運営 / 更新 2026-10-24
通所介護の事故発生時の対応:市町村・家族・居宅介護支援事業者への連絡と事故の記録
通所介護の事業者は、利用者に対する通所介護の提供で事故が起きたら、市町村・利用者の家族・居宅介護支援事業者等に連絡し、必要な措置を講じ、事故の状況と処置を記録しなければなりません。この記事は、指定基準(平成11年厚生省令第37号)の第104条の3を、2026年10月24日にデジタル庁のe-Gov法令検索で確かめ、連絡先、記録、損害賠償、通所介護以外のサービスの事故の扱いを整理したものです。
事故が起きたら連絡する先は3つ(第104条の3第1項)
第104条の3第1項は、利用者に対する指定通所介護の提供により事故が発生した場合は、市町村、その利用者の家族、その利用者に係る居宅介護支援事業者等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならないと定めています。
連絡先は、事故の起きた利用者ごとに決まります。家族の連絡先と、その利用者の居宅サービス計画を作っている居宅介護支援事業者等の連絡先は、利用開始の前に控えておくと、事故の際に連絡できます。条文は、連絡の方法や、いつまでに連絡するかは定めていません。
この記事で決めること
通所介護(デイサービス)の事業者が、利用者に事故が起きたときに誰へ連絡し、何を記録し、賠償や通所介護以外のサービスの事故をどう扱うかを、指定基準の条文で確かめ、訪問介護の事故対応との違いも知るための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、通所介護の事故対応の手順書(事故が起きたときの連絡先一覧:市町村・利用者の家族・居宅介護支援事業者等の連絡先と連絡する担当者・記録する事項の様式案・賠償すべき事故が起きたときの対応と保険の確認・通所介護以外のサービスの事故の扱い・市町村に確かめた報告の範囲と期限)を作成できる状態を目指します。
事故の状況と採った処置を記録する(第2項)
第2項は、第1項の事故の状況と、事故に際して採った処置について記録しなければならないと定めています。記録する項目や様式、保存の期間は、この条には書かれていません。
訪問介護の事故発生時の対応も、第37条に同じ構成の第1項から第3項があります。通所介護の第104条の3は、さらに第4項を持つ点が違います。訪問介護の記録の書き方は訪問介護のヒヤリハット記録と事故報告書の書き方:厚生労働省の標準様式の項目と市町村への報告で整理しています。
賠償すべき事故と、通所介護以外のサービスの事故(第3項・第4項)
第3項は、利用者に対する指定通所介護の提供により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならないと定めています。どの事故が賠償すべき事故に当たるか、金額や保険の選び方は条文に書かれておらず、この記事では扱いません。
第4項は、第95条第4項の指定通所介護以外のサービスの提供により事故が発生した場合は、第1項と第2項に準じた必要な措置を講じなければならないと定めています。通所介護の事業所で通所介護以外のサービスを行うときは、そのサービスの事故にも、連絡と記録に準じた措置が必要です。第95条第4項の中身は、この記事では読んでいません。
条文の内容の一覧
第104条の3の各項を並べます。市町村へ報告する事故の範囲、報告の期限と様式は、この条には書かれていません。
| 項 | 定めの内容 | 条文に書かれていないこと |
|---|---|---|
| 第1項 | 事故が発生した場合、市町村・利用者の家族・居宅介護支援事業者等に連絡し、必要な措置を講じる | 連絡の方法と期限 |
| 第2項 | 事故の状況と、事故に際して採った処置を記録する | 記録の項目・様式・保存期間 |
| 第3項 | 賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行う | 賠償すべき事故の範囲・金額 |
| 第4項 | 通所介護以外のサービスの提供による事故は、第1項・第2項に準じた措置を講じる | 対象のサービスの中身(第95条第4項) |
事業者が確かめる順番
まず、事故が起きたときの連絡先(市町村の担当窓口、利用者ごとの家族と居宅介護支援事業者等)を一覧にし、連絡する担当者を決めます。次に、事故の状況と処置を記録する様式を作ります。そのうえで、市町村へ報告する事故の範囲と期限、様式は、事業所を置く市町村の担当窓口に確かめ、確かめた日と回答を記録します。
通所介護の人員の決まりは通所介護の人員基準:介護職員は利用者15人まで1以上、超える5人ごとに加算で、運営規程や重要事項説明書に書く事項は通所介護の運営規程に定める事項(11項目):利用定員・営業日・実施地域・非常災害対策で読めます。苦情を受けたときの記録など、通所介護に準用される運営基準は、第105条に一覧があります。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 事故が起きたときの連絡先を、市町村の担当窓口、利用者ごとの家族の連絡先、利用者ごとの居宅介護支援事業者等の連絡先に分けて一覧にし、夜間や休日に誰が連絡するかの担当も書く
- 事故の状況と事故に際して採った処置を記録する様式の案を作る。いつ、どこで、誰が、どうなったか、その場で何をしたか、誰へ連絡したかを書く欄を置き、保存の置き場所も決める
- 賠償すべき事故が起きた場合の対応の流れと、加入している保険の補償の範囲を確かめて書く。基準第95条第4項の通所介護以外のサービスを行うなら、その事故にも連絡と記録に準じた措置を講じる前提で手順に入れる
- 市町村へ報告する事故の範囲、報告の期限と様式は条文に書かれていないため、事業所を置く市町村の担当窓口に確かめ、確かめた日と回答を記録する
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- デジタル庁(e-Gov法令検索)「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(第九十六条 通所介護の利用料等の受領、第百条 通所介護の運営規程、第百三条 非常災害対策、第百五条 準用、第三十七条の二 虐待の防止)」(第八条、第三十二条、第九十六条、第百条、第百三条、第百五条、第三十七条の二)(確認日 2026-10-24)
- デジタル庁(e-Gov法令検索)「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(第三十条の二 業務継続計画、第三十一条・第百四条 衛生管理等、第三十七条・第百四条の三 事故発生時の対応、第百五条 準用)」(省令第37号第30条の2、第31条、第37条、第104条、第104条の3、第105条)(確認日 2026-10-24)