指定申請 / 更新 2026-10-25
地域密着型介護老人福祉施設の指定基準:定員29人以下・従業者・居室10.65平方メートル
地域密着型介護老人福祉施設は、入所定員が29人以下の特別養護老人ホームで、指定をするのは施設のある市町村の市町村長です。省令は、従業者の員数、居室や食堂などの設備、入所の考え方、協力医療機関の定めを置いています。この記事は、介護保険法と指定地域密着型サービスの基準省令(平成18年厚生労働省令第34号)の第130条から第152条のうち主な条文を、2026年10月25日にe-Govで確かめた範囲で整理したものです。
入所定員29人以下の特別養護老人ホームで、指定は市町村長が行う
法第8条第22項は、地域密着型介護老人福祉施設を、老人福祉法第20条の5の特別養護老人ホームのうち入所定員が29人以下のものと定めています。入所するのは、厚生労働省令で定める要介護状態区分に当たる人など、居宅で日常生活を営むことが困難な要介護者です。施設は、地域密着型施設サービス計画に基づいて、入浴・排せつ・食事等の介護、機能訓練、健康管理、療養上の世話を行います。
指定は、法第78条の2第1項により、事業所のある市町村の市町村長が申請を受けて行います。同条第1項は、入所定員が29人以下で、市町村の条例で定める数である特別養護老人ホームの開設者が申請できると定めています。申請者が市町村の条例で定める者でないとき、従業者や設備・運営が条例の基準を満たさないときは、指定を受けられません(第4項第1号〜第3号)。
この記事で決めること
訪問介護の事業者が、定員29人以下の特別養護老人ホームである地域密着型介護老人福祉施設を考えるとき、指定の手続き、従業者の員数、設備、入所の考え方、協力医療機関の基準を条文で確かめるための記事。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、地域密着型介護老人福祉施設の指定前チェック表(1枚):入所定員と指定の窓口、従業者の員数、居室と食堂・機能訓練室の面積、協力医療機関の確認を作成できる状態を目指します。
従業者は医師・生活相談員・介護職員と看護職員・栄養士・機能訓練指導員・介護支援専門員(省令第131条)
置くべき従業者は、下の表の6職種です(第1項)。介護職員と看護職員の総数は、常勤換算で入所者3人またはその端数を増すごとに1以上で、看護職員は1以上置きます。
入所者の数は前年度の平均値で、新規に指定を受けるときは推定数です(第2項)。従業者は専らその施設の職務に従事しますが、入所者の処遇に支障がない場合は例外です(第3項)。生活相談員は常勤で、介護職員のうち1人以上と看護職員のうち1人以上も常勤です(第5項〜第7項)。
他の社会福祉施設等の栄養士または管理栄養士と連携して、効果的な運営を期待でき、入所者の処遇に支障がないときは、栄養士または管理栄養士を置かないことができます(第1項ただし書)。本体施設と連携して別の場所で運営するサテライト型居住施設には、特例があります。本体施設の医師で入所者の健康管理が適切に行われるときは医師を置かないことができ、生活相談員と看護職員は常勤換算で1以上とされます(第4項・第5項・第7項)。
| 職種 | 員数 |
|---|---|
| 医師 | 入所者の健康管理と療養上の指導に必要な数 |
| 生活相談員 | 1以上(常勤。サテライト型居住施設は常勤換算で1以上) |
| 介護職員・看護職員 | 総数が常勤換算で入所者3人またはその端数ごとに1以上。看護職員は1以上 |
| 栄養士または管理栄養士 | 1以上(他の施設との連携で支障がないときは置かないことができる) |
| 機能訓練指導員 | 1以上 |
| 介護支援専門員 | 1以上 |
設備は居室が1人部屋(必要なら2人)で入所者1人10.65平方メートル以上(省令第132条)
居室は定員1人で、入所者へのサービス提供上必要と認められるときは2人にできます。入所者1人当たりの床面積は10.65平方メートル以上で、ブザーまたはこれに代わる設備を設けます。
居室のほか、静養室、浴室、医務室、食堂、機能訓練室を設けます。洗面設備は居室のある階ごとに、便所は居室のある階ごとに居室に近接して設け、どちらも要介護者が使うのに適したものにします。食堂と機能訓練室の合計面積は、3平方メートルに入所定員を乗じた面積以上で、食事と機能訓練に支障がなければ同じ場所にできます。
これらの設備は、入所者の処遇に支障がない場合を除き、その施設の専用とします(第2項)。管理者は、専らその施設の職務に従事する常勤の者で、管理上支障がない場合は他の事業所などの職務を兼ねられます(第146条)。廊下幅、消火設備などの細目と、ユニット型の設備(第158条以降)は、この記事では扱っていません。
入所の考え方と定員の遵守・協力医療機関(省令第133条・第134条・第150条・第152条)
