運営 / 更新 2026-10-20

育児で時短勤務するヘルパーの育児時短就業給付金:賃金の10%・2歳未満・申請の期限

2歳未満の子を育てるために所定労働時間を短くしたヘルパーには、雇用保険から育児時短就業給付金が出る場合があります。給付額は原則として、時短中の各月に支払った賃金額の10%です。厚生労働省のパンフレットで、対象の条件、支給される月、事業主が行う届出と申請の期限を確認します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

対象になる職員と、支給される月

育児時短就業給付金は、2歳未満の子を養育するために1週間あたりの所定労働時間を短くして働く、雇用保険の一般被保険者と高年齢被保険者が対象です。2025年4月1日に創設された給付金で、育児休業給付の対象の育児休業から引き続き、同じ子について時短を始めた場合か、時短を始める前の2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月が12か月ある場合に、受給資格があります。対象の時短は、被保険者の申出に基づいて事業主が講じた措置です。

支給されるのは、初日から末日まで続けて被保険者である月、所定労働時間を短くして働いた期間がある月、月の初日から末日まで続けて育児休業給付や介護休業給付を受けられる休業をしていた月ではない月、高年齢雇用継続給付の対象になっていない月です。休業から復職した月のように、月の一部だけ休業した月は、この条件では除かれません。時短を始めた日の属する月から終えた日の属する月までが支給対象月で、子が2歳に達する日の前日(「2歳に達する日」は2歳の誕生日の前日)の属する月までが上限です。

支給対象月の条件(厚生労働省「育児時短就業給付の内容と支給申請手続」)
条件内容
被保険者であること月の初日から末日まで続けて被保険者である月。月の途中で離職した月は対象外(月の末日に離職した場合は対象)
時短就業があること1週間あたりの所定労働時間を短くして働いた期間がある月
ほかの給付と重ならないこと月の初日から末日まで続けて育児休業給付・介護休業給付を受けられる休業をしていた月は対象外。高年齢雇用継続給付の対象の月も対象外

この記事で決めること

訪問介護事業所の経営者や、2歳未満の子を育てるために所定労働時間を短くしたヘルパーが、育児時短就業給付金の対象になる条件、給付額(賃金の10%)、支給の期間、事業主が行う届出と申請の期限を、厚生労働省のパンフレットで確認するため。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、育児時短就業給付金の手続き記録(時短を開始した日・週所定労働時間の変更前後・届出と2か月ごとの申請の期限)を作成できる状態を目指します。

給付額は賃金の10%。上限と調整がある

支給額は、原則として支給対象月に支払われた賃金額に10%を掛けた額です。賃金が時短開始時の賃金月額の90%を超え100%未満のときは、支給額と賃金の合計が開始時の賃金月額を超えないよう、支給率が調整されます(100%以上の月は、パンフレットの図のとおり支給の対象になりません)。調整後の支給率の計算式は、パンフレットに載っています。

2026年8月1日時点版のパンフレットでは、2027年7月31日までの額として、時短開始時の賃金月額の上限が496,200円、下限が96,090円、支給限度額が484,121円、支給額が2,562円を超えない場合は支給されないと案内しています。これらの金額は、毎月勤労統計の平均定期給与額により毎年8月1日に改定されます。

給付額の考え方(2027年7月31日までの額。厚生労働省のパンフレット)
項目内容
原則の支給額支給対象月に支払われた賃金額×10%
賃金が開始時の90%超〜100%未満賃金額×調整後の支給率(賃金と支給額の合計が開始時賃金月額を超えない)
支給限度額484,121円(賃金に支給額を足した額が超えるときは、484,121円から賃金額を引いた額)
支給されない場合支給額が2,562円を超えないとき

訪問介護で起こりやすい場面:週20時間と、シフト制の時短

短縮後の週所定労働時間に上限と下限はなく、育児・介護休業法の短時間勤務(1日6時間)に限りません。短時間正社員やパートタイムに転換した場合も、育児のための時短なら対象です。ただし、短縮後の週所定労働時間が20時間を下回ると、小学校就学の始期までに週20時間以上へ戻ることが就業規則などの書面で確認できる場合を除き、雇用保険の被保険者でなくなり、対象外になります(訪問介護員の雇用保険の加入要件:週20時間・31日以上の見込みと資格取得届の期限)。

契約の時点では労働日や労働時間を確定せず、毎月の勤務割で初めて確定する形で働くヘルパーは、パンフレットが示す「シフト制」の扱いになります。実際の労働時間から1週間あたりの平均労働時間を算定し、短縮が確認できるときに育児時短就業と取り扱います。

契約で週の所定労働時間が決まっている場合は、その時間の短縮が対象です。変形労働時間制の場合は、対象期間の総労働時間を短縮したときに対象になり、総労働時間を変えずに閑散期の週を短くしただけでは対象になりません。

事業主の届出と申請の期限

支給を受けるには、職員を雇用する事業主が、育児時短就業開始時賃金の届出、受給資格の確認、支給申請を事業所を管轄するハローワークで行います。育児休業給付の対象の育児休業から引き続き(休業を終えた日と時短を始めた日の間が14日以内)同じ子について時短を始めた場合は、開始時賃金の届出は不要です。支給申請は原則として2つの支給対象月について2か月ごとに行い、期限は支給対象月の初日から4か月以内です。

職員が希望すれば、本人が受給資格の確認と支給申請を行うことや、1か月ごとに申請することもできます。ただし、開始時賃金の届出は事業主が行います。申請には、賃金台帳や出勤簿、タイムカード、労働条件通知書など、賃金の額・支払状況と短縮後の所定労働時間が確認できる書類を添えます。

手続きの流れ(厚生労働省のパンフレット)
手続き期限行う人
育児時短就業開始時賃金の届出初回の支給申請まで(育児休業から14日以内に続けて時短を始めた場合は不要)事業主
受給資格の確認初回の支給申請と同時でもよい事業主(本人が希望すれば本人)
支給申請原則2か月ごと。支給対象月の初日から4か月以内事業主(本人が希望すれば本人)

確かめた資料と確認できていないこと

この記事は、2026年10月20日に、厚生労働省の「育児時短就業給付の内容と支給申請手続」(2026年8月1日時点版)を読んで書きました。育児休業給付金・出生時育児休業給付金・出生後休業支援給付金、個人ごとの給付額の試算、受給できるかどうかの判断は扱っていません。

給付の可否や金額は、個人の雇用保険の加入状況や賃金によって変わります。迷う点は、事業所を管轄するハローワークや社会保険労務士に確認してください。産前産後の休みは訪問介護員の産前産後休業:労働基準法第65条の期間と、社会保険料の免除・出産手当金、育児のための休業や時短の申出は訪問介護事業所の育児休業・介護休業・看護休暇:申出を拒めない場面と労使協定で除外できる範囲で確認できます。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 2歳未満の子を育てるために所定労働時間を短くしたい職員から申出があったとき、短縮前後の週所定労働時間と開始日を労働条件通知書などで記録する。短縮後が週20時間を下回る場合は、雇用保険の被保険者のままか確かめる
  2. 育児休業給付の対象になった育児休業から14日以内に時短を始めるかどうかを確認し、該当しなければ、時短開始時の賃金証明書を準備する
  3. 支給対象月ごとに、その月に支払った賃金額と、賃金台帳・出勤簿などの添付書類を整理し、2か月ごとの申請の期限(支給対象月の初日から4か月以内)を記録に書く
  4. 給付の上限額や賃金月額の範囲は毎年8月1日に改定されるため、年度の始めではなく8月以降に厚生労働省のパンフレットで金額を確かめ直す

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

育児時短就業給付金はいくら支給されますか?

原則として、時短就業中の各月に支払われた賃金額の10%です。賃金が時短開始時の賃金月額の90%を超える場合は支給率が調整され、支給額と賃金の合計が開始時の賃金額を超えないようになります(厚生労働省のパンフレット)。

時短で週の所定労働時間が20時間を下回ると、給付金は出ませんか?

週20時間を下回ると雇用保険の被保険者でなくなるため、支給の対象になりません。ただし、小学校就学の始期までに週20時間以上の労働条件に戻ることが就業規則等の書面で確認できる場合は、被保険者のままです。

給付金の申請は、職員が自分でできますか?

時短開始時の賃金の届出は事業主が行います。受給資格の確認と支給申請は原則として事業主が行い、2か月ごとにまとめて申請します。職員が希望すれば、本人が受給資格の確認と支給申請を行うこともできます。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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