運営 / 更新 2026-10-13

訪問介護員採用の特定求職者雇用開発助成金:対象者・支給額・紹介の条件

訪問介護員の採用では、高年齢者や障害者などをハローワーク等の紹介で雇い入れると、特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)の対象になることがあります。支給額は対象者と企業規模で変わり、短時間労働者以外の重度障害者等を中小企業が雇うと240万円です。このページは、厚生労働省の案内で、支給要件、支給額、令和8年の変更点を整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

訪問介護事業所の経営者や採用担当者が、ハローワーク等の紹介で高年齢者や障害者などを雇い入れる前に、特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)の支給要件、対象者と企業規模ごとの支給額、令和8年の変更点、申請書類の注意点を、厚生労働省の案内で確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、特定求職者雇用開発助成金の確認票(募集する職種と雇用形態、ハローワーク等への求人の出し方、対象労働者かどうかの確認、雇用保険の加入と継続雇用の見込み、賃金台帳の整備)を作成できる状態を目指します。

助成金の仕組みと、支給要件の2つ

厚生労働省の案内によると、この助成金は、高年齢者や障害者等の就職困難者を、ハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に助成されます。対象かどうかは、次の支給要件と対象労働者の類型で決まります。

主な支給要件は、ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れることと、雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者として雇い入れ、継続して雇用することが確実と認められることの2つです。ここでいう継続とは、対象労働者が65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ雇用期間が継続して2年以上であることを指します。

民間の職業紹介事業者等は、どこでもよいわけではありません。厚生労働省の案内は、許可を受けた有料・無料職業紹介事業者や届出を行った無料職業紹介事業者のうち、この助成金の取扱いに同意する旨の届出を労働局長に提出している事業者等としています。このほか雇用関係助成金に共通の要件があるため、詳細はパンフレットとハローワークで確認します。

対象者と企業規模ごとの支給額

支給額は、対象労働者の類型と企業規模に応じて、1人あたり次の表のとおりです。括弧内は中小企業事業主以外に対する額と助成対象期間です。支給は支給対象期ごとに行われ、支給対象期ごとの額は、その期に対象労働者が行った労働に対して支払った賃金額が上限です。

重度障害者等とは、重度の身体・知的障害者、45歳以上の身体・知的障害者、精神障害者をいいます。短時間労働者は、1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の人です。最低賃金法第7条の減額特例の許可を受けている場合は、支給の考え方が別になるため、ハローワークで確認します。

特定就職困難者コースの支給額(厚生労働省「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」、2026-10-13確認。括弧内は中小企業以外)
対象労働者支給額助成対象期間支給対象期ごとの額
短時間労働者以外:高年齢者(60歳以上)、母子家庭の母等60万円(50万円)1年(1年)30万円×2期(25万円×2期)
短時間労働者以外:重度障害者等を除く身体・知的障害者120万円(50万円)2年(1年)30万円×4期(25万円×2期)
短時間労働者以外:重度障害者等240万円(100万円)3年(1年6か月)40万円×6期(33万円×3期。第3期は34万円)
短時間労働者:高年齢者(60歳以上)、母子家庭の母等40万円(30万円)1年(1年)20万円×2期(15万円×2期)
短時間労働者:重度障害者等を含む身体・知的・精神障害者80万円(30万円)2年(1年)20万円×4期(15万円×2期)

令和8年の変更点:高年齢者の要件と賃金台帳

厚生労働省の案内には、令和8年に関する2つの重要なお知らせがあります。1つ目は高年齢者(60歳以上)の要件の見直しです。令和8年5月1日以降は、ハローワーク等で就労に向けた個別支援を受けている60歳以上の方が対象労働者となります。

厚生労働省の案内は、原則として、特定求職者雇用開発助成金の対象労働者であることを明示した職業紹介を行った場合のみ、支給申請ができるとしています。2つ目は、令和8年4月以降の申請分から、添付書類として賃金台帳の提出が確認できないと不支給になることです。

賃金台帳は、労働基準法で記入事項が定められている書類です。厚生労働省のページに様式例があります。書類の不備や添付書類の不足がある場合は受理されないため、支給申請の前に、台帳が様式例の項目を満たしているかを確かめます。

訪問介護事業所が採用の前に確認すること

厚生労働省の案内では、支給申請の窓口は労働局とハローワークで、対象労働者であることを明示した職業紹介が原則の条件です。採用の前に、雇用形態(週の所定労働時間、雇用保険の加入)と、継続して雇用する見込みを整理し、窓口で確認します。

訪問介護には、登録型で週の勤務時間が短い働き方もあります。厚生労働省の案内は、雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者として雇い入れることを要件としているため、雇用保険の加入の有無が助成金の前提になります。加入の考え方は訪問介護員の雇用保険の加入で確認できます。

このページの範囲と、あわせて確認するページ

このページが確認したのは、厚生労働省の特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)のページです。個々の採用が対象になるか、いくら支給されるかは判断しません。支給額の最終的な確認と申請は、事業所の所在地の労働局とハローワークで行ってください。

研修費用の助成は人材開発支援助成金で、障害者の雇用義務は障害者雇用の義務で、採用活動の進め方は採用の運営で確認できます。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. ハローワークまたは職業紹介事業者に求人を出す前に、助成金の対象になりうる採用かを管轄のハローワークに相談する。対象労働者であることを明示した紹介でなければ申請できないという厚生労働省の案内を、確認票の最初に書く
  2. 募集する訪問介護員の雇用形態(週の所定労働時間、雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者として雇い入れるか)を決める。短時間労働者は週20時間以上30時間未満の区分であることを書く
  3. 対象労働者を65歳以上に達するまで継続して雇用し、雇用期間が継続して2年以上になる見込みかを、採用の前に確認票へ書く。確実と認められることが支給要件であるため、担当者が雇用計画を説明できるようにする
  4. 賃金台帳を労働基準法で定められた記入事項どおりに整える。令和8年4月以降の申請分は賃金台帳が添付されていないと不支給になるため、支給対象期ごとの申請前に台帳の提出準備を確認する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

次に読む: 訪問介護員の採用・研修・定着計画 →