開業準備 / 更新 2026-10-24
通所介護の人員基準:介護職員は利用者15人まで1以上、超える5人ごとに加算
通所介護の人員基準は、指定基準(平成11年厚生省令第37号)の第93条と第94条にあります。生活相談員と介護職員は人数ではなく勤務時間数で数え、介護職員は利用者15人までなら1以上、15人を超えると、超える部分を5で割った数に1を足した数以上が必要です。この記事では、その式を利用者数ごとに当てはめた例と、看護職員・機能訓練指導員・管理者・常勤の定めを整理します。
従業者の員数は4職種(第93条第1項)
指定基準第93条第1項は、通所介護の事業所ごとに、生活相談員、看護職員(看護師または准看護師)、介護職員、機能訓練指導員を置くと定めています。デジタル庁のe-Gov法令検索で、2026年10月24日に条文の原文を確認しました。
生活相談員と介護職員は「必要と認められる数」を勤務時間数で数え、看護職員は単位ごとに1以上、機能訓練指導員は1以上と、数え方が職種で違います。ここでいう単位は、指定通所介護であってその提供が同時に一または複数の利用者に対して一体的に行われるものです(同条第4項)。
| 職種 | 数え方 | 員数の基準 |
|---|---|---|
| 生活相談員 | 提供日ごとに勤務時間数で数える | 提供時間帯に専ら従事する者の勤務時間数の合計を提供時間数で割った数が1以上 |
| 看護職員 | 単位ごとに人数で数える | 専ら提供に当たる看護職員が1以上 |
| 介護職員 | 単位ごとに勤務時間数で数える | 勤務時間数の合計を提供時間数で割った数が、利用者15人まで1以上、15人超は(超える人数÷5)+1以上。常時1人以上を従事させる |
| 機能訓練指導員 | 事業所で人数で数える | 1以上 |
この記事で決めること
通所介護(デイサービス)の従業者の員数を、指定基準の条文どおりに数えたい人向け。生活相談員・介護職員の必要数を勤務時間数で計算する式、利用者数ごとの介護職員の必要数の例、看護職員・機能訓練指導員・管理者・常勤の定めを知りたい人に答える。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、通所介護の人員配置の点検表(提供日ごとの提供時間数、生活相談員と介護職員の勤務時間数の合計、利用者数、必要な数との比較を書く1枚)を作成できる状態を目指します。
介護職員の必要数は、利用者15人を境に式が変わる
介護職員は、サービスを提供している時間帯に勤務した時間数の合計を、その提供時間数で割った数が、次の数以上になるよう確保します。利用者が15人までの場合は1、15人を超える場合は、15人を超える部分の人数を5で割った数に1を足した数です。第2項により、単位ごとに常時1人以上の介護職員が従事している状態も必要で、勤務時間数が足りていても時間帯によって0人になる日があれば第2項を満たしません。
条文の式を当てはめると、必要な介護職員の数は表のようになります。提供時間が7時間の日の例で、勤務時間数の合計は、必要な数に提供時間数を掛けた値以上であることを意味します。利用者が15人を超えても、1人増えるごとに1人増えるのではなく、5人増えるごとに1人分増える式になっています。
| 利用者数 | 必要な数 | 勤務時間数の合計の下限 |
|---|---|---|
| 10人 | 1以上 | 7時間 |
| 15人 | 1以上 | 7時間 |
| 18人 | 1.6以上(3÷5+1) | 11.2時間 |
| 20人 | 2以上(5÷5+1) | 14時間 |
| 25人 | 3以上(10÷5+1) | 21時間 |
| 30人 | 4以上(15÷5+1) | 28時間 |
生活相談員・看護職員・機能訓練指導員のちがい
生活相談員は、提供日ごとに、提供時間帯に勤務した時間数の合計を提供時間数で割った数が1以上になるよう確保します。介護職員と同じく勤務時間数で数え、専ら当該指定通所介護の提供に当たる者に限ります。たとえば提供時間が7時間なら、生活相談員の勤務時間数の合計は7時間以上です。
看護職員は、単位ごとに、専ら当該指定通所介護の提供に当たる看護職員が1以上です。機能訓練指導員は1以上で、日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する者とし、事業所の他の職務に従事できます(第5項)。介護職員も、利用者の処遇に支障がない場合は、他の単位の介護職員として従事できます(第3項)。
