運営 / 更新 2026-10-29

通所介護の個別機能訓練計画書の作り方:情報収集・目標・説明と同意・3月ごとの見直し

通所介護で個別機能訓練加算を算定するときの個別機能訓練計画書は、厚生労働省の通知が、居宅を訪問して生活状況を確認し、長期目標と短期目標を立て、利用者または家族に説明して同意を得て交付する流れを示しています。計画書の様式は別紙様式3-3が参考にされ、開始後は3月ごとに1回以上の居宅の訪問と、おおむね3月ごとの見直しを行います。

計画書は別紙様式3-3を参考に作り、通所介護計画に書いてもよい

通知は、個別機能訓練加算の算定には、目標設定と計画の作成、個別機能訓練の実施、実施後の対応の3つが必要だとしています。通所介護事業所の管理者は、これを参照して、事業所での一連の手順をあらかじめ定める必要があります。

計画書は、別紙様式3-3(個別機能訓練計画書)を参考に作ります。個別機能訓練計画に相当する内容を通所介護計画の中に書く場合は、その記載をもって個別機能訓練計画の作成に代えられます。また、個別機能訓練計画の作成にあたっては、居宅サービス計画や通所介護計画と連動し、整合性が保たれるように作ることが重要とされています。

厚生労働省の通知(令和6年3月15日 老高発0315第2号・老認発0315第2号・老老発0315第2号)と別紙様式3-3を、2026年10月29日に原文で確認しました。加算の単位数や配置の基準は通所介護の個別機能訓練加算の記事で扱っているため、この記事は書類の作り方に絞っています。

この記事で決めること

通所介護(デイサービス)で個別機能訓練加算を算定する事業所の管理者や機能訓練指導員が、個別機能訓練計画書をどの順番で作り、何を書き、利用者への説明と同意、見直しをどう進めるかを、厚生労働省の通知の原文で確かめたい。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、個別機能訓練計画書の作成手順書(情報収集、目標と訓練項目の設定、説明と同意、3月ごとの見直しの担当と書類)を作成できる状態を目指します。

作る前に集める情報は4つ

通知は、機能訓練指導員等が目標を設定する前に、利用者のニーズと日常生活・社会生活での役割、心身の状態を、次の4つの方法で把握するとしています。

計画を作る前の情報収集(通知の1の⑴の①〜④)
方法内容
利用者のニーズの把握現在していることと、今後したいことを、別紙様式3-1の興味・関心チェックシートで把握する。あわせて家族の希望も把握する
居宅の訪問居宅での生活状況(ADL、IADL等)を居宅訪問のうえで確認する。別紙様式3-2の生活機能チェックシートを使い、居宅の環境(福祉用具・補助具を含む)と、居宅の環境下での自立のレベルや課題を把握する
医師または歯科医師からの情報必要に応じて、病名、治療経過、合併疾患、訓練実施上の留意事項の情報を得る。直接得られないときは、介護支援専門員を通じて集める
介護支援専門員からの情報居宅サービス計画に書かれた本人や家族の意向、総合的な支援方針、解決すべき課題、長期目標、短期目標、サービス内容を得る

別紙様式3-3は、基本情報・目標と項目・実施後の対応の3区分

別紙様式3-3は、上段に作成日・前回作成日・初回作成日、利用者の氏名・要介護度、計画作成者とその職種、障害高齢者と認知症高齢者の日常生活自立度を書く欄があります。本文は次の3つの区分です。事業所名、説明日、説明者の欄は末尾にあります。

別紙様式3-3の区分と主な記載欄(xlsxの原文で確認)
区分主な記載欄
Ⅰ 利用者の基本情報本人の希望、家族の希望、本人の社会参加の状況、居宅の環境(環境因子)、健康状態・経過(病名、発症日・受傷日、直近の入院日・退院日、治療経過、合併症)、機能訓練実施上の留意事項(開始前・訓練中の留意事項、運動強度・負荷量等)
Ⅱ 個別機能訓練の目標・項目の設定短期目標(今後3ヶ月)、長期目標(機能・活動・参加)、前回の短期目標・長期目標の達成度(達成・一部・未達)、訓練項目ごとの目的・留意点・頻度・時間・主な実施者、プログラム立案者、利用者本人・家族等がサービス利用時間以外に実施すること
Ⅲ 個別機能訓練実施後の対応実施による変化、実施における課題とその要因。初回作成時は記載不要

目標は長期と短期に分け、長期は心身機能・活動・参加を含める

目標は、利用者または家族の意向と担当の介護支援専門員の意見を踏まえて、機能訓練指導員等が協働して設定します。利用者の意欲の向上につながるよう、長期目標と短期目標のように段階的にして、できるだけ具体的で分かりやすい目標にするとされています。

長期目標は、生活機能の構成要素である、体や精神の働きである「心身機能」、ADL・家事・職業能力や屋外歩行などの生活行為全般である「活動」、家庭や社会で役割を果たす「参加」を、バランスよく含めるよう求められます。座る・立つ・歩くといった身体機能の向上だけを目標にせず、トイレに行く、自宅の風呂に一人で入る、商店街に買い物に行くといった、具体的な生活上の行為の達成を含めるとしています。

短期目標は、長期目標を達成するために必要な行為ごとに細かく分けて整理します。通知の例では、長期目標が「スーパーマーケットに食材を買いに行く」の場合、買いたい物のリストを作る、道順を確認する、歩いて行く、レジで支払いをするなどの行為に分けています。別紙様式3-3の短期目標は、訓練の実施期間内に達成を目指す項目だけでよく、期間の目安は今後3ヶ月と書かれています。

