事業計画 / 更新 2026-10-30

地域密着型介護老人福祉施設の事業計画書と収支:従来型の要介護1は600単位・定員29人以下

地域密着型介護老人福祉施設(入所定員29人以下の特別養護老人ホーム)の事業計画書の収支は、入所定員と設備、員数、月の収入、自社の費用の4つに分けると書けます。入所定員は法律、員数と設備は基準、月の収入は告示の1日あたりの単位数で決まります。この記事は、原文を2026年10月30日に確かめ、収入の式と数値例を整理し、建物の費用や給与の平均値は扱いません。

事業計画書の収支に入れる項目と、数字の根拠

下の表は、収支に入れる項目ごとに、数字の根拠と、自社で確かめる点を並べたものです。法律や基準、告示で決まる項目と、自社の数字を入れる項目を分けています。

地域密着型介護老人福祉施設は、入所者に対し、1日ごとに居室の種類と要介護度で決まる単位数を算定します。入所定員が29人以下と小さいため、月の収入の上限も小さくなり、員数と建物の固定費の比重が大きくなります。

地域密着型介護老人福祉施設の収支に入れる項目(2026年10月30日確認)
項目根拠の数字自社で確かめる点
入所定員特別養護老人ホームのうち入所定員が29人以下(介護保険法 第8条第22項)計画する居室数と入所定員
介護職員・看護職員合計は常勤換算で、入所者3人またはその端数ごとに1以上。看護職員は1以上(基準 第131条第1項第3号)勤務表と、前年度の平均の入所者数(新規は推定数)
そのほかの職種医師は必要な数、生活相談員・栄養士または管理栄養士・機能訓練指導員・介護支援専門員は各1以上。他の施設の栄養士等との連携で支障がないときは栄養士等を置かないことができる(同条)常勤の要件と、兼務できる職員
居室定員は1人(必要なら2人)。入所者1人当たりの床面積は10.65平方メートル以上(基準 第132条第1項第1号)図面の床面積
食堂・機能訓練室合計面積は3平方メートルに入所定員を乗じた面積以上(第132条第1項第7号)図面の面積
基本の収入従来型の(Ⅰ)は要介護1が600、2が671、3が745、4が817、5が887単位(1日につき。告示 別表7 イ)要介護度ごとの入所者数の見込み
賃料・食材・給与ほかこの記事は数字を示さない見積書と求人条件で確かめた自社の数字

この記事で決めること

入所定員29人以下の特別養護老人ホーム(地域密着型介護老人福祉施設)の開設を考える事業者が、事業計画書の収支に何を入れるのかを、法律の入所定員・基準の員数と設備・告示の1日あたりの単位数から知り、入所者数から月の収入を見積もる式を確かめる。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、地域密着型介護老人福祉施設の収支計画の入力表(入所定員と居室数、居室の床面積、医師・生活相談員・介護職員・看護職員・栄養士・機能訓練指導員・介護支援専門員の人数、要介護度別の入所者数と月の日数、1単位の単価、人件費と固定費)を作成できる状態を目指します。

入所定員から決まる固定費:29人以下に収める

介護保険法の第8条第22項は、地域密着型介護老人福祉施設を、老人福祉法の特別養護老人ホームのうち、入所定員が29人以下のものと定めています。入所定員が30人以上の特別養護老人ホームは、この区分に当たりません。指定は、事業所のある市町村の市町村長が行います。

居室数が入所定員の上限になるため、建物の計画の段階で、居室数と収入の上限をそろえて見積もります。基準の全体は地域密着型介護老人福祉施設の指定基準にまとめています。

員数から決まる固定費:入所者3人ごとに介護職員と看護職員の合計1以上

指定地域密着型サービス基準の第131条第1項は、介護職員と看護職員の総数を、常勤換算方法で、入所者の数が3またはその端数を増すごとに1以上としています。文言のとおり読むと、入所者が20人なら7以上です。看護職員の数は1以上で、介護職員のうち1人以上と看護職員のうち1人以上は常勤です。

このほか、医師は入所者の健康管理と療養上の指導に必要な数、生活相談員、栄養士または管理栄養士、機能訓練指導員、介護支援専門員は各1以上です。入所者の数は前年度の平均値で、新規に指定を受ける場合は推定数によります。生活相談員は常勤で、介護支援専門員は専らその職務に従事する常勤の者です。

設備から決まる固定費:居室1人10.65平方メートル以上

基準の第132条第1項は、居室の定員を1人とし、サービス提供上必要と認められる場合は2人にできるとしています。入所者1人当たりの床面積は10.65平方メートル以上です。入所者が20人なら、居室の床面積の合計は213平方メートル以上です。

居室のほか、静養室、浴室、医務室、洗面設備、便所、食堂と機能訓練室を設けます。食堂と機能訓練室の合計面積は、3平方メートルに入所定員を乗じた面積以上で、定員が29人なら87平方メートル以上です。廊下幅や消火設備の細目と、ユニット型の設備の基準は、この記事では確認していません。