生活相談員になれる資格、看護職員の勤務が提供時間帯を通じて必要かどうか、機能訓練指導員に当たる資格は、条文本文には書かれていません。解釈通知と都道府県・指定都市・中核市の案内で確かめてください。
常勤の定めと管理者(第93条第6項・第94条)
第93条第6項は、生活相談員または介護職員のうち1人以上は、常勤でなければならないと定めています。生活相談員と介護職員の両方が常勤である必要はなく、どちらか一方に常勤が1人いれば足りる書き方です。常勤の意味や、勤務時間の数え方は条文本文にはなく、常勤・常勤換算・専従の定義で扱う通知の整理が手がかりになります。
管理者は、事業所ごとに専らその職務に従事する常勤の者を置きます。ただし、事業所の管理上支障がない場合は、その事業所の他の職務や、他の事業所・施設等の職務に従事できます(第94条)。管理者を兼務できる職種や範囲、同じ敷地の別の事業所との兼務が認められるかは、指定権者の案内で確かめる事項です。
指定通所介護事業者が、市町村の第一号通所事業の指定も併せて受け、同一の事業所で一体的に運営している場合は、市町村が定める第一号通所事業の人員の基準を満たすことで、これらの基準を満たしているとみなせる規定があります(第7項)。介護職員の式にも、第一号通所事業の利用者を含めて数える書き方が入っています。
この記事で確認した範囲と、次に知りたいこと
2026年10月24日に、指定基準第93条と第94条の原文を確認しました。確かめたのは、4職種の員数の書き方、介護職員の式、常勤、単位、管理者の定めです。計算例は条文の式に数字を当てはめたもので、個別の事業所の勤務表が基準に適合するかの判断ではありません。
生活相談員の資格要件、利用者数の数え方、人員基準を満たさないときの減算は確認しておらず、書いていません。
開設の全体像と、指定の種類・設備の基準は通所介護の開業の入口:指定の種類(定員19人で分かれる)・人員・設備の基準、訪問介護の人員基準は訪問介護の人員基準、通所介護の単位数と減算は通所介護費の単位数にまとめています。算定や指定の可否は、指定権者に確認してください。
次に知りたいこと:事故発生時の対応と感染症対策
運営の決まりは次の2本です。事故が起きたときの連絡と記録は「通所介護の事故発生時の対応:市町村・家族・居宅介護支援事業者への連絡と事故の記録」、感染症対策の委員会・指針・研修と業務継続計画は「通所介護の感染症対策と業務継続計画(BCP):委員会は6月に1回以上・指針・研修」で整理しています。
次に知りたいこと:療養通所介護の指定基準
常時看護師による観察が必要な重度の人を対象にする療養通所介護は、一般の通所介護とは別の節で基準が定められています。利用者1.5人に対し従業者1以上、利用定員18人以下といった決まりは「療養通所介護の指定基準:定員18人以下・専用の部屋は6.4平方メートル×定員以上」にまとめています。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 単位ごとに、サービスを提供している時間帯の時間数と、その日の利用者の数を表に書く
- 介護職員の必要数を、利用者15人までは1、15人を超える場合は超える部分を5で割って1を足した数として出し、提供時間数を掛けた勤務時間数の合計と、実際の合計を比べる
- 生活相談員の勤務時間数の合計を提供時間数で割って1以上になるか、看護職員が単位ごとに1人以上、機能訓練指導員が1人以上、常時1人以上の介護職員が従事しているかを確かめる
- 生活相談員または介護職員の1人以上が常勤か、管理者が専ら従事する常勤か(兼務できる範囲)を確かめ、資格要件や勤務時間の数え方は通知と指定権者の案内で確かめる
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- デジタル庁(e-Gov法令検索)「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(第六十条・第六十一条 訪問看護、第九十三条・第九十四条 通所介護、第百九十四条・第百九十五条 福祉用具貸与)」(第六十条、第六十一条、第九十三条、第九十四条、第百九十四条、第百九十五条)(確認日 2026-10-15)