運営 / 更新 2026-10-24

通所介護の同一建物減算と送迎減算:1日94単位・片道47単位と、併せて算定しない決まり

通所介護には、事業所と同じ建物の利用者に掛かる減算(1日94単位)と、送迎をしない場合の減算(片道47単位)があります。同一建物減算が掛かる利用者には、送迎減算は重ねて掛からない決まりです。告示と留意事項通知の原文で、どんな場合に掛かり、どんな場合に掛からないかを整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

2つの減算の単位数と対象

告示第19号の別表6(通所介護費)の注23は、事業所と同一建物に居住する者、または同一建物から事業所に通う者に通所介護を行った場合に、1日につき94単位を所定単位数から減算すると定めています。注24は、利用者の居宅と事業所の間の送迎を行わない場合に、片道につき47単位を減算すると定めています。

片道47単位は、往復とも送迎をしなければ1日で94単位になり、同一建物減算の1日94単位と同じ数字になります。ただし2つは対象が別で、後の節で述べるとおり重ねて掛かることはありません。基本の単位数は通所介護費の単位数にまとめています。

通所介護の同一建物減算と送迎減算(告示第19号 別表6 注23・注24の原文で確認)
減算減算の単位数掛かる場面
同一建物減算(注23)1日につき94単位事業所と同一建物に居住する者、または同一建物から通う者に通所介護を行ったとき
送迎減算(注24)片道につき47単位利用者の居宅と事業所の間の送迎を行わないとき

この記事で決めること

通所介護(デイサービス)で、同一建物の利用者への減算(1日94単位)と、送迎を行わない場合の減算(片道47単位)が、どんな場合に掛かり、どんな場合に掛からないかを、告示と留意事項通知の原文で確かめたい事業者向け。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、減算の判定表(利用者ごとに、同一建物の居住・通いの有無、送迎の実施状況、例外に当たる事情の記録の有無、掛かる減算を並べた1枚)を作成できる状態を目指します。

同一建物とは:1階の事業所と渡り廊下でつながる建物まで

留意事項通知(老企第36号)は、同一建物を、事業所と構造上または外形上、一体的な建築物と説明しています。具体的には、建物の1階部分に事業所がある場合や、建物と渡り廊下等でつながっている場合が当たります。

同一敷地内にある別棟の建築物や、道路を挟んで隣接する場合は、同一建物に当たりません。建物の管理や運営をする法人が、通所介護の事業者と異なる場合でも、同一建物に当たります。つまり、運営会社が別でも、構造上一体なら減算の対象です。

同一建物でも減算に当たらない例外:送迎が必要と認められる利用者

注23には、傷病その他やむを得ない事情により送迎が必要であると認められる利用者に送迎を行った場合は、減算しないというただし書きがあります。留意事項通知は、この例外が使える場面をかなり狭く定めています。

通知が具体例として挙げるのは、傷病により一時的に歩行が困難になった人、または歩行が困難な要介護者で、建物の構造上、自力で通所することが難しい人です。この人に対して、2人以上の従業者が、居住する場所と事業所の間の往復の移動を介助した場合に限られます。

例外を使うときは、2人以上による移動介助が必要な理由、介助の方法、期間を、介護支援専門員とサービス担当者会議等で慎重に検討し、内容と結果を通所介護計画に書くことが求められます。移動介助をした人と、移動介助のときの利用者の様子も記録します。

送迎減算:自分で通う、家族が送迎する場合も片道ごとに掛かる

留意事項通知は、利用者が自分で通う場合や、家族等が送迎を行う場合など、事業者が送迎をしていない場合は、片道につき減算の対象になると書いています。行きだけ家族が送り、帰りは事業所が送迎するなら、掛かるのは行きの片道分です。

ただし書きとして、同一建物減算の対象になっている場合は、送迎減算の対象にならないとされています。同一建物の利用者が自分で歩いて通う日は、同一建物減算の94単位だけが掛かり、送迎減算の47単位は重ねて掛かりません。

利用者の状況ごとに掛かる減算(告示と留意事項通知の原文からの整理)
利用者の状況掛かる減算
同一建物でなく、往復とも事業所が送迎した掛からない
同一建物でなく、行きだけ家族が送迎し、帰りは事業所が送迎した送迎減算 片道47単位
同一建物でなく、往復とも自分で通った送迎減算 往復で94単位(47単位×2)
同一建物の利用者が、自分で通った同一建物減算 1日94単位のみ(送迎減算は重ねない)
同一建物の利用者で、2人以上の従業者が往復を介助し、計画への記載と記録がある掛からない(例外)

月の単位数の試算:仮の数字

次は計算のしくみを見るための仮の数字で、実際の事業所の数字ではありません。同一建物の利用者が月に20日利用し、例外に当たらない場合、94単位×20日=1,880単位が、その月の所定単位数から減算されます。

同一建物でない利用者が月に20日利用し、毎回の帰りだけ家族が迎えに来て、行きは事業所が送迎する場合は、片道47単位×20日=940単位です。往復とも家族が送迎する場合は、47単位×2×20日=1,880単位になります。減算後の単位数に、地域区分の単価などを掛けて請求額が決まる点は、この記事では扱いません。

この記事で確認した範囲と、次に確かめること

2026年10月24日に、告示第19号の別表6の注23と注24を、厚生労働省の告示掲載ページで確認しました。留意事項通知は、厚生労働省が掲載している平成27年度改正版のPDFで、同一建物の範囲、例外、送迎を行わない場合の減算を確認しています。この版より後の改正で内容が変わっていないかは、確認していません。

請求明細書への書き方や、実際に減算が掛かるかの最終判断は、指定権者や国保連の案内で確かめてください。開業前の全体像は通所介護の開業の入口にあります。訪問介護の同一建物の扱いは別の記事の同一建物の利用者にまとめています。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 利用者ごとに、事業所と同一の建物(1階に事業所がある・渡り廊下でつながる建物)に居住しているか、同一建物から通っているかを確認して表に入れる
  2. 同一建物の利用者のうち、傷病などで送迎が必要な事情があり、2人以上の従業者が往復を介助している利用者は、理由と方法を通所介護計画に書き、介助者と様子の記録の置き場所を決める
  3. 同一建物でない利用者は、行きと帰りのそれぞれについて事業所が送迎したかを日ごとに記録し、送迎しなかった片道を数える
  4. 同一建物減算が掛かる利用者には送迎減算を重ねない決まりを表に注記し、月末に1日94単位と片道47単位の合計を試算して、実際の請求は指定権者に確かめる

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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