運営 / 更新 2026-10-13

60歳以降も働く訪問介護員の高年齢雇用継続給付:支給の条件、給付率、事業主の申請

訪問介護では、60歳を過ぎてから働き方を変え、賃金が下がる職員がいます。雇用保険には、60歳以降に賃金が下がった人に支給される高年齢雇用継続給付があり、事業主が申請を行う手続になっています。このページは、ハローワークの資料で、支給の条件、賃金の低下率による給付率、支給期間、申請の流れを整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

60歳以降も訪問介護員として働いてもらう事業所の経営者や経理担当者が、高年齢雇用継続給付の支給の条件、賃金の低下率による給付率、支給期間、事業主が行う2か月に一度の申請を、ハローワークの資料で確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、高年齢雇用継続給付の確認票(対象になり得る60歳以上65歳未満の職員、雇用保険の被保険者期間、60歳時点と現在の賃金、低下率、申請の予定月)を作成できる状態を目指します。

高年齢雇用継続給付の対象になる職員

ハローワークの資料によると、高年齢雇用継続給付は、雇用保険の被保険者であった期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の一般被保険者が、原則として60歳以降の賃金が60歳時点に比べて75%未満に低下した状態で働き続ける場合に支給されます。

給付には、高年齢雇用継続基本給付金と、基本手当を受給して60歳以後に再就職した場合の高年齢再就職給付金があります。このページは、同じ事業所で働き続ける職員に関わる、基本給付金を中心に整理します。

賃金の低下率による給付率

支給額は、60歳以上65歳未満の各月の賃金が60歳時点の賃金の64%以下に低下した場合は各月の賃金の10%相当額、64%超75%未満に低下した場合は低下率に応じて10%相当額未満の額になります。各月の賃金が397,369円を超える場合は支給されず、この額は毎年8月1日に変更されます。

資料の例では、60歳時点の賃金が月額30万円で、60歳以後の賃金が18万円(60%)に下がったとき、18万円の10%にあたる1万8千円が支給されます。令和7年3月31日以前に60歳に達した人は、61%以下で15%相当額という、別の給付率が適用されます。

高年齢雇用継続給付の支給額(ハローワークの資料、令和7年4月1日以降に60歳に達した人。2026-10-13確認)
60歳以後の賃金の水準(60歳時点との比較)支給額
64%以下に低下各月の賃金の10%相当額
64%超75%未満に低下低下率に応じて、各月の賃金の10%相当額未満の額
75%以上(低下が小さい、または低下していない)支給されない

支給期間と、事業主が行う申請

高年齢雇用継続基本給付金の支給対象期間は、被保険者が60歳に達した月から65歳に達する月までです。60歳時点で雇用保険の加入期間が5年に満たない場合は、加入期間が5年となった月から対象になります。

支給の申請は、原則として2か月に一度、支給申請書を事業所の所在地を管轄するハローワークに提出して行います。提出者は事業主で、被保険者本人が自分で申請を希望する場合は、本人も申請できます。初回の申請は、最初に支給を受けようとする支給対象月の初日から4か月以内に行い、雇用保険被保険者六十歳到達時等賃金証明書などの書類が必要です。

このページの範囲と、あわせて確認するページ

このページが確認したのは、ハローワークの高年齢雇用継続給付の案内です。個々の職員が給付を受けられるか、給付額がいくらになるかは判断しません。賃金の上限額や給付率は変更されるため、申請の前に、ハローワークの最新の案内を確認してください。

高齢の職員の雇用は高年齢者の就業確保で、複数の事業所で働く職員の雇用保険はマルチジョブホルダー制度で、賃金を下げるときの決まりは就業規則の不利益変更で確認できます。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 60歳以上65歳未満の職員の一覧を作り、雇用保険の被保険者であった期間が5年以上あるかを確認する。60歳に達した日がいつかも、給付率に関わるため一覧に書く
  2. 職員ごとに、60歳時点の賃金と現在の各月の賃金を並べ、賃金が60歳時点の75%未満に下がっているかを確認する。賃金の低下率が64%以下の場合は各月の賃金の10%相当額が目安になる。上限の賃金額は毎年8月1日に変わるため、最新の金額をハローワークの資料で確認する
  3. 初回の申請に必要な書類(受給資格確認票・初回の支給申請書、雇用保険被保険者六十歳到達時等賃金証明書など)を準備し、事業所の所在地を管轄するハローワークへ出す日程を決める。以後は原則2か月に一度の申請になる
  4. 職員に、給付の対象になり得ること、本人が自分で申請することも可能なことを説明する。賃金を下げる場合は、労働条件の変更の決まりに沿っているかも、社会保険労務士に確認する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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