月の収入の式:要介護度別の入所者数×単位数×日数×1単位の単価

告示の別表7のイは、従来型の地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護費を、(Ⅰ)も(Ⅱ)も、要介護1が600、要介護2が671、要介護3が745、要介護4が817、要介護5が887単位(1日につき)としています。ロのユニット型は、682・753・828・901・971単位です。

月の収入は、要介護度ごとの入所者数に単位数を掛けて足し、月の日数と1単位の単価を掛けた額です。1単位の単価は、予定する所在地の地域区分で決まります。減算の細目、経過的な区分、加算の単位数はこの記事で扱わず、地域密着型特別養護老人ホームの単位数にまとめています。

数値例:従来型で入所者20人の場合の月の収入

式を確かめるための仮の数字を置きます。従来型の(Ⅰ)で、入所者が20人、内訳は要介護2が2人、要介護3が6人、要介護4が7人、要介護5が5人、月の日数は30日、1単位は仮に10円とします。

1日の単位数は、2人×671+6人×745+7人×817+5人×887=1,342+4,470+5,719+4,435=15,966単位です。月は15,966×30日=478,980単位で、月の収入は4,789,800円で、加算、減算、地域の割合は入れていません。

この規模で、介護職員と看護職員の合計は20÷3の端数を数えて7以上です。入所が定員に届かない月は、入所者数を少なくして見積もり、入所が進むまでの月に、収入が人件費と賃料を下回る期間を、月ごとの表で見積もります。

費用側で自社の数字を入れる項目

費用は、介護職員・看護職員・生活相談員・栄養士・機能訓練指導員・介護支援専門員・医師の給与と社会保険料、建物の償却または賃料、食材費、介護用品、記録や請求のシステム、研修費に分けて書きます。この記事は、給与や建物の費用の平均値を示しません。求人条件、見積書、契約条件で確かめた自社の数字を入れます。

同じ入居定員29人以下の居住系サービスの収支は地域密着型特定施設入居者生活介護の事業計画書と収支で、組み立てを比べられます。

この記事で確認した範囲

確認したのは、従業者の員数と居室・食堂などの設備の基準の原文と、従来型とユニット型の基本の単位数で、2026年10月30日に読んだ内容です。員数と設備は指定地域密着型サービス基準の第131条・第132条をe-Gov法令検索で、単位数は厚生労働省の告示で確かめました。

各減算の細目、経過的な区分、各加算の届出基準、処遇改善加算の率、サテライト型居住施設の特例、ユニット型の設備の基準、市町村の条例の個別の定め、地域区分ごとの単価の値、給与や建物の費用の平均値は確認しておらず、扱っていません。個別の施設の収支は、自社の数字と、施設を置く市町村への確認で決めてください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 入所定員を29人以下で仮置きし、居室の定員が原則1人か、入所者1人当たりの居室の床面積が10.65平方メートル以上か、食堂と機能訓練室の合計が3平方メートルに入所定員を乗じた面積以上かを、図面で確かめる。静養室、浴室、医務室の有無も確かめる
  2. 介護職員と看護職員の合計が、常勤換算で入所者3人またはその端数ごとに1以上となる人数を、勤務表で確かめる。看護職員は1以上で、生活相談員、栄養士、機能訓練指導員、介護支援専門員も各1以上を置き、生活相談員は常勤とする
  3. 月の収入は、居室の種類と要介護度ごとに、入所者数に1日の単位数を掛けて足し、月の日数を掛ける。入所が定員に届かない月は、入所者数を少なくして見積もる。加算は、届出の見込みがあるものだけを足す
  4. 1単位の単価は、予定する所在地の地域区分で告示の表から確かめる。7種類の職種の給与、建物の償却または賃料、食材費、介護用品は、見積書と求人条件の自社の数字を入れ、入所者が少ない開設直後の月に収入が人件費を下回る期間を月ごとの表で見積もる

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

地域密着型介護老人福祉施設の事業計画書の収入は、何で決まりますか?

居室の種類と要介護度で決まる1日の単位数です。従来型の(Ⅰ)は、要介護1から5まで600・671・745・817・887単位、ユニット型は682・753・828・901・971単位です。月の収入は、要介護度ごとの入所者数に単位数を掛けて足し、月の日数と1単位の単価を掛けて出します。

地域密着型介護老人福祉施設の入所定員は、何人までですか?

介護保険法の第8条第22項は、老人福祉法の特別養護老人ホームのうち、入所定員が29人以下のものを地域密着型介護老人福祉施設としています。入所定員が30人以上の特別養護老人ホームは、この区分に当たりません。

地域密着型介護老人福祉施設に必要な職員は、何人ですか?

基準の第131条第1項は、介護職員と看護職員の総数を常勤換算で入所者3人またはその端数ごとに1以上とし、看護職員は1以上としています。このほか、医師、生活相談員、栄養士または管理栄養士、機能訓練指導員、介護支援専門員を置きます。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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