施設は、身体上または精神上の著しい障害のために常時の介護を必要とし、居宅で受けることが困難な人に、サービスを提供します(第134条第1項)。入所申込者が入所定員から入所者を引いた数を超えるときは、介護の必要の程度と家族等の状況を勘案して、必要性が高い人を優先的に入所させるよう努めます(第2項)。入所者が居宅で日常生活を営めるかどうかを、定期的に検討することも定めています(第4項)。
入所申込者が入院治療を必要とするなど、自ら適切な便宜を提供することが困難なときは、病院や診療所、介護老人保健施設、介護医療院を紹介するなどの措置を速やかに講じます(第133条)。入所定員と居室の定員を超えて入所させてはなりません。災害、虐待その他のやむを得ない事情があるときは例外です(第150条)。
入所者の病状の急変に備えて、あらかじめ協力医療機関を定めます(第152条第1項)。相談対応の体制を常時確保していること、診療を行う体制を常時確保していること、入院を要する入所者の入院を原則として受け入れる体制を確保していること(病院に限る)が要件で、複数の医療機関で満たしても差し支えありません。年1回以上、協力医療機関との間で病状急変時の対応を確認します(同条第2項)。
指定に関する市町村の総量の定めと、確かめた範囲
市町村長は、定員の総数が計画の枠に達している場合などに、指定をしないことができます。法第78条の2第6項第4号は、日常生活圏域の利用定員の総数が市町村介護保険事業計画の必要利用定員総数に既に達しているか、指定によって超えることになると認めるとき、その他に計画の達成に支障を生ずるおそれがあると認めるときを挙げています。地域密着型特定施設と認知症対応型共同生活介護も同じ号で扱われます。
定員30人以上の指定介護老人福祉施設の基準は、特別養護老人ホームの指定基準にあります。単位数は特別養護老人ホームの単位数の記事に、同じ29人以下の枠組みの特定施設は地域密着型特定施設の指定基準の記事にあります。
この記事は、介護保険法の第8条第22項と第78条の2、基準省令の第130条から第134条、第146条、第150条、第152条を2026年10月25日にe-Govで確かめた内容です。開設者の資格、入所の要件の要介護状態区分、ユニット型、サテライト型居住施設の特例の細目、市町村の条例で定める数と窓口は確かめておらず、書いていません。
次に知りたいこと:地域密着型介護老人福祉施設の運営規程
地域密着型介護老人福祉施設は、施設の運営についての重要事項に関する規程を定めておく必要があります。定める事項は、基準第148条の9項目で、ユニット型は第166条の10項目です。
9項目と、介護老人福祉施設の第23条との関係は、介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設の運営規程の記事で、条文と照らして確かめられます。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 計画する施設の入所定員が29人以下で、市町村の条例で定める数に当たるかを、施設を置く市町村の担当窓口に問い合わせ、回答の日と内容を記録する。日常生活圏域の必要利用定員総数に達していないかも、同じ窓口で確かめる
- 入所定員から入所者数(新規指定は推定数)を置き、介護職員と看護職員の総数が常勤換算で3人ごと1以上か、看護職員1以上、生活相談員・栄養士または管理栄養士・機能訓練指導員・介護支援専門員の各1以上を、配置表に書き込む
- 居室の定員と1人当たり10.65平方メートル以上の面積、食堂と機能訓練室の合計が3平方メートルに入所定員を乗じた面積以上かを、図面で一覧にする
- 協力医療機関の3つの要件(相談対応、診療、入院の受け入れ)を満たす医療機関を定め、年1回以上の確認の日を年間のカレンダーに入れる
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「介護保険法 第78条の2(指定地域密着型サービス事業者の指定)・第42条の2(地域密着型介護サービス費の支給)」(法第78条の2第1項・第4項第1号〜第4号・第6項第5号イ・第7項・第8項、法第42条の2第1項)(確認日 2026-10-25)
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「介護保険法 第8条第22項(地域密着型介護老人福祉施設の定義)・第78条の2第1項・第6項第4号(指定と総量の定め)」(法第8条第22項、法第78条の2第1項・第6項第4号)(確認日 2026-10-25)
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準 第130条〜第134条・第146条・第150条・第152条(地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護)」(第131条第1項〜第7項、第132条第1項第1号・第7号・第2項、第133条、第134条第1項〜第4項、第146条、第150条、第152条第1項・第2項)(確認日 2026-10-25)