。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 転換する職員の現在の雇用形態(有期雇用、無期雇用、短時間)と雇入れからの期間を確認票に書く。重点支援対象者に当たるかを、厚生労働省のリーフレットの区分で確認する
  2. 正社員へ転換する日の前日までに、キャリアアップ計画を作成して管轄の労働局へ提出する日を決める。転換する制度が就業規則などに規定されているか、賞与または退職金の制度と昇給が転換時点で適用されるかも確認する
  3. 転換後6か月間の賃金が、転換前6か月間の賃金より3%以上増えるかを、賃金台帳で試算して確認票に書く。増額に届かない場合は転換日や賃金を見直す
  4. 転換後6か月の賃金を支払った日の翌日から2か月以内という支給申請の期限を手続き票に書く。重点支援対象者は、さらに6か月雇用した後に2期目の申請をする予定日も書く

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

次に読む: パート・登録ヘルパーの待遇差と説明義務:2026年10月の明示事項の追加 →