訓練項目は、できない行為ごとに複数の種類を準備する

訓練項目は、短期目標を達成するために必要な行為のうち、現状の心身機能等に照らして可能なことと困難なことを整理し、困難なことには、どんな訓練で可能になるかを検討して決めます。通知の例では、歩行機能が低下している場合に、筋力向上や屋内外歩行の訓練、つえなど歩行を助ける福祉用具を使う訓練、電動車いすなど代わりの移動手段を使う訓練が想定されています。

項目の決定では、複数の種類の訓練項目を準備し、利用者の生活意欲の向上につながるように、選択を援助します。通所介護の提供中だけでなく、利用者が自分で、または家族等の援助を受けて居宅で行える自主訓練の項目も、あわせて検討して示すことが望ましいとされています。様式の「利用時間以外に実施すること」の欄は、このための欄です。

説明して同意を得て、計画を交付し、介護支援専門員に報告する

計画ができたら、機能訓練指導員等が、利用者またはその家族に個別機能訓練の内容を分かりやすく説明して同意を得ます。その際に、個別機能訓練計画を交付します(電磁的記録の提供を含む)。

介護支援専門員にも、計画を交付(電磁的記録の提供を含む)したうえで、利用者または家族への説明を行い、内容に同意を得た旨を報告します。同意の取り方の形式(署名や記録の様式)は通知に書かれていないため、事業所の手順書で決めておく必要があります。

開始後は、評価と、3月ごとの居宅訪問・報告・見直し

通知は、実施の体制として、類似の目標を持ち同様の訓練項目を選んだ5人程度以下の小集団(個別対応を含む)に、機能訓練指導員が直接行うとしています。補助者として看護職員、介護職員、生活相談員などが関与することは差し支えありません。訓練時間は計画に定めた項目の実施に必要な1回あたりの時間を考えて設定し、実施回数はおおむね週1回以上が目安です。

開始した後は、項目や訓練時間が適切だったか、ADLやIADLの改善など効果が現れているかを評価します。3月ごとに1回以上、利用者の居宅を訪問して、起居動作、ADL、IADL等の生活状況を確認し、利用者または家族に実施状況や効果を説明して記録します。この説明と記録は、居宅を訪問する日とは別の日にICT等で行っても差し支えないとされています。

あわせて、おおむね3月ごとに1回以上、実施状況や効果を担当の介護支援専門員等に適宜報告・相談し、利用者または家族の意向を確認したうえで、目標の見直しや訓練項目の変更を行います。居宅の訪問を3月ごとに行うことは、厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号第十六号)の(Ⅰ)にも書かれています(2026年10月24日に原文を確認済み)。別紙様式3-3のⅢの欄に実施後の変化と課題を記録できます。

この記事で確認した範囲と、次に知りたいこと

確認したのは、通知の第二章の個別機能訓練加算の事務処理手順例(通所介護等における取扱い)と、別紙様式3-3のxlsxの記載欄で、いずれも2026年10月29日の取得版です。計画書の保存期間、厚生労働省への情報提出の方法と時期、様式に記入するときの個別の判断は確かめておらず、書いていません。この記事は、個別の利用者の計画の内容や、算定できるかどうかを判断するものではありません。

次に知りたいことは三つあります。単位数と算定の基準は通所介護の個別機能訓練加算に、機能訓練指導員になれる資格は機能訓練指導員の資格に、外部の専門職と連携して計画を作る加算は通所介護の生活機能向上連携加算にまとめています。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 手順書の見出しを、通知が示す流れ(情報の把握、多職種での計画作成、利用者または家族への説明と同意、介護支援専門員への報告、実施、実施後の評価と見直し)に合わせ、各段階の担当者を1人ずつ決める
  2. 情報収集の欄に、興味・関心チェックシート、居宅を訪問して使う生活機能チェックシート、医師や歯科医師からの情報、居宅サービス計画から得る情報の4つを並べ、取得の担当と時期を書き込む
  3. 計画書の雛形は別紙様式3-3の区分(基本情報、目標と訓練項目、実施後の対応)に合わせ、通所介護計画の中に書く場合は、どの欄に同じ内容を書くかを対応表にする
  4. 3月ごとの居宅訪問と、利用者または家族への説明の記録、介護支援専門員への報告の日付を、利用者ごとの予定表に入れる。居宅訪問の回数と時間は勤務表に反映させる

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

個別機能訓練計画書は、どの様式で作りますか?

厚生労働省の通知は、別紙様式3-3(個別機能訓練計画書)を参考に作成するとしています。個別機能訓練計画に相当する内容を通所介護計画の中に記載する場合は、その記載をもって個別機能訓練計画の作成に代えられます。

個別機能訓練計画の見直しは、どのくらいの頻度で行いますか?

通知は、3月ごとに1回以上、利用者の居宅を訪問して生活状況を確認し、利用者または家族に実施状況と効果を説明して記録するとしています。あわせて、おおむね3月ごとに1回以上、介護支援専門員等に報告・相談し、目標の見直しや訓練項目の変更を行います。

計画書の内容は、利用者や家族の同意が必要ですか?

通知は、機能訓練指導員等が利用者または家族に個別機能訓練の内容を分かりやすく説明して同意を得ること、その際に計画を交付すること(電磁的記録の提供を含む)を求めています。介護支援専門員にも計画を交付し、同意を得た旨を報告します。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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