運営 / 更新 2026-10-30

育児・介護の申出を受けたときの個別周知と意向確認:知らせる事項と方法(法第21条)

訪問介護員から、本人や配偶者の妊娠・出産、または家族が介護を必要とする状況になったと申し出られたとき、事業者は、育児・介護休業法第21条にもとづいて、制度を個別に知らせ、意向を確認する措置を講じなければなりません。この記事は、育児と介護の場面ごとに、知らせる事項、方法、時期、介護の40歳の情報提供を、条文と厚生労働省の資料で整理します。

個別に知らせる3つの場面の早見表(法第21条)

第21条は、事業主が労働者に個別に知らせる場面を3つ定めています。第1項は本人または配偶者の妊娠・出産等の申出を受けたとき、第4項は対象家族が介護を必要とする状況に至ったとの申出を受けたとき、第5項は労働者が40歳に達した日の属する年度などの期間に入ったときです。

第1項と第4項は、知らせるだけでなく、意向を確認するための面談その他の措置も求めています。第5項は、知らせることだけが義務です。

法第21条の3つの場面の早見表(2026-10-30にe-Govで条文を確認)
場面事業主がすること条文
本人または配偶者の妊娠・出産等の申出育児休業の制度などを知らせ、意向を確認する措置を講じる第1項
家族が介護を必要とする状況になったとの申出介護休業や両立支援制度等を知らせ、意向を確認する措置を講じる第4項
労働者が40歳に達した日の属する年度などの期間介護休業や両立支援制度等を知らせる第5項

この記事で決めること

訪問介護員から本人や配偶者の妊娠・出産、または家族が介護を必要とする状況になったとの申出を受けた事業者が、育児・介護休業法第21条の個別の周知と意向確認で、知らせる事項と方法、介護の40歳の情報提供を条文で確かめる記事。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、個別周知・意向確認の記録(1枚):申出を受けた日、申出の種類、知らせた事項と方法、意向確認の日を作成できる状態を目指します。

妊娠・出産の申出を受けたとき:知らせる4つの事項と方法

施行規則第69条の4は、知らせる事項を4つ定めています。育児休業に関する制度、育児休業申出等の申出先、育児休業給付と出生後休業支援給付に関すること、育児休業期間と出生時育児休業期間に労働者が負担する社会保険料の取扱いです。

知らせる方法は、面談、書面の交付、ファクシミリ、電子メール等の送信のいずれかです(第69条の3)。ファクシミリと電子メール等は、労働者が希望する場合に限られ、電子メール等は労働者が出力して書面にできるものでなければなりません。

第2項は、子の心身の状況や家庭の状況に起因して、出生の日以後に両立の支障となる事情が生じるおそれがあるときの、就業に関する条件の意向を確認することを求めています。第3項は、確認した意向に配慮することを求めています。

介護に直面した旨の申出を受けたとき:知らせる事項と時期

施行規則第69条の10は、知らせる事項を、介護休業に関する制度と両立支援制度等、その申出先、介護休業給付金に関することと定めています。両立支援制度等は、第69条の9の5つで、介護休暇、所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限、介護のための所定労働時間の短縮等の措置です。

厚生労働省の解説パンフレットは、日々雇用者を除き、有期雇用労働者も、別の要件を課さずに対象になると説明しています。面談はオンラインでも行えますが、音声のみの通話は面談による方法に含まれません。

意向確認の時期は、パンフレットが具体例を示しています。介護休業は、開始希望日の1か月以上前の申出なら開始希望日の2週間前まで、1か月以内の申出ならできる限り早い時期です。両立支援制度等は、開始希望日の2か月以上前の申出なら1か月前まで、2か月以内の申出ならできる限り早い時期です。

40歳の情報提供:期間は2通りのどちらか

第5項の情報提供は、介護の申出がなくても、労働者が一定の年齢に達する時期に行います。施行規則第69条の13は、その期間を、40歳に達した日の属する年度の初日から末日までの期間か、40歳に達した日の翌日から1年間のどちらかと定めています。

知らせる事項は、介護で申出を受けたときと同じ事項です(第69条の12)。事業所は、どちらの期間で運用するかを就業規則などに書いておくと、毎年の対象者を生年月日から確かめやすくなります。

申出を理由とする不利益取扱いの禁止と、訪問介護での確かめ方

第6項は、第1項か第4項の申出をしたことや、確認された意向の内容を理由に、解雇その他の不利益な取扱いをしてはならないと定めています。申出の段階で、休業の取得を控えさせるような伝え方をしないよう、知らせる内容を文書にそろえておくと、説明がぶれません。

訪問介護では、登録ヘルパーなど短い時間で働く人や有期雇用の人も、日々雇用者を除けば対象に含めて考えます。契約の形は訪問介護の登録ヘルパーの雇用契約・勤務表・移動時間で、介護休業中の給付は訪問介護員が家族の介護で休むときの介護休業給付で確かめられます。

確かめた範囲と、次に読む記事

この記事は、育児・介護休業法の第21条と、同法施行規則の第69条の3から第69条の5、第69条の9から第69条の13を、2026年10月30日にe-Gov法令検索で確かめた内容です。厚生労働省の解説パンフレットは、対象者、面談の方法、意向確認の時期を確かめました。

知らせる文面や面談の進め方、個別の労働者への対応は、事業所の就業規則や都道府県労働局の案内を確かめて決めてください。次に読む記事は2本です。休業の申出は訪問介護の育児休業・介護休業・看護休暇、残業や深夜の勤務の制限は育児・介護中の訪問介護員の残業免除と深夜業の制限にあります。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 申出を受けた日、申出をした人、申出の種類(本人または配偶者の妊娠・出産、家族が介護を必要とする状況、40歳)を書き、有期雇用や登録ヘルパーも対象に含めて確かめる
  2. 育児なら育児休業の制度・申出先・給付・社会保険料の取扱い、介護なら介護休業と5つの両立支援制度・申出先・介護休業給付金を、面談か書面などで知らせた日と方法を記録する
  3. ファクシミリや電子メール等で知らせた場合は、労働者が希望した方法かを確かめ、希望を聞いた記録を残す
  4. 意向を確認した日と内容を書き、希望の開始日に間に合う時期に確認したか、申出をしたことを理由に不利益な扱いをしていないかを見直す